僕が地域の「人」に投資をしようと思っている理由 ローカルツーリズム株式会社代表 糀屋総一朗
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僕が地域の「人」に投資をしようと思っている理由 ローカルツーリズム株式会社代表 糀屋総一朗

ローカルツーリズムマガジン

ローカルツーリズム株式会社は、発足半年を経て「人」に投資をしていくという方針に舵を切りました。地域を活性化させるために何が必要なのか。代表の糀屋総一朗が、いま考えていることを決意表明の意味も込めて語ります。

「人」に投資して地域循環経済圏を拡充する

ーーローカルツーリズム社の発足から半年ほどを経て、変化がありましたか?

ローカルツーリズム社が実現したいことはまったく変わっていません。
それは「地域循環経済圏を拡充して地域の自立を図っていく」ということです。

ただ、1点大きく変わった点があります。それは、僕たちが率先して地域事業を増やしていく戦略が、地域の「ローカルエリート」に投資をして一緒に事業をつくる戦略に変わったことです。これからは地域で活躍する「人」への投資を加速させていきたいと考えています。僕たちはあえて規模を追うことはしませんが、投資額は2022年度は2億円、2023年度は5億円、2024年度は10〜15億円規模に、目標年間内部収益率(IRR)は30%を目指します。

そもそも、人への投資ということを考え始めたきっかけをお話しさせてください。

僕たちは、2019年にひょんな縁から世界遺産群で有名な宗像市大島という離島で、1日1組限定の宿「MINAWA」の運営を始めました。地元の民宿の相場の5倍程度の宿泊料金ということもあり、最初は「そんなにお金とったらあかん」とか「大島なんてもっと安くせんと人は来ん!」とあきれ顔で諭されました。

宿泊施設の旅館業の申請から始まって、内装や家具のセレクトからはじまり、料理人探しや清掃のママさん達との清掃講習、はては井戸のポンプやボイラーの修理まで、宿周りのほとんどのことを自分で動き回ってやっていました。もちろん、協力してくれた皆さんにも大変な労力をおかけしたのですが、僕自身の時間のほとんどを大島に費やしていました。また現地の方々とのコミュニケーションにおいても時にはぶつかりストレスになることもありました。

もちろん大変なことは多かったのですが、地道な改善やプロモーションの結果として、MINAWAは僕の想定以上に多くのお客様にご利用いただき、2022年夏に予定する地域ファンドへの売却によって島内所得は1%〜1.5%程度上昇する計算です。

ただ、僕も今年44歳になり体力も無理できる感じではない。これで他の地域のことまでやるのは「限界があるよね」っていう当たり前のことに突き当たったんです。大島での「局地戦」だけに集中していると、今のままじゃ自分がやろうとしていることは広がらない。それを薄々感じてたんだけど、最近、特に感じるようになりました。

そうであれば、「地域で活躍したい」という人たちに対して投資をしていくというスタンスに回る。その方が、局地戦で止まらず、より広範囲に影響を与えていくことができるし意味があるんじゃないか?というとことに行き着いたんです。

ーー「人への投資」とは具体的にどのようなことですか?

2021年からスキーで有名な長野県の白馬で、人力車のサービスを始めました。「人力車のサービスをやりたいんで人力車買ってください!」と言ってきたのが、山岳アスリートの上正原真人君でした。

彼とは、ある白馬のワークショップで出会ったのですが、話をしてすごく物腰が柔らかいし素直な印象を持ちました。彼は大学時代に浅草で人力車の車夫の経験があり、アスリート活動の資金捻出のためにもぜひ人力車をやりたいということで、収益的にも面白そうだなと思って投資することにしました。

白馬人力車として地域で事業をする上正原さん

上正原君と一緒に仕事して1年ほどですが、アスリートの生活をどうやったら確保できるかを考え、自ら率先して動いて白馬の魅力を生かした新しい体験型のモビリティを実現しました。こちらから言われなくてもホームページを自分で修正したり、プランなども自分で考えてすぐに行動にうつします。実行力がすごいし、地域の資産をちゃんと価値化するという目線があります。そして何より地元のために何かできないかというパブリックマインドがある。

