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呪い

きっと一生、逃れられないのだろう


サブカル好きの音楽好きで
プレイリストを作るのが趣味だった

辛いなんて言葉では言い表せないような過去を背負い
死を身近に据えながらも必死で生きている人だった

どうしようもないわたしの
吐瀉物のような言葉を受け止めて
希望と絶望をくれた人だった

教えてくれた音楽
作ってくれたプレイリスト
好きになった曲
蘇る記憶

音や香りはその当時の記憶を鮮烈に呼び起こす

彼とはどこか似ていたから
好きになった曲が複数あって
プレイリストもそのままになっていたりして

思い起こされる記憶が煩わしい
うるさくてうるさくてしょうがないのだ
ただ好きで聴きたいだけなのに
純粋に好きでいられなくなってしまう
それが堪えられない

過去になってまで苦しめられる呪縛
これ以上ぼくの好きを侵さないで


ひとつ、またひとつ
刻む癖がついた醜い左腕
心の傷は目に見えないから
痛かったんだよって可視化する
消えないんだよって痕を撫ぜる

音よりも香りよりも
痛みを伴う記憶のほうが深く残るらしいから

遺そうと思った記憶と消したかった記憶
あたりまえだけど後者が宿るのは痛みではなかった

どれもこれも忘れられない
忘れてやらない

好きだと言ってくれたこと

呪縛と自縛 自爆

死にたさ募る夜

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