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「花束みたいな恋をした」は、かつてサブカルが好きだった人にこそ見てほしい作品

先週の土曜日、封切り日の翌日に「花束みたいな恋をした」を見てきました。

予備知識のないまま鑑賞しましたが、間違いなく今年一番の作品になるだろう作品です。

※注意:少しネタバレを含みますので、まだ見ていない方はお気をつけください。

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音楽や映画、小説、漫画など、趣味がとくかく合う二人が出会い、付き合ってからの5年間を描いています。

まず、この映画を見て驚くことは、固有名詞の多さ。過剰なまでの固有名詞の羅列が続きますが、その多くがサブカルワード。

知っている人が見ると、お!と思うポイントが多い作品です。

例えば、初めて出会った二人がカラオケで、きのこ帝国の「クロノスタシス」を歌い、帰り道にコンビニでビールを買って飲む。

これは「クロノスタシス」の歌詞の通り。このシチュエーションに憧れた人も多いだろうな。

その他、cero高城さんのRoji、今村夏子のピクニック、押井守、タムくんの似顔絵など、ピンとくる方には嬉しいワードたちです。

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私はこの映画の中では菅田将暉演じる「麦」に共感してしまいました。

大人になって仕事ばかりになり、増える積ん読。あんなに楽しみにしていた漫画や小説の新刊も読めなくなる。好きなインディーズバンドのライブにも行けなくなる。

そして、それができている人もいる。有村架純演じる「絹」はわりと学生生活のまま進んでいます。

サブカルが嫌いになったわけではないのに気乗りせず、どうでもいいアプリで隙間を埋めようとする。これ、苦しいほど分かる。

かつてヴィレヴァンや、大阪のスタンダードブックストアに通っていた私は、この作品を見てひたすたに共感してしまいました。

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かつてサブカルが好きで好きでたまらなかった人たちへ。あのころの思い出が蘇る良い作品です。

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