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次世代を見据えた、持続可能な事業を展開していくためのマーケティング戦略

最後の講座となる今回のテーマは「マーケティングと経営戦略」。自分たちの熱意やビジョンに共感してくれるファンやアンバサダーを獲得するためのコミュニティづくりや、そのために効果的なSNSを活用したマーケティングなどについて話していただきました。

■開催:2021年11月11日(木)19:30~21:30 オンライン開催
■講座テーマ:「マーケティングと経営戦略」
■ゲスト講師 ※敬称略
清水直哉(しみず なおや)(株式会社TABIPPO 代表取締役)
■モデレーター
稲田佑太朗(能登ローカルシフトアカデミープロデューサー)


ゲスト講師紹介

清水直哉(しみず なおや)氏
株式会社TABIPPO 代表取締役

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1988年生まれ・群馬県出身。世界一周のひとり旅を含めて世界40ヶ国を渡航。新卒で、インターネット広告代理店である株式会社オプトに入社。ソーシャルメディア関連事業の立ち上げや、最年少マネージャーを経験した後に、独立を決意。世界一周の旅路で出会った仲間たちと共に起業をして、株式会社TABIPPOを創業する。TABIPPOでは「旅で世界を、もっと素敵に」を理念として、旅を軸にミレニアルズ向けの事業を多角展開。プロデューサーとして、観光局・自治体などのマーケティング活動を支援しながらも、責任者として次世代のグローバル人材を育てる旅人の学校「POOLO」や、旅と平和の野外フェス「PEACE DAY」などの立ち上げを担当している。また、役職や管理がなく、1人ひとりがフラットな自律分散型の組織づくりにこだわり、社会の新しいロールモデルとなるような組織づくりを目指している。サッカーと漫画、カレーとビールが好き。

実体験から感じた旅の可能性
価値のある旅を提唱

19歳の時に1人でヨーロッパを旅したことがきっかけで、旅の魅力に取り憑かれた清水さん。旅の魅力をみんなに伝えたい、旅へと一歩踏み出すきっかけを作りたいとの思いで、世界一周の旅の中で出会った仲間たちとTABIPPOを立ち上げました。

TABIPPOが掲げるキーメッセージは、「旅は人に幸せや学びなどポジティブな影響を与える」「旅が広がっていくことで世界を豊かにする」。実際に、コロナの影響で旅ができなくなったことで観光事業のみならず、さまざまな業種で仕事が失われ、人々の活気がなくなってしまいました。

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清水「今は観光事業の改革のときだと思っています。落ち込んだ観光業を復興させるためには今までの娯楽としてや消費するだけの旅ではなく、僕らがビジョンとして掲げているような価値のある新しい旅を提唱していきたいですね」

明確なビジョンや付随するストーリーを発信して
ファンを獲得していく

TABIPPOが行っている事業は、「これからの時代の多様な旅を共創する」がコンセプト。サステナブルでニューノーマルな旅を提供する旅の総合Webメディアの運営や、旅に関する書籍の販売、世界一周を夢見る1万人以上の大学生が全国から集まるイベントの開催などがあります。

その全てにおいて一貫しているのは「コミュニティづくり」だと話す清水さん。エンゲージメントを大切にし、会社組織のあり方を考えたり、共創するためのファンやアンバサダーの獲得に力を入れたりしているのだそう。コミュニティが広がることでリピーターも増え、会社の収益も安定し持続可能な事業にもつながっていくといいます。そのためには、自分たちの熱量やビジョンを明確にし、伝えていくことが一番重要だと話します。

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清水「スタッフ一丸となってビジョンを達成するために、なんでこのビジョンを掲げているのか、このビジョンはどういうことなのかを社内でも常に議論しています。そして、そこにストーリーを持たせ、伝えていくことで共感を生み、コミュニティが広がっていく。そういうことを常に意識しながらマーケティング活動をおこなっていますね」

若年層とSNSが持つ可能性

観光業の改革や持続可能性を考えたときに、次世代を担う10〜30代の若年層の取り込みが必要と話す清水さん。その際に効果的なのが「SNSマーケティング」。コロナで人との繋がりの大切さが見直されている今だからこそ、横の繋がりが求められているのだそう。

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「SNSマーケティングに必要な戦略思考」として、
①「いいね」の数だけ見るのではなく、企業やブランド、消費者との関係性を強くするための概念としてのエンゲージメントを高める
②消費者は購買行動をする前にSNSの口コミで情報を収集しているので、口コミを大事にする
③瞬間的に大きな影響力はなくても中長期的に口コミを広げていってもらえるアンバサダーを育てる
の3つを教えてくれた清水さん。
さまざまなマーケティング手法がある中でも、このSNSを使ったマーケティングは費用もかからずできることなのでぜひやってほしいと話します。

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*質疑応答*

清水さんの講演の後は質疑応答の時間へ。

稲田「新しい概念を市場にしていくときに、どんなことを大事にしているんですか?」

清水「社会の役に立つこと、人のためになることはお金になると思っています。価値があると思えば人はお金を出したくなりますから。なので、まずは利益から考えるのではなく、社会や人が豊かになることをやろうと決めています」

受講生「清水さんが能登町でビジネスをやるとなったら、能登町に行って何を見ますか?」

清水「フレームワークを意識しながら見ますね。能登町に限らずですが、建築物ひとつ、ご飯ひとつ取っても、その地域に存在している経緯があります。何でこれはここに建てられたのか、どうしてこれを食べるようになったのかなど、そういう目に見えない文化はその土地の人とたくさん話していく中で浮き彫りになってきます。そうやって地域の物語について考えながら、それを紐付け実際に体験していくと、今後のビジョンが描きやすいと思います」

受講生「SNSの活用というお話がありましたが、たくさん種類がある中でどれを使ったらいいでしょうか」

清水「僕がおすすめするのはTwitterとInstagramですね。Facebookは今若い人はあまりやっていなくて、個人の繋がりを持つにはいいですが、ビジネスとして使うには影響力が弱いです。特にTwitterは、一投稿一投稿が気軽にできるので続けやすいし、キーワードに引っかかった人をフォローしたりリプライを送ったりとこちらからアクションを起こせるので、ファンを獲得するのにも効果的だと思います」

最後に清水さんから受講生に向けたメッセージをいただき本講座は終了しました。

清水「このローカルシフトアカデミーはとても素晴らしいことをされているので、この機会に皆さんもどんどん新しい挑戦をやっていってほしいです。うちの会社は幅広い関わり方ができると思っていますし、共創をコアバリューにしています。なので、今後皆さんと一緒に何かできたらうれしいですね」

これで全6回の講座が終了! この後、能登町でのフィールドワークを経て、受講生の皆さんはどんなワクワクする地域ビジネスを発表するのでしょうか。最後までお楽しみに!

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