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 EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)とは異なる企業間で取引のためのデータを通信回線を介してコンピュータ間で交換することであり、通商産業省(現 経済産業省)の「電子計算機相互運用環境整備委員会」(1989年度)では、「異なる企業間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること」と定義している。

 EDIの導入には、業務の効率化経営の見える化という大きく分けて二つのメリットを産み出す。
 業務の効率化としては、これまで伝票等の紙ベースで行っていたデータのやり取りを電子化することから、
・伝票等の購入費用や作成する人財の人件費等のコストの削減
・伝票等の保管が不要
・記入ミスの回避(正確性の向上)
・決済業務の効率化

等があげられる。
 経営の見える化の観点からは、
・単品管理の精度向上に伴うタイムリーな在庫情報の把握
・日別/単品別の粗利と在庫を日々把握

することが可能となる。

 EDIは異なる取引先間でデータを電子的に交換するものであるが、特定の取引先との間でシステムを構築(個別EDI)するか、地域や業界単位の複数の取引先との間でシステムを構築(標準EDI)するか、標準EDIであっても、データベースを活用して商品コードや取引先コード、拠点コードなどを標準化するもの、業界VANを利用して標準化された通信プロトコル、フォーマット、コード、運用ルールに対応したシステムを1つ用意し、同じVANを利用している複数の企業と早期に標準EDIを実施可能にするもの、等がある。
 その他、多く使われているEDIの手法に、WEB-EDIというものがある。
 インターネットを介してブラウザ上でデータ交換を行うものであり、容易に導入できるというメリットがある半面、取引先ごとに仕様が異なること、インターネット環境がなければ使えないこと、ブラウザを開いてこちらからデータを取りに行かなければならないこと、業務システムへのデータの取り込みは手作業によらなければならないこと等、課題も多くある。

 EDIは、特定の取引者間で設定されるのではなく、広く地域や業界単位で設定されなければその効果は限定的だ。
 サプライチェーン、ビジネスチェーンのホンの一部分を取り出して電子化したとしてもその効果は薄い。
 商流・物流・情報流の上流から下流まで、広く取引先横断的に面での展開が望まれる。

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