インディカとサティバの違い
①カンナビスの種類
cannabis属、種の分類に関しては長らく議論がされている。現在までに、3つの主要な説が提唱されている。
どれが正しい説なのかは分からない。未だに議論中である。おそらく、種と種や、亜種と亜種の境目を決めなければ、議論がなかなか進まないと思う。
それもフワッとした境目ではなく、塩基配列の類似性(%)など、数字を用いて誰もが納得するような境目を決めなければならない。今後の人類の課題だと思う。
こちらはカンナビス(A-J)とヘンプ(k, L)で、どちらもCannabis sativa L.とされる。同一の種でも、多様な外見を持つことが分かる。
②インディカとサティバの違い
カンナビスというと、インディカとサティバの2種が有名だろう。以下に自分が今までに聞いたことのあるインディカとサティバの違いをまとめる。
インディカ
・ボディハイ(体に効く)
・葉っぱの幅が広く、暗い緑
・樹木の背が低い
サティバ
・ヘッドハイ(頭に効く)
・葉っぱの幅が狭く、明るい緑
・樹木の背が高い
③インディカとサティバの科学的な違い
こちらの論文では、インディカとサティバの遺伝的な違いは、テルペン合成酵素の周辺領域における塩基配列の多型とされている。
🟡サティバ率が高くなるほど、ベルガモテン、ファルネセンが多く含まれる。
🟤インディカ率が高くなるほど、ミルセン、γ-オイデスモール、グアイオールなどが多く含まれる。
こちらの論文では、インディカとサティバの科学的な違いは、テルペンの違い以外に無いとされる。
④感想
テルペン以外の違いは?
先ほどの論文では、テルペン以外には、インディカとサティバの科学的な違いが無い という結論だった。それではどうやって、現実に違っているインディカとサティバの見た目や色の違いを説明すれば良いのか?
先ほどの論文の図1の(a)を使って説明したい。難しくて自分もあまり理解できていないので、間違いがあるかもしれない。ご容赦ください。
このグラフの点の色は品種の違い(白いほどサティバ、黒いほどインディカ)を、点の位置はSNPの場所の違いを意味する。
このグラフは、同じ色の点同士が近くにあるほど、同じ品種に特有のSNPがあることを意味する。
このデータを解析した結果、「テルペン合成酵素の周辺領域にのみ、統計的に有意な差があった」というのが先ほどの論文の結論だと考えている。
なので、統計的には有意ではないが、インディカやサティバのいずれかが持つ傾向があるSNPが、インディカとサティバの見た目や色の違いを説明するんじゃ無いだろうか?
ここで図1(a)をもう一度眺めてみると、右上に黒、左下に白っぽい点が集まっている傾向があるんじゃないかと思えてくる。
100% インディカと100% サティバの2点に着目すると、確かにそんな傾向があるように思える。右上のSNPがインディカの形質、左下のSNPがサティバの形質に関連する可能性が考えられる。
なので、最初の質問は上のように解答する。
以下、かなり蛇足的ではあるが面白そうな考察が得られたので書く。
蛇足
❶インディカとサティバの混ざった品種の3色の点に着目すると、ばらつきがあり、これといった傾向が無いように見える。
❷100% インディカと100% サティバの2点に着目すると、右上に黒、左下に白っぽい点が集まっている傾向があるように見える。
なので、これら傾向の有無から
❶人間がインディカとサティバを交配していく過程をきちんと記録できておらず、サティバがインディカと表記されたり、誤ったラベルを付けられて交配されるような出来事が過去に多く発生した。
❷一方、100%の純品種は、交配時に誤ったラベルを付けられるような出来事が少なかった。
のでは無いかと思った。
なんの確証も無いし、ただの感想ではあるが、カンナビスを育てる(吸う)人間のズボラな側面が、この研究結果に反映されていたら面白いなと思った。
あと、考察って偉そうなので感想って名前にします。
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