まだ人力車のサービスは小さいけれど、投資回収は1年程度でいける予定なのでとてもよく、これから規模が大きくなる可能性がとても大きいですし、いろいろな地域への横展開も可能です。

人への投資とは、こうした地域のスモールビジネスを手がけるプレイヤーにどんどん投資をしていって事業をバックアップして、地域に多様な産業を誕生させていくことです。

地域を変えるローカルエリート

ーー「ローカルエリート」とはどのような人のことですか?

上正原君は一般に言う「エリート」からイメージする人物像とはかけ離れているかと思います。でも、彼は僕が考える「ローカルエリート」そのものなんです。こういう人材がこれからの地域におけるニューエリートだと思うのです。

少し理屈っぽい話をしますが、なぜ僕があえて「エリート」という言葉を使っているのか、大切なことだと思うのでお話しさせてください。

そもそもエリートというとそのラテン語「eligere」の語源からそうなのですが「選ばれしもの」というニュアンスがあります。西欧では「大衆社会」の到来との兼ね合いで少数のエリートが大衆を支配する支配的、権力的文脈で語られました。特に日本では「偏差値エリート」や「一流」と呼ばれる大企業に就職することがエリートと考えられていたりと、あまり良いイメージがありません。

しかし、誤解を恐れず言えば、現代日本の衰退した地域経済やコミュニティの再興には、旧態依然とした価値観から超越した全体性を考慮できて、損得勘定だけで物を考えない価値観を持った新しい「エリート」が必要とされていると思うのです。

ここは重要ですが、依存体質の旧態依然とした価値観こそがまさに地域経済の衰退の原因なわけですから、その価値観の延長によって地域経済が改善されることは論理的にあり得ません。ではどうしたらよいか?いちど壊れてしまった地域経済を再興させるためには、外から全く違う価値観を持った、ある種「お節介」なパターナリスティック(温情主義)なエリートが要請されるほかないと考えています。

こういうと、上の立場から設計主義的に地域を開発していくのか? と思われるかもしれません。しかし、決してそうではありません。むしろ逆です。僕の考える「ローカルエリート」は、目先の損得勘定だけだけを考えるのではなく、補助金によって依存体質となった地域をいかに経済的に自立させられるかを考え、地域の自立を実現するために高付加価値の高いサービスをつくり、地域内の所得を上げていけるような人を指しています。

そして、支配的、権力的なパワーエリートではなく、地域とともに議論の土台を作ってコミュニケーションできるファシリテーターでもあり、草の根の行動も取れるような人材です。そうした高度な素養を持った人たちこそが現代の地域にとって重要な人材だと考えていて、だからこそあえて「エリート」という言葉を使っているのです。

ーーそもそも、地方での事業は儲からないイメージがあります。

全然そんなことありません。

都会では土地の値段も高く、事業を始めるのにお金がかかるので、どうしても大企業でなければ「物の価値」を上げていくビジネスが難しいものです。でも、地方だと土地や建物を借りるにせよ、買うにせよ安い物件がたくさんある。そうすれば、儲かるモノやサービスを作り出せれば大きなキャピタルゲインが得られるのです。しかも競合相手もいないブルーオーシャンであることが多く、新規ビジネスを始めるには格好の条件が揃っているところもメリットの一つです。

あと、これは言っておきたいのが、地方は自分たちが持っているサービスやモノの価値を安売りしすぎてきました。だからこそ地方の事業は儲からないという偏見が生まれいているのだと思います。

これまでみんなが見過ごしていたものに「価値」を見出して、適正価格で売る。「価値」があるなら、安売りする必要はない
のです。今までゼロだったものに価値付けしてビジネスにする。個人の力で「モノの価値を上げられる」。それは、地域ビジネスならではの醍醐味だと思っています。

