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【SDGs勉強会レポート】「食品ロス問題ジャーナリスト」井出留美さんをお迎えして、食ロスについて考える!

1.はじめに


こんにちは!
ラバブルマーケティンググループのSDGs推進を担当している相澤です。

毎日暑い日が続きますね😵
7月1日には、全国6地点で気温40度を超え、1日としては過去最多を記録したそう…
政府による節電要請に応えつつ、体調を整えて夏を乗り切りましょう🎐

さて、今回は7月20日に行った「食品ロス」に関する勉強会の模様をお届けいたします!

弊社のSDGs推進のアドバイザーでESDの専門家でもある北九州市立大学の眞鍋和博教授をお呼びしてワークショップを開催したのが2年前。それからメンバーも増え、改めて社会課題を考える機会になればと思い、2回目のテーマに選びました。

食品ロスは以前こちらのnoteでご紹介しましたが、“もったいない”だけではなく環境負荷や食糧危機とも関連する世界的な問題です。

今回は「食品ロス問題ジャーナリスト」として活躍されている井出留美さんをお迎えし、専門家ならではの情報をたくさんお話しいただきました。電気自動車よりも、飛行機よりも、実は食品ロスの問題を解決する方が気候変動対策になるなど、驚くべき内容もありますので最後までお読みいただけると幸いです✨

[井出留美さん プロフィール]
博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院)
ライオン、青年海外協力隊、日本ケロッグを経て3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11を設立。

食品ロス削減推進法成立に協力。
食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第2回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門 / Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018 / 令和2年度 食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。

著書『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』『食料危機』『あるものでまかなう生活』『捨てられる食べものたち』『食品ロスをなくしたら1か月5,000円の得!』『賞味期限のウソ』など。

2. 日本の食品ロスの約半分は家庭ごみ。ごみ処理費用は年間2兆1,290億円!

まずは言葉の定義から学びました。

食品ロスとは”まだ食べられるのに捨てられる食べ物”のことで、イラストの上段のように、農場で生産されてから流通にいたる過程で発生する食品の廃棄を「フードロス」、下段にある小売、外食、家庭から発生する食品の廃棄を「フードウェイスト」と呼び、日本では2つをあわせて「食品ロス」と呼ぶそうです。

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日本の食品ロスは年間522万トンも出ており、そのうちの47%およそ半分は家庭から出ているそう…。
この数値にピンとこないかもしれませんが、世界中に食料支援を行っている「国際連合世界食糧計画(WFP)」が援助している料の1.2倍になるとのことです。

この数値に驚きを隠せませんでした。
単純に日本から出る食品ロスを食料支援に回せないものかと考えてしまうのは私だけではないはずです…。

メーカーから発生した食べ物のごみは「産業廃棄物」として処理されますが、コンビニやスーパー、飲食店、ホテルなどの小売店から発生した食べ物のごみは「事業系一般廃棄物」として、家庭ごみと一緒で私たちの税金で焼却処分されているのです。
そして、ごみ処理に掛かる費用はなんと、年間2兆1,290億円!

もちろん全てが食品ロスではありませんが、生ごみの80%以上は水分なので、燃えないものにエネルギーをかけて焼却している、つまり経済的にもエネルギー的にも無駄が生じている、だから減らさなければならないということです!

他国と比較してみると、日本の焼却率は約80%で、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも圧倒的に高いことがわかります。韓国は日本の半分以下で、生ごみをリサイクルしバイオガスなどの資源として活用しているそうです。

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3.「3R」の中で優先度が高いのは「ごみを出さない」こと!

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「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」の頭文字をとって呼ばれる「3R(スリーアール)」ですが、これには優先順位があり「Reduce(リデュース)」から順に優先度が高くなります。

先述したように、そもそもごみを出さないようにすることでエネルギー負荷を削減し、企業はコスト削減ができます。
それでも余ってしまったものを別の人に使ってもらい、さらに余ったら家畜の餌や堆肥として活用するという順番で考える必要があるとのことです。

食事作りで考えると"家族が食べきれる量を作る”。シンプルなことなのに、私含め完璧にできている人は少ないのではないでしょうか😢

企業単位になるとさらに深刻で、メーカーは欠品を起こすと「罰金」などのペナルティを受けることや取引停止にされることがあるのだそう。
そのために必要以上に製造しているのだとしたら、私たち消費者は欠品を許容する、むしろ欠品を良しとする小売店を応援してもよいのかもしれませんね。
→「欠品ペナルティ」に関してはこちらの記事で井出さんが詳しく書かれています。

4.チーズバーガー1個にどれくらいの水を使う!?

