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分かりやすくするために、ちょっぴりフィクションにする。

おばんです。
日本各地に散らばるご当地ソングや、地名が出てくる歌をコレクションしています。

ユーミンが歌う岩手の旅

今回は、松任谷由実さんの「緑の町に舞い降りて」にまつわる曲です。最初はこの歌を岩手県盛岡市のご当地ソングとして知りました。歌詞を見るとたしかに「MORIOKA」と出てきます。

着陸間近のイヤホーンが お天気知らせる囁きが
MORIOKAというその響きが ロシア語みたいだった

緑の町に舞い降りて/松任谷由実

ただこの歌は空港に降り立つ歌。あれ?岩手の空港は盛岡だっけか?

いわて花巻空港のうた

この歌は、岩手県内の空港である「いわて花巻空港」に降り立つ様子を描いた歌です。機内では到着空港の天候をアナウンスしますが、この時は「盛岡」ではなく「花巻」とアナウンスしたはずです。ユーミンは、歌詞の内容に合わせて、あえて「MORIOKA」に変更したようです。

現実から少し空想にズラす

実在の場所が歌われると、歌のドラマが現実と接点を持つことになり、現実と空想が溶け合うことになります。この歌みたいに、現実そのままではなく少しズラすことで、少し空想寄りよりになる。この距離感調整が、世界観づくりの妙だなと思います。

もし、ユーミンが「花巻」と歌っていたら、花巻をもっと知ってもらえたかもしれない。けど「盛岡」だったからこそ、岩手の曲としてわかりやすく広まったのかもしれない。
もしも、の話でしかないんだけど、メジャーアーティストが地域を歌うことはとてもPR力を持っているので、そのもしもを考えてしまう曲です。


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