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ファッションとSDGsについて考える

こんにちは!
今回記事を担当します、株式会社コムニコの山下です。
顧客の課題解決や、アカウントグロ―スに向けた提案・実行をすることがミッションのコンサルティングチームでマネージャーをしています。
弊グループが取り組んでいるSDGsに関する取り組み「バトンをつないで#SDGs Challenge」の33番目の走者として、記事執筆のバトンを受け取りました。
社内であまり伝える機会はないのですが、個人的に関心の高い「ファッション」とSDGsとの関連をテーマに執筆いたしますので、気楽に見ていただけますと幸いです。

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1,ファッションと環境(環境汚染)

皆さんはファッションと聞くとまず何を思い浮かべますか?
流行りのコーディネートや、好きなブランドの最新アイテムなど華やかなイメージを想起する方が多いのではないでしょうか?
実際私も仕事柄、SNS特にInstagramを利用し、贔屓のブランドやインフルエンサーのコーディネート投稿を見てファッションに触れる機会が多いです。しかし、一見華やかな業界に思われがちですが、実はその反面、地球の環境面にも多大な影響を及ぼしているのです。

国連貿易開発会議(UNCTAD)の発表によると、ファッション業界は年間930億立方メートル(約500万人分の年間飲料水と同量)の水を利用し、約50万トンのマイクロファイバー(石油300万バレル相当)を海洋に投棄しているのです。

また環境に有害な影響を与えている産業として、私たちの頭に最初に浮かぶのは製造業、エネルギー、輸送、さらには食品生産といった業界だと思われがちですが、実際はファッション業界が石油産業に次ぐ、2番目の環境汚染産業であるとみなされています。
さらに業界で支配的なビジネスモデルである、低価格で品揃えを目まぐるしく変える「ファストファッション」の影響で、衣料品の生産量は2000年から2014年までの間に約2倍に増えています。
参考元:国際連合広報センターhttps://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/32952/

日本でもファストファッションを展開する企業が、高収益を上げていますが、大量生産から衣服の廃棄量増加に繋がる流れは大いに危惧しなければなりません。

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2,SDGsに取り組んでいる企業

しかしそんなファッション業界でもSDGsに積極的に取り組んでいる企業は多数存在します。その中から2社紹介します。

アーバンリサーチ

アーバンリサーチを展開する株式会社アーバンリサーチは、ファッション業界で積極的にSDGsを支援している企業の一つです。
中でも頭文字が『C』から始まる次の3つのテーマを中心に、アパレル企業視点で個性を活かした取り組みを推進しています。
「1. Clothing Innovation 衣料資源の有効活用」、「2. Clean Earth 地球環境負荷の軽減」、「3. Community Building コミュニティの形成」。

その中で注目したのが、Clothing Innovationの取り組み内容で掲げている”アップサイクル”です。
アップサイクルとは、本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせることです。
アーバンリサーチはこれを「commpost」プロジェクトとして始動しています。

commpostとは、共有、共同、常識、良識を意味する「common (sense)」と郵便・提示する・標柱を意味する「post」を組み合わせた造語です。
敷居が高いと思われがちな「アップサイクル」という考え方に、ファッションの分野から、スタイルのある新しい価値や考え方を提示していく。
これからの地球環境や人のはたらき方・暮らし方に対して、新しい常識を示していきたい。そんな想いから誕生したサステイナブルマテリアル・プロダクトブランド。

commpostプロジェクトでは、廃棄衣料を使用しデザイン性にも優れたティッシュケースやトートバッグ、iPhone CASEを製作しサスティナブルファッション活動の幅を広げています。


参考・引用元:株式会社アーバンリサーチ https://www.urban-research.co.jp/special/commpost/

H&M

世界的アパレルブランドとしても名高いH&Mを展開するH&Mグループは、「サステナビリティパフォーマンスレポート2020」内で環境問題に対する以下の報告をしています。

・H&Mグループで使用している素材の64.5%が、リサイクルまたはよりサステナブルに調達されています。

・H&Mグループで使用するコットンを100%、オーガニック、リサイクル、またはよりサステナブルに調達されたコットンへと切り替えるという目標を達成しました。

・素材に関する野心的な目標を新たに設定し、2025年までにリサイクル素材の使用を全体の30%まで引き上げることを目指します。使用済みの布地を、品質を落とさずにリサイクルするという画期的な技術を活用することで、この目標の達成を目指します。

・100%循環型の企業となるための継続的な道のりの一環として、H&Mグループはマルチブランドで適用できる包装・パッケージの新システムを開発し、認証済みの紙で作られた包装・パッケージを導入しました。

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3,新しい価値(古着)、古着の効果

前項でアパレル業界の様々な取り組みに触れてきましたが、いくらエコな素材、再生可能な素材を使用していると謳っていても、新しい商品を生産すれば少なからず廃棄は発生します。
これが本質的な環境保全に寄与するのかはわかりません。またコロナ禍でリモートワークされる方もかなり増え、必要以上に外出する機会も減り、新しい洋服を買う機会や買う量も減った方が多いのではないかと思います。

私はファッションの中でも古着・ヴィンテージファッションに関心が高いのですが、この古着(リユース)こそSDGs観点でのファッションの楽しみ方には最も適しているのではないかと思っています。
新しい商品を購入するのではなく、既に生産されたアイテムに新しい価値や解釈を与えることで、必要以上な生産をとめることに繋がる、とても健全なサイクルだと思っています。

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4,着なくなった服をフリマ(サイト)を利用し次に着てくれる方へ販売

また古着は購入するだけでなく、次の利用者を見つけ、着なくなった洋服を廃棄にしないサイクルを回すためにも有効です。
フリマアプリの流通額が拡大する一方で、1年間1回も着ていない服は一人あたり約25 枚も所有しているというデータがあります(参考元:環境省「SUSTAINABLE FASHION」)。
着られていない洋服の再流通を促す取り組みを拡大していくことがサスティナブルファッションへと繋がります。

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5,おわりに

いかがでしたでしょうか?ファッションはその時代背景により、様々な変化を遂げ、また多くの人々に楽しみを与えてきた産業だと思います。
現代におけるファッションの在り方もまた、個々人の意識一つで変わってきますが、皆さんもただ着たい服を購入し着るだけでなく、「長く着る、本当に必要な一着を」という思考をほんの少しでも働かせて楽しいファッションライフを送っていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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