たとえば、僕が大島ではじめた1日1組限定の宿「MINAWA」も周辺の民宿の相場の約5倍の値段設定になっています。それは、大島でもっともよいと思われるロケーションに立地し、設備や備品にこだわり抜いた結果、それだけの価値があると想定できたからです。地元の人からは「そんな高い宿は誰もとまらん」と呆れ顔で言われていましたが、実際には想定以上のお客様に宿泊いただいていますし、関わっていただいているママさん達へのフィーもできる限り高くできるように心がけています。少なくとも周辺賃金相場の1.5倍程度にもっていきたい。

海をのぞむ「MINAWA」のリビング

また、ネットの記事で知ったことなのですが、茨城県に1本5,000円のレンコンを販売している野口農園という農園があります。レンコンといえばスーパーで廉価に売っている印象が強く、1本5,000円のレンコンなんて売れるのか? と思いましたが、ここ数年で数千万円ほどの売上を伸ばしているそうです。「品質と伝統」を前面に出しブランディングされたとのことですが、これも地域ビジネスの可能性を多分に感じられる事例でしょう。

「地域」にこだわる理由

ーーしかし、日本の地域は人口減少や高齢化という構造的な問題を抱えていると思います。なぜそれほどまでに地域にこだわるのでしょうか?

理由はいくつかありますが、大きく分けて2つです。一つは先ほどもお話ししましたが、特色ある地域の価値化ができる知恵と工夫があれば、競争相手のいないブルーオーシャンで大きな利益を得られる機会があるということ。もう一つは、地域投資が雇用を生み地域住民の一人あたり所得を上昇させ、地域の衰退を防ぐことができるからです。詳しく説明していきます。

確かに、日本の地方にはさまざまな問題があります。まず、マクロで見たら日本の経済の大きなところは短期的には「もう詰んでるな」と思っています。人口ピラミッドの構成をみると65歳以上に人口の偏りがあり、65歳以上人口と15~64歳人口の比率を見てみると、平成27(2015)年には65歳以上の国民1人に対して現役世代2.3人、令和47(2065)年には、65歳以上の者1人に対して1.3人の現役世代という比率になります。つまり社会保障負担や医療費が若手世代にとってとてつもなく重圧となっています。

内閣府(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2020/html/zenbun/s1_1_1.html)

宗像市大島に「MINAWA」をつくって痛感したのが、「地方のリアル」でした。中山間地域はどこもそうかもしれませんが、65歳以上人口が約50%という「超高齢社会化」と若い人たちの流出によって、産業の担い手が減少しており事業の継承問題が発生しています。日本の縮図といって良いでしょう。

日本の地域にはこのようなさまざまな問題もありますが、特色ある「地域」には、知恵と工夫で魅力的な資源を使ったビジネスを生み出せる広大な「のびしろ」があって大きな利益を得る機会があります

具体的に言えば、都市にはない自然や歴史文化です。地元の人からみれば常態化し当たり前に見えるものでも、都市生活者に「なんて素敵な風景なんだろう!」とか「こんな美味しい料理は食べたことない!」といった驚きを与えることがあります。僕も3年前に初めて大島に来た時には、島の独特なゆるい時間感覚や、豊富な山海の幸、島民の方のフランクな歓待などに心を打たれ、とても素晴らしい場所だと思いました。旧態依然とした体制の中で行われてきた生産性の低いビジネスがいろいろな地域で横行していた分、のびしろは大きいといえます。

そして、そののびしろを高付加価値のサービスとして実現化することで、働く人たちの給料を上げることが可能となり、地域所得を増やしていくことが可能となります。都市に負けない魅力的な就労環境を作り出せれば、その地域でビジネスに投資をしたいという人や働きたいという人が増えてくるはずです。地方のGDPと雇用は日本全体の7割を占めており、「地域の魅力」が「日本の魅力」の大きな部分となっているので、地域の魅力に投資することにはとても意味があります。

ーー今、日本の地域にもっとも必要なことはなんでしょうか?

