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なぜ今、「移民」がアツイのか

ども。

前回の記事では簡単な決意表明的なのをさせていただきました。

今回は、なぜ私が国際社会学(=移民研究)に取り組もうと思ったのか、もう少し掘り下げて語っていきたいと思います。

1.いきなり問題

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さて、ここで一つ質問をしたいと思います。2019年6月末の時点で、国内に日本政府が公認した移民は何人いるでしょうか?

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正解は、0人です!(たぶん)

ここで多くの方が引っかかってくださると筆者としては嬉しいです笑

なぜならば、現在日本政府は「移民とは入国の時点で永住権を有するもので、就労目的の在留資格による受け入れは移民ではなく、日本に移民はいない」と主張し続けているからです。特定技能制度の導入に際しても「移民制度ではない」との主張が繰り返されました(自民党が悪いとかではなく、日本社会の体質の問題かと思います)。

国際的な定義では「移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなす。3カ月から12カ月間の移動を短期的・一時的移住、1年以上にわたる居住国の変更を長期的または恒久移住と呼ぶ」としており、この定義に従えば2,829,416人となります。

しかも特筆すべきなのが、直近5年間で70万人以上増えているという事実です。現在人口に占める割合は2.2%ですが、国内の少子高齢化と人手不足を鑑みるに、この数字が近いうちに増大することは疑いようがありません。「アメリカは人種のサラダボウル」と学んできた我々ですが、日本もサラダボウルとまではいかなくとも、そのような方向へ確実に進みつつあります。

さらにフランスやドイツといった西欧諸国も、「移民を受け入れているわけではない」と国民に対して言い逃れをし続けたのち、ようやく自らが「移民受入国」であるという事実を受け入れた歴史的経緯があります。日本も確実に後追いをしています。なぜ西欧の反省から学ばないのか、個人的には疑問でなりません。

2.平等に貧しくなろう

移民は要らない、日本人だけでやっていけるはず、そういう論調も未だ一部で見られますが、本当でしょうか?

数年前の記事ですが、社会学者の上野千鶴子さんの記事が話題になりました。深く考えさせられるので、是非一読していただきたいと思います。

https://www.chunichi.co.jp/article/feature/hiroba/list/CK2017021102000006.html

少子高齢化といった日本の現実を鑑みて、「移民排除を主張するならば」、上野先生の論理に従って平等に貧しくなるしかないのではないか、と個人的には思います。

私ははっきりいって愛国心は低い方だと思うし、日本が滅びるならそれはそれで仕方ないね、っていう気分でもあります。

ただ、移民受入という明確な解決策(完全に今の人口が維持できるといいたいわけではないですが)があり、しかもそれが発展途上国を中心とした諸外国からも求められている(「日本に出稼ぎに行きたい」という人たちが大勢いる、しかしこの波から送れると「外国人に選ばれない国」日本になるリスクも)、こういった現状から、冷静に考えれば移民受入国だという自認をし、それを進めていく、それが最も論理的ではないかと思うのです。

3.多文化共生

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「多文化共生」、この言葉を皆さまも多く耳にするのではないでしょうか?そしてネガティブなイメージをお持ちの方は少ないのではないかと推察します。

しかし、実は移民受入を先んじて進めたヨーロッパでは、多文化主義の名の下に各エスニック・グループ間の差異が強調されすぎた結果、むしろ対立が深まった、という反省から、ある種の統合政策に移行する国が増えています。日本でも、多文化共生が推し進められていますが、他国の反省から学ぶべき点はあると思います。

さらに、困難だと考えられるのが、日本人の中でも共生がなされているか、疑問に思わざるを得ないからです。古き良き昭和、といったような近所づきあいも今では希薄ですし、ある種共生ではなく共棲に近い部分も既にあるのではないかと思います。相互不干渉社会。そこに異なる文化、習慣を持った人たちが入ってきて、果たしてどうやればうまくやっていけるのだろうか。しかも、日本語という壁は想像以上に高いらしい。

先ほど人口の2.2%と書きましたが、日本の中で外国人の方々が住んでいる場所はかなり偏っています。東京都新宿区、群馬県大泉町、静岡県浜松市、などです。それ以外の地域に住んでいる人には、未だ移民の増加はリアリティをもって感じられていないのではないかと思います。

しかし、近い将来確実に、日本の都市部のいたるところで移民の姿が日常的になる日は来ます、その現実から目をそらさずに、どうやって皆が生きやすい社会に変えていくのか、この問いに真剣に向き合うべき時だと思うのです。

4.国際協力×日本の移民

こちらのプレスリリースにもあるように、新型コロナウイルスの影響で出稼ぎ労働者からの仕送りが大幅に減少し、途上国の脆弱な人たちが危機に瀕すると懸念されています。

https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2020/04/22/world-bank-predicts-sharpest-decline-of-remittances-in-recent-history

例えば、フィリピンは英語力の高さなどを生かして政府主導で海外への出稼ぎを奨励してきました。興行ビザでダンサーとして日本に入国し、フィリピンパブなどの性産業で多くのフィリピン人女性が働いてきた過去もあります(「じゃぱゆきさん」と呼ばれます)。

実際に途上国に行って国際協力を行うのも一手ですが、貧富の格差を埋めるための手段として、海外出稼ぎが生存戦略として途上国の人々により取られている場合も多々ある以上、先進国で一稼ぎしようとしている彼らの受け入れを円滑にする、その生活がうまくいくようサポートする、そんなことも、「国際協力」の名には当てはまらずとも、先進国側として行えるサポートの一つではないでしょうか?

今現在では、日本のサポートは全く不足しているといわざるを得ません。途上国への技能移転を建前とした技能実習制度。実際は明確に日本国内の人手不足を埋めるための制度に過ぎないばかりか、母国に帰っても日本の工場と同じ機会がないために学んだことが全く生かせない、なんてこともままあるようです。

https://mainichi.jp/articles/20200519/k00/00m/040/183000c

前回の記事に書いたように、1年半にわたり「向こう見ずな支援はしない」を掲げて活動してきた私としては、日本政府の今の政策は向こう見ずな支援そのもののような気がしてならないのです。何とかしたいです。そのために勉強してます。

5.いま移民がアツイ

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さて、要は、日本における移民問題は今めちゃくちゃアツイということです。実際、メディアなどでの取り上げられ方もここ数年で急速に拡大しているとのことです。それでも、まだまだこの問題に関して無関心な人が多すぎます。

かくいう自分も一年前まではそうでした。日本社会の一員として、日本の移民問題において何か果たせる役割があるのではないか、そんな気持ちで現在は勉強しております。

流行に敏感な日本人!特に社会貢献に燃えてる人たち!このビックウェーブに乗らない手はないぜっ!!!

最後だけテンションがおかしくなりました。自分も知識全然ないんですが勉強会とか開けたら楽しいだろうなと思ってるのでぜひぜひお声がけいただければ嬉しいです。この記事も、少しでもこの問題に目を向ける人が増えたらな、という一心だけで書いてます。


では。

p.s. 前回に引き続き、リンク踏んでください。まじで良きなので。


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