ひとりだね

死ぬほど寂しい。馬鹿じゃないかと言われてもいい。あの人に会いたい。会ってやるだけなのはわかってる。都合のいい関係なのも。全部わかってる。寂しい。虚しい。苦しい。だけど会いたい。あの人といる時の私は、少女になれる。あの人といる時は、今まで求められていたみんなの優しく賢いお姉ちゃんという殻を破って、無邪気に笑ってめちゃくちゃなことが出来る。あの人といる時は、馬鹿なフリをしているのかもしれない。それでも可愛いね、と言ってくれるからやめられない。昨今の自立した女性、というイメージや理想像からはかけ離れていることくらい分かっている。パパやママが見たら発狂するんじゃないかしら。でも、こうでもしないと誰も私を許してくれないし、愛してくれないんだもの。そうでしょ。

ねぇ、パパ、ママ、あなた達が私という化け物を育てたのよ。

あの時私をきちんと見て、愛してくれなかったからこんなことになっちゃった。男とセックスしてないと愛されてる実感がないのよ。不安なのよ。している時だけはみんな私を見てくれる。可愛い、大事、好き、愛してる。私の欲しい言葉を全て言ってくれる。

頭の中の私が言う。お前のことは愛していない。お前の体しか見ていない。だれも中身を気にしていない。見ていない。

やめて、現実を突きつけないで。うるさいうるさいうるさい。黙って。私は愛されている。許されているの。パパやママに愛されなかった分、彼が愛してくれているの。彼が私を見てくれているの。まっすぐ、見つめてくれているはずなの。

それを信じているの。

ゆるして、おねがい。ひとりにしないで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?