まず、なぜ地域が衰退しているのかを考えてみましょう。地域の衰退をどう定義するかによって解決策は異なりますが、地域産業が衰退し、1人当たりの所得が減少していることが衰退の大きな要素と考えます。

経済学的にいえるのは、1人あたりの所得を上昇させることが地域衰退をくい止める「必要条件」だということです。1人あたり所得を上昇させるだけで地域の衰退を止めることはできませんが、所得の上昇がなければ地域の発展はありえません! まず、必要なことは地域の1人あたり所得を上昇させること、そしてどうやったらそれを実現するための現実的具体策です。まさにローカルエリートへの投資がそれを実現すると考えているのですが、少し詳しくお話しします。

1人当たりの所得を上げよう、生産性を上げようという話をすると、「お金の話だけで地域創生を語るな!」 という反論を受けることがあります。しかし、考えてみてください。合理的に考えれば、ジリ貧の地元ではなくて、もっと稼げて楽しい場所に行こうと思うのが普通ではないでしょうか。人は魅力的で所得の高い仕事やさまざまな機会を求めて都市に向かうのです。

実際に、データからもそれは言えます。地方から東京圏への人口流出は、各地域での就業者数の増減と表裏となっており、人口流出の要因が経済環境、特に雇用環境にあることが示唆されています。すなわち、若者にとって魅力的な就業機会が地方に不足していることが、地方から東京圏への若者の流出を招いていると考えられるのです。

まちひとしごと創生会議第1回参考資料1-7①
総務省「地域におけるICT利活用の現状に関する調査研究」

ではどうやって1人あたり所得を上げていけば良いのか?1人あたり所得を上げるためには、生産性を上げていく必要があります。そのためには労働時間あたりに提供するサービスやモノの価値をできるだけ上げていくことが必要となります。そのためには、その地域ならではの儲かる事業をつくり、競争環境をつくり出す必要があります。

しかし、高度成長期以降の国土開発のスローガンである「均衡ある国土の発展」というコンセプトのもと、地方はばら撒かれた補助金の甘い汁を吸ってきたために、地域の価値を掘り起こして価値づけしていこうという姿勢が乏しいし、都市生活者に対して、彼らが望むスタイルで価値を提供することを真剣に考えてこなかったのではないでしょうか。 継続できないような事業が補助金で延命することが可能なのですから、真剣に事業性を考えたり、工夫をしてものを売ったりする必要がなかったわけです。

補助金により依存体質となった地域は、高付加価値のサービスやモノを提供しようというモチベーションが失われており、その結果、地域の可能性を活かせる仕組みが崩壊しているように思えます。このまま放っておけば、経済的に疲弊し、インフラすら維持ができなくなる地域が多発してしまうでしょう。

大島でも大いに感じたことですが、安売りの呪いによって日本の多くの地域は地域の貴重な資源をいかに高く売るかという大事な点を見過ごしてきた気がします。価値を高く売ることは、今この時のお金儲けという意味ももちろんありますが、それよりもブラック体質な商売の構造を変え、将来の産業の維持にとってとても重要なことなのです。

補助金などへの依存パラサイト体質から脱却することは簡単ではありませんが、地域にいるローカルエリートに投資をしバックアップすることを続けていくことで、彼らが生産性の高いビジネスを作り出し、1人あたり所得を向上させていく良いスパイラルにもっていく。そうした人材の頭数を増やしていくことが地域復興の足がかりになると考えています。僕はそれが出来るだろうと確信しています。

「思いのある」人に出会いたい

ーーどのような人たちに会って話をしたいですか?