突然ですがここでクイズです!

「チーズバーガー1個を作るのに必要な水の量はどれくらいでしょう?」

メンバーからはチャットで「3リットル」「1リットル」「500ml」などの回答がありましたが、

正解は「3,000リットル!」

驚きませんか?

この数値には小麦粉を作ったり、牛を育てるために使用する量が含まれているそうですが、桁が違いすぎて声を失いました…

井出さんからは、チーズバーガー1つを廃棄することはお風呂の水、約15杯分を捨てるのと同じだと説明がありました。

実は3,000リットルの内の約80%は牛肉なので、酪農の環境負荷を下げる必要性を改めて感じました。

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5.食料ロスの削減で地球温暖化が止められる!?

また、食品ロスは気候変動対策としても注目されているそうです。

世界70人の科学者と120人の外部専門家による評価・検証に基づき書かれた「ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法」という本で、3位に食品ロスの削減が入っているとのこと。

電気自動車は26位、飛行機は43位なので、いかに食品ロスの削減に取り組むことが気候変動対策に寄与できるかが想像できます。

6.私たちにできること〜自治体の取り組み紹介〜

世界中で行われている削減事例をご紹介いただいた中で、ここでは日本の事例を2つピックアップいたします。

1つ目は京都市。人口140万人の大都市です。
京都市では20年間でごみの量を約半分に減らすことに成功したそうです。
焼却施設の稼働やごみ処理を減らし、その分、100億円以上の税金を削減することができたとのこと。市区町村の財源は限られていますから、その分を福祉、雇用、教育に充てることもできますよね。

2つ目は徳島県。徳島県ではごみの量を計るだけで23%も減り、ごみの量を計ることに加えて何らかの取り組みを行うとさらに約20%も削減効果があることが分かったそうです。

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ごみを減らすためにできることとして、井出さんは「生ごみ処理機」の使用をおすすめされていました。

先述した通り、生ごみの約80%は水なので、乾かすだけでごみの量を減らすことができるのです。
食品ロス削減≒ごみ削減と言っても過言ではなないため、多くの自治体で「生ごみ処理機」購入の助成金が出るとのことです。(ぜひご自身の地域を調べてみてください!)

「生ごみ処理機」の使用なら私でも簡単にでき、効果が高いと思いました。
何より臭いもなくなりますし、小蝿がこないですし、いいことづくめです😊

「生ごみ処理機」のほか、コンポストの活用もいいですね!
以前メンバーが自宅コンポストを始めたことをこちらのnoteで紹介しているので、興味のある方は覗いてみてください。

7.さいごに

勉強会後のアンケートで、メンバーから届いた声をいくつかご紹介いたします。

「データに基づいたお話から個人の体験を含む事例まで、幅広い視点でお話を聞けて興味深かったです。個人と企業の排出量も%で見ると大きな差がないことは驚きでした。今までも意識していた方だと思っていましたが、全体的に見るとまだまだ貢献できることが沢山身の回りにあるなと見直しのきっかけになりました。」

「普段から残りものを出さないようにしたり、買い物の際には「てまえどり」をしたり、小さな取り組みこそ意識的に行なっていたものの、実際に食品ロス問題によってどれほど世界に損失・影響が出ているか、はっきりとしたイメージがついていませんでした。今回の講演では、そういったデータをもとにお話しいただけたことで「事態の重大さ」を強く感じることとなりました。普段からメーカーをはじめとしたクライアントと関わる機会が多いので、たとえばSNSで収集できたデータを活用して、そもそもロスを出さない(Reduceする)ためにできることはないか?など、積極的に考えていければと思います。本日は、貴重なお話をありがとうございました!」

「食べられない分を買わない、お腹いっぱいでも食べ切ることは幼少期より教育され、徹底してきました。自分の子供にも食材を大切にするモラルを教えたいです。」

「各スライド目から鱗の内容で、1秒も集中が切れず視聴しました。本当に良い時間でした。ありがとうございます。」

他には、「意識の高い方だと思うけど、知らないことが多かった」というコメントや「生ごみ処理機買います!」などのコメントが目立ちました!

そして最後に代表 林からの一言で会は終了しました。

「個人的には興味を持って情報収集をしているが、新しい情報もたくさんあり勉強になりました。今回のように有識者を招いてみんなで学ぶ機会を会社として用意することはこれからも続けていきたいと思っているので、積極的に参加いただいてここで学んだことを一つでも二つでも生かしてもらえたらと思います。」

メンバーからあがった多くの質問や、勉強会終了後に行った井出さんと林の対談の模様は次回のnoteでご紹介しますのでお楽しみに🤗


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