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赤ちゃんの頃に戻りたい願望を赤裸々に語る。“赤裸々”って赤ちゃんが裸って意味? “々”を使ってるから双子って意味?

大人になった人が【今のままの知能で中学生のころに戻りたい】などと言うのを聞くことがある。あるいは、髪の毛の薄くなった人が【今のままの髪型で中学生のころに戻りたい】というのは聞いたことなかった。

前者のような意見が生まれるのはなぜか。
あのときにはわからなかったことが、今の自分ならわかる。
うまくやれなかった苦い思い出を、今の自分なら上手にやり遂げることができる。
あるいは単純に「給食もう一回食べたい」かもしれないし、「日が暮れるまで鬼ごっこやり続けたい」かもしれない。

たしかに、わからない話ではない。大人の自分が子供に戻るのだから、人生がイージーモードになるわけだ。
そう考えると、コナン君はイージーモードだから、あんなに事件を解決できるのかもしれない。いや、そういう問題じゃない。あれは大人にも解決できないやつを解決しているのだから。
だがしかし……私もミステリーたくさん読んでるし、トリックだっていろいろ知ってるからね。そう考えると、私だって今の頭のまま子供に戻れば殺人事件の一つや二つ、起こす側にまわっていてもおかしくはない。戻らないほうがよさそうだ。

もし仮にみんなの夢である【今の頭脳を持って過去の自分に戻る】ができるのなら、私にはどうしてもやってみたいことがある。
それは、【今の頭脳のまま、赤ちゃんに戻る】だ。

赤ちゃんってさ、すっごくかわいいでちゅよね。どうちてあんなにかわいいのでちゅか。

私は暇さえあれば、やらなきゃいけない仕事を放り投げ、読まなきゃならない本をぶっ飛ばし、動画サイトなどで赤ちゃんの動画を見ては身悶えするという日々を過ごしている。仕事投げてる時点で、本当は暇じゃないはずなのだが。

私がどのように赤ちゃん動画を楽しんでいるか。その一端をここに明かそう。
たとえば、手足をばたつかせることしかできない仰向けに寝た赤ちゃんに新しいおもちゃが与えられる。
まず、顔をおもちゃに向け、表情が変わる。かわいい。目標物に向かって手が伸びる。かわい。関係ないのに足まで伸びる。めちゃかわいい。なかなかおもちゃを捕まえられずに手足ばたばた。口、半開き。からの言葉にならない声。そしてついに両手でおもちゃをつかむ。その感触を確かめ、おもちゃを振り回してみたり、一度落としてまた拾ってみたりする。このとき、私は思うのだ。「くぅ~! ニューロンとニューロンの間にシナプス開通~! ひとつ賢くなりまちたねぇ~!」

そういうことだ。
いや、どういうことさ。


乳児期の成長速度が、全人生の中で一番速い。
それはまるで植物の種を植えて芽が出て花が咲くまでの映像を早送りで見ているかのよう。
この脳が成長する瞬間を目撃することに至上の喜びを見出しているのだ。

ちなみに、ニューロンとは神経細胞のことであり、万有引力を発見したのはニュートンである。シューマンは作曲家だし、キューちゃんは片岡鶴太郎のことだ。

まったくの余談であるが、このニューロンとは、産まれたての赤ちゃんにも大人と同じくらいの数が備わっている。成長するにつれ、ニューロンが増えるのではなく、ニューロン同士が互いにくっつきあうことで成長していくのだ。このニューロン同士がつながるところをシナプスといい、シナプスがニューロンに信号を送りあうのだ。つまり成長とはシナプスが増えていくことと言い換えることもできる。
なんというか、まあ、急に真面目な文章を放り込んできてキモ。

で、本題に戻って、【今の頭脳のまま、赤ちゃんに戻る】をやりたい理由だ。

特段、私の記憶力が悪いというわけではないと思うのだが、赤ちゃんの頃の記憶って全然ない。え? あります? 哺乳瓶使ってたころの記憶。ああ、あのとき、めっちゃ腹減ってたのに全然ミルクこなかったな、って思ったの、覚えてます? ないですよね? ですよね? ということは、私の記憶力が悪いっていうことじゃないですよね? そうですよね? 記憶力、悪くないですから!

ええっと、何の話をしていたのか忘れた。


そうそう! 片岡鶴太郎さんの話だ! キューちゃん!っていうおなじみのネタがありますよね。

いや、違う。
なぜ、赤ちゃんに戻りたいかの話だ。
にわかには信じられないかもしれないが、私は今、自分の意思で自由に手足を動かし、言語を操ることができる。この状態のまま、赤ちゃんに戻るということは、意識だけははっきりとしたまま、うまく身体を動かすことができない状態になる。そのときの体の節々、細かい所の反応を確認してみたいのだ。おお、ここまでは思い通りに動く。あ、ここから先が難しいな。とか。あるいは、無性に手足をバタバタさせたくなったとして、そのとき、どんな気持ちなのかを確認したい。

要するに、大人たちが無垢な赤ん坊を見て「なぁに考えてるのかな~」というやつを、赤ちゃん側の視点に立って実際に体験してみたいというわけだ。


ここまでいろいろ書いてきたけど、なんというか、総じて気持ち悪いなっていう感じに仕上がった。
こんな文章をもう書かないために、やはり赤ちゃんのころから人生をやり直したほうがよさそうでちゅね。

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