特に僕が繋がりたいと思っているのは地域の若い人達や、地元を出て都市圏で学び就職したのちにまた地元に戻ってきたUターン組の高度人材、もしくは地元ではないけど、その地域に興味を持って外から入ってきた人達です。地域で自分達で産業を起こしてくれるような人がもっと増えればいいんじゃないか? と思っているんです。

こういう人たちが何か新しいことをしたい! という時にスピーディーにご協力できるような体制をつくりたいなと思っています。ゼロからイチというだけではなく、その中間ぐらいで仕事を立ち上げようとしている人たちは常にいるんですよ。既にそういった人たちを対象として、投資先のめどはいくつかあります。僕たちの地域創生にかける思いが届けば、投資を受けて地域で面白い仕事をつくってみたいと考える人たちも増えるのではないかと思っているんです。

投資させてもらうからには、まず大前提として、僕たちローカルツーリズム社の思いに共感、賛同してくれる事ですよね。その上で、2つのレイヤーを考えています。

1.地域事業を立ち上げようとしている方

 A/ゼロベースで地域事業を立ち上げようとしている方
 B/すでに地域事業をやっていて拡充を目指している方

2.地域事業で一緒に働いてくれる方

いろいろな業種を求めています。僕が今「こういう人がいたらいいな」と思っているのはたとえば「料理人」なんですよ。「地域の素材を活かした飲食店がしたい人」ですね。そこの料理を食べにいきたいから行くといった目的となる飲食店をつくれる人に会いたいです。「地方の食材の良さ」を実感してくれて、それで「自分の料理を作りたい」「飲食店を始めたい」という人が投資の対象になるだろうと思います。

ふわっと商売を始めたいというのではなく、その人なりの思想がある、というところが優先事項になります。思想とアイディアが僕と合致すれば、事業の種類っていうのはあまり絞っていないんですよ。

ーー投資するにあたっての条件というのはあるのでしょうか?

投資をするに当たって、「公正価値=フェアバリュー」で提供できるサービスであることが重要だと考えています。フェアバリューというのは、単なる値段の高い安いという話ではなく、モノやサービスを購入してくれる方が納得してお金をだしてくれる価値を意味しています。

MINAWAのある大島を海からのぞむ

価値に見合った公正な価格で売ること。それが地域の将来の所得を上げていくことに繋がっていきます。将来、地域の産業に従事する人たちのためにも大事なことですから、責任ある行為でもあるんです。そこに対して、どうやってコミットしていくかを考えている人であって欲しいと思っています。

モノを作ったり、サービスを提供するにしても、そこの思想が共有できない人は難しいですね。「思い」のないものを安く売る、みたいなことには手を貸したくないんです。

あとは、「地域に何か還元したい」っていうパブリックな思いがある人に出資するっていうことですね。地域の魅力を価値づけする「外の目」をもっている事。そして地域の人たちとコミュニケーションをがとりながら、自らも手を動かせる人であって欲しいと思っています。

ーーローカルツーリズム社の「投資」はビジネスであると同時に「信頼関係」が優先されるということですね。

もちろん、ビジネスパートナーになるわけですから「仕事」として「お金」の部分はクリアにしていただかなければいけません。そういう意味では「数字の話ができません」という人には絶対投資できません。ゼロベースで起業するんだという方は、そもそも経営者になるわけですから、数字の話が出来ないといけないんです。そういう仕入れとか、売値とか、人件費とか、儲けの想定くらいのプレゼンはちゃんとやって欲しいですね。「ザ・スタートアップ!」みたいな資料が欲しいというわけではありません。本質がわかれば手書きでもいいんで。事業をきっちり形にしてくれる人に出会いたいと思っています。

ゼロベースで投資を望んでいる方とは、最初は何回か話し合いの場を持ち、壁打ちしてアイデアを出し合いながら始めてみようと思っています。そこでアドバイスも出来ますし、その上で投資額を決められればと思いますね。「身銭切ってもこういうことがしたいんだ」という人だったら、基本的には投資したいと思えるんですよ。それがよく分からないものであっても、思いは伝わるっていうか……。

まとめると僕が投資をしたい人というのは、「地域の魅力を価値化する『外の目』を持っていること」、「地域の人たちとコミュニケーションがとれる人」「自らも手を動かす人」、「事業をつくってちゃんと形にできる人」、そして「身銭を切ってでも地域に投資をする気持ちのある人」ということになります。

ーーでは、投資するのを躊躇するようなケースは?

