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UE5を使ったライブ制作~カメラワークをつける

こんにちは!CGデザイナーのまつおかです。

今回は、UE5でのライブ制作の続編ということで、ライブ配信をより盛り上げるための大事な要素である【カメラワークの追加】についてご紹介したいと思います。

▼過去の記事はこちら▼


今回の作業について

前回はライトの動きを紹介する関係で、カメラワークはあえてつけず正面からの定点カメラにしていました。

しかし、生配信ライブや音楽番組などをイメージしてもらうとわかるかと思いますが
顔のアップ・会場全体の様子・全身の動きなどなど…様々な角度からのカメラでアーティストさんを映して放送するのが一般的です。
現実で正面から定点で放送している音楽番組はほぼないと言ってもいいでしょう。

そして、この"カメラワーク"は画面越しでお客さんがライブを楽しむための大事な要素の一つです。

今回は、前回作ったステージに対しカメラワークをつけ、よりライブ感を足していく過程を紹介しようと思います!


準備:キャラを立たせる

では、さっそくカメラワークを…。といきたいところですが、ステージ上にアーティストさんがいないと話になりません!
カメラの映り具合やカメラの配置はアーティストさんの身長や動きによって大きく左右されるからです。

今回は、VTuberの桜樹みりあちゃんにモデルをお借りすることができたので、ステージに入って頂きました!
※今回は表情なし、加えてダンスモーションはミライ小町さんのデータを使用させて頂いております。


カメラの配置

今回は8台のカメラを配置してみました。
CG空間なので360度どこでも自由にカメラを配置することは可能ですが、奇抜なカメラは使いづらいことも多いので
今回は実写ライブを参考に使いやすいカメラを検討してみました。

8カメのアングル
静止画だと近い見た目もありますが、後ほどカメラワークで差を出していきます

ちなみに現実だとできないアングルの例

アーティストのほぼ足元から
ステージ上にカメラがポツンと置かれることになるので、現実では難しい
ステージの設備を入れ込む形で宙に浮いているカメラ
カメラ用にクレーンやリグを組まないといけませんね…w
予算的によほどのことがなければ無理でしょう

こんな感じでCGだと物理や予算を無視してカメラを置けるのが面白いポイントではあります!
(ちなみに、実写の場合だとカメラがあるということはカメラマンも必要になることが多いので人的リソースもいらないという…CGすごい!)


カメラワークをつける

配置したカメラはFix(固定)状態なので、これだけでOKとは言えません!
ライブではカメラマンが歩き回ったり、クレーンに乗って寄り引きをしたり、カメラワークの工夫がされています。

カメラがFixだけだと単調に見えてしまい、ライブの臨場感が軽減してしまうので、カメラワークというのはとても大事です。

それを踏まえ、カメラにアニメーションをつけていこうと思います。
ただ、カメラごとにアニメーションキーを作るのはとても大変なので、今回はUE5のブループリント(BP)を作ってみました。

ブループリント【cam_dolly】
cam_dollyの中身
※見やすいように折り返しています。

これだけ見てもよくわからないと思うので、簡単に機能を説明すると
このBPに対し、カメラを親子付けすると『前後や左右といった繰り返しの動きを与えることができる』といったものになります。

変数として【往復にかかる秒数】と【移動量】を指定できるようにしたので、わざわざBP自体を開きなおさなくても、アニメーションの具合をコントロールできます。

この"変数にしておく"というのはとても便利で、レベル内に【cam_dolly】を複数置いたとしても別々の値を持てるようになります。
必要な数だけ複製すればいいのも楽でいいですね。

元データが同じcam_dollyでも
3つあれば3カメ別々に動かせる!

カメラスイッチングを行って完成!

各カメラがどのように動くかが決まったらスイッチングをします。
前回照明を動かした時に使った【シーケンス】にカメラカットという項目を足すことで、楽曲に合わせたカメラスイッチングを行うことができます。

一番上のサムネイルが表示されているのがカメラカット

照明と同じように音に合わせてスイッチングのタイミングを決めることができるので、「決めポーズの時は絶対にこのカメラ使っておきたい!」など演出を作りこむことも可能です。

シーケンスなら音を聞きながら、どのカメラを使うか視覚的に確認できる


そして完成した動画がコチラです↓
どのようなカメラワークになったのか完成動画をぜひ見てみてください!



いかがでしたでしょうか?
カメラが切り替わることでキャラの見え方もそうですが、背景の印象もかなり違って見えたのではないでしょうか。

このようにライブ制作には欠かせない要素がまだまだありますので、次回以降もUE5でのライブ制作について書いていこうと思います!
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