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孤独とは

本を読んだ。自分の本棚の積読から「これだ」と思って手に取って読んだ。
2冊,一気に読んだ。
偶然か,どちらも『孤独』がテーマだった。

抗うことができずに,自分の時間を奪われていく主人公。自分を解放してくれた大切な人との関係もあいまいで,自分自身の居場所が分からなくなっていく。人に大切にされても,どこか孤独を感じてしまう。
ある少年と出会い,新しい人生を歩んでいく。奔走する中で人とつながり,人に大切にされ,人を大切にする中で,自分の居場所を見つけていく。

舞台は中学校。クラスになじめない主人公がクラス替えをきっかけに,新しい友達を作っていく。主人公だけでなく,登場人物それぞれの人間関係の移り変わりが描かれている。
中学生のあの時の独特な人間関係。些細なきっかけでとても仲良くなることもできるが,とても脆くて些細な事で崩れてしまう。「なんかむかつく。」,「なんか変。」。具体性のない「なんか」に左右されてしまう人間関係。それがリアルに描かれていて,なつかしさともどかしさが入りまじった。シジミの身を食べて,抜けきれない砂をかんだ時のような,ジャリっとした感じが生々しい。

どちらも,周りに人がいない物理的な孤独とは違う孤独が描かれている気がする。人がいるのに,そこに自分の居場所が無いように思えてしまう,そんな孤独。
人とちゃんと関わる。自分の胸の内を言葉にしたり相手に伝えてちゃんと人と関わる。そうして本当の自分と向き合っていく。本当の自分を受け入れてくれる居場所を,受け入れられる居場所をつくっていく。


そうして思う,今の私はどうだろうか。
居場所,あるだろうか。本当の自分を受け入れられる居場所があるだろうか。
もしかしたら,私も孤独の中で生きているのかもしれない。

でも,孤独でいることは怖くない。
こうして本に出会えたし,「大丈夫」って思えるから。
明確な根拠を言葉で残すことができないけれど。
きっと,だいじょうぶ。

孤独について,うまくまとめられないけど考えてみた話。

では,また。



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