成果が出ないのに我が強い人でしょうか。「僕はプロだから」とか、「経験者だから」とか、過去の威光みたいなことを言って、他人の意見に耳を貸さない人とは絶対うまくいかないだろうと思います。こちらも「やりたいことを歪めさせないぐらいの意見」にとどめてお話ししようとするんですが、頑として聞く耳を持たずの人とは上手くやれそうにないなと思います。100%こちらの言うことを聞く必要はないんですけど、コミュニケーションが出来ない方には投資はできないなと。

一緒にやろう、という姿勢がないと難しいですよね。投資先である以上そこは大事ですね。それともう一つ「地域ビジネスだからボランティア的なものであればいいか」というと、まったくそんなことは思っていません。ボランティアということは、所得が上昇しないということです。将来そのような仕事につきたいと思う人がいるでしょうか? そんなことはないでしょう?

ちゃんと稼げるビジネスであることが重要なんです。その上で地域のためにもなることを考えに考え、試行錯誤でやっていくことが大前提です。地域ビジネスの場合は、地域の自然や、インフラ、地元の人たちと一緒にお客さんにモノやサービスを提供するものなんです。だからこそ、地域への還元は当然なんですよ。だから「お金」以外のところで「地域のために」っていう発想は持っておいて欲しいですね。

投資した人とは伴走する「パートナー」になる

ーー投資をする相手に対して資金の他に提供できるものはあるのでしょうか?

投資をした上で、足りない部分があるようであればもちろん徹底的にお手伝いします。一般的なファンドというのは、公共的な視点が欠けていて、儲けだけにしか興味がないものもあります。それゆえ、投資をしたら「あとは任せた」という放任タイプのものが数多くあります。

でも、僕たちのファンドはそうしたファンドとは一線を画しています。今も、クリエイティブ、プロモーション、マーケティング、オペレーションでトップクラスの人材と「アベンジャーズ」的なネットワークを構築しています。そのネットワークを活用して、事業が上手くいくよう、シナジーが生まれるような人を紹介したり、メディアでも取り上げたり、投資先が税務、会計みたいなところが分からなければ、そういうプロを紹介したり。シェアオフィスの代わりに物件探しもお手伝いしますし、経営をしていく上でのメンタリングも含めて、全面的にサポートしていきます。

ーー「地域」や「人」に投資をしたい」というのは、素朴に善意だと思うんですが、そこまで「地域」肩入れするとちょっと不思議がられるのでは?

周りの投資家や友達からは「なんでそんな面倒くさいことをやってるの?」って言われちゃう。ただ、慈善だけで考えているわけではないんです。そこははっきりしておきたいんですよ。慈善そのものは素晴らしいと思うんですが、寄付して終わり、一時的に支援して終わりではなく、投資というところが大事なんです。それが「持続可能性」のある地域復興の方法だと思っていますから。僕らのファンドは投資家に対して年率10%(税引き前)程度の利回りの提供を目標としています。

東京など都市圏と違って、地方に行けば土地建物はどんどん余っていて、ただ同然で手に入ったりするわけです。それに手を入れてキャッシュフローが上がるようにすれば、売却するときに大きなキャピタルゲインを得ることができます。確かに投資家として「利益を上げる」ためにやるにはかなり「面倒臭い」ことなんですけどね(笑)。

この記事を読んでくれている人の中にも、地域の活性化へのロードマップに関する僕の考えに賛同してくれる人、共感してくれる人がいてくれると嬉しいです。投資を受けたい! という人たちに気軽に連絡して欲しいです。そうした人たちと巡り会いたいというのが僕の今一番の関心ごとです! 興味を持ってもらえたら、気軽にホームページやTwitter @komehanaya のDMから連絡をいただけると嬉しいです。


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地域の魅力を掘り起こし活性化し、補助金などに頼らず魅力を生み出しその土地で経済を成り立たせる「地域循環経済」の実現を目指しています。地域のキーパーソンや魅力的な土地・施設への取材を通して、これからの地域のあり方について考えます。運営https://localtourism.jp/