「なにかおすすめありますか?」の質問ではなにも見つけられないこと ~放浪の旅をする方へ~
今朝は大きな本屋さんに行っていた。
イヤホンからはオアシスのWonderwall。天気も良くて気持ちのいい午前中。
本を買いに行ったのではなく、大きな本屋のラインナップと配置を眺めるために出かけた。先週は図書館を眺めたから、今週は本屋さんにした。
本屋さんに行っている道中、知らない男性に声をかけられた。音楽も足も止める。
「すいません。なにかこのあたりでカフェか書店ありますか?」
と、スーツケースを引いて歩く男性。
本屋さんは目の前にあったから、
『え?目の前に本屋さんありますよ。』
と答える。しかし、なにか男性はもっと違う答えが欲しかったかのようにこちらを見てくる。
立ち止まって答えたのに、私が話をしているときはそっぽを向くし、そんなにじろじろ見られたら気味が悪い、というような感じだった。今日はOKAMOTO'SのTシャツで出かけていたから、Tシャツが気になったのだろうか。そんなに見られても困る、とは思いつつも、紳士的な対応を、と心に決める。
『他になにかありますか?もう大丈夫ですか?』
と聞き返す。
「他の県から今来たところで、ここらへんでおすすめとかありますか?」
と言われた。観光客だった。どうやらひとりで出かけてきたみたいだ。
そうか、と思い、とりあえず、近くのお城と庭園、観光スポットを伝えた。
「なんか、食べるものとか?」「おすすめの店とか?」
と続けて聞いてきた。
そうか、お腹がすいていたのか、と思い、今いる通りではない通りにいくことを勧めた。
そこで、男性とはわかれた。正味15分くらいだろうか。男性は今もどこかで、放浪しているのかもしれない。
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ここからが本題だ。
私もあてもなく旅行していたことがある。今は絶賛の自粛中だから、出かけたりはしていないが。あてもなくただひとりで出かけてみるのは楽しい。リフレッシュにもなる。
現地に住んでいる人に声をかけて、おすすめを聞いて、一期一会を楽しむ
なんだか、聞こえはキラキラしてていい。「ひとりで旅をしてきた自分」みたいな感じの自己陶酔だとも言えるか。
しかし、旅に出る時は、ある程度、下調べをして出かけるべきだ。
下調べをせず、
「現地の人に教えてもらえればいいや」
というのは浅はかすぎるし、甘すぎる。
そもそも、現地の人がなにもかにも知っているわけではない。
あなたは「観光地」や「まだ見ぬ土地」に来たのかもしれないが、そこに住んでいる人たちにとっては「日常」でありただの「居住地」なのだ。
「居住地」であるということはどういうことか、
自宅があるから、外食なんてしない。有名なレストランや食事処は行ったことがない、ただ「有名だ」と聞くだけの場所。
ということだ。
はて、下調べをしてきた観光客と長年住んでいる住人とどちらが最新の情報を持っているだろうか?
おそらく入念に下調べをしてきた観光客の方がよく知っているだろう。
あてもなく、そこで出会った人にただただ、「なにかおすすめありますか?」の質問では結局なにも見つけられない。
なにを勧めて欲しいのかもわからない。
観光地が知りたいのか?
お腹が空いているのか?
お土産が買いたいのか?
そもそもあなたの好みを知らないから、私のおすすめとあなたの探すものが噛み合うとは限らない。
それなら、きっとgoogle先生に聞いた方がたくさん教えてくれるだろう。
せめて、質問の仕方を「なにかおすすめありますか?」という漠然とした質問ではなく、
「〜〜を食べてみたいのですが、どこに行くのがおすすめですか?」
「==が有名と聞いたのですが、、、」
ともっと具体的に質問することだ。
なにも準備をせずに出かけて、時間も機会も浪費して、「田舎だったな」「なにもなかったな」という感想になるのは最悪だろう。お互いに。新たに得るものが少なくても構わなく、ただゆっくりしたいだけなら、自宅近くのホテルのちょっといい部屋をとってだらだらする方が良質な休みになるかもしれない。
放浪の旅をする方へ。
まずは少しでいいから下調べをすることだ。「なにかおすすめありますか?」の質問では、なにが知りたいのかわからない。質問はもっと具体的にすることだ。
しかし、今この状況で、ひとり旅をしているなんてことに驚いた。あなたがウイルスを運んでくるとは言わないが、くれぐれも気をつけて欲しい。田舎で感染者が出たときの苦労を少々は気にして欲しいとも思う。
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