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マンガが最終回を迎える“寂しさ”。


 こんばんは。今日は『ウイングスパン』のソロプレイについての記事を上げる予定でしたが、またも遅くなりそうだったので、代わりに、“最終回”について筆の向くまま語った記事を。代原ってやつです。

マンガ、小説、ドラマ……同じ終わり、違う感覚

 連載マンガを読んでいると、最終回というのは避けられないものです。

私の持っているマンガも、ほとんど完結済み。『斉木楠雄のΨ難』『鋼の錬金術師』『銀の匙』『3D彼女』『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』などなど……。

 何年も、連載を追いかけてきた作品ほど、最終回を迎えるとなんとも言えない寂しさがあります。
 どんなに綺麗なラストでも、納得できるエンディングでも、“寂しさ”というのはどうしてもついて回ります。
「ああ、もう新しい話は読めないんだ」という寂しさ。「もう次の巻を買うことはないんだ」という寂しさ。

 これは、連載という形式が、「続いていくもの」だからな気がします。
 これまで、何ヶ月、何年と、“続いたから”、それが終わってしまうから寂しい。
「次がある」のが当たり前だったから、それがなくなってしまうから、寂しい。

 連続ドラマとかもそうですね。毎週、3ヶ月間見ていたものが、終わってしまう。同じ"寂しさ"を覚える気がします。

 一方で、小説を読み切る時って、あまりそういった“寂しさ”を覚えたことがないような。
 なんでしょうね。数日間かけて読むような大作でも、あまり「寂しい」と思ったことがない気がする。

 やっぱり、連載のような「続いていくもの」ではないから、かもしれません。
 小説って、1巻で完結するものが多いですよね。シリーズ物でも、1巻でひとつのエピソードが終わる(上下巻とかもありますが)。
 なんというか、小説=本は、その厚みに触れて、「この1冊で終わる」っていうのがハッキリしてるから、あんまり寂しくないんじゃないだろうか。

 連載マンガって、いつ終わるか、がハッキリしてないのが多いですよね
 『週刊少年ジャンプ』のように、人気があれば継続、なければ打ち切り、みたいな。
 人気作になれば、もういつ終わるかなんてわかんないですよね。薄々、「あれ、もう終わるかもしんない」って思ったりすることはあるけれど、そこからまたもう一展開あったり。(なかったり。)
 終わりがわからないから、どこかで「終わらない」って思ってしまうんですよね。

 私は、ONEさんの『モブサイコ100』って、「終わらない」と思ってたんですよ。
 モブサイコ100ってただのバトル漫画じゃなくて。日常的(?)なエピソードも多くて。
「これを倒せば終わりだ」みたいな明確な最終目標もなくて。
 だから「終わらない」って、疑いなく、当たり前のように思ってたんですよね。自分たちの生活がずーっと続いていくように、モブたちの話もずーっと続いていくんだって。
 だから、次回最終回、みたいことを見た時、「ウソだ」と信じられませんでした。
 というか、「あ、『モブサイコ100』って終わるんだ」という、“本当の当たり前”を知ったというか。

 そんな風に、連載マンガは「終わらないのが当たり前」で、小説は「終わるのが当たり前」、そんな認識の差が独特の“寂しさ”を生んでいるんじゃないかなって思ったりします。
(ただ小説の方は、長いこと読んでいないのではっきりしたことが言えない……。)

 そうなると、「連続ドラマだって見る前から3ヶ月で終わるってわかってるじゃん」って話になるんですけど。
 毎週だとか、定期的に、特に短いスパンで繰り返されると、それが日常になるのかなと。
 日常に、当たり前になると、人間、それがなくなるなんて、感覚的に信じられなくなるのかと。
 なんでも、習慣づけたいことは20日間続けると、その後も定着する確率が高いのだとか。
 そんな風に、ドラマやマンガも、自分の体や心に定着していくんでしょう。

 不思議ですよね。ドラマを見る前は3ヶ月で終わるんだなって理解するのに、見始めると終わるのが信じられなくなるって。

 あとはこの“寂しさ”が、メタ的なものっていうのもあるのかもしれません。
 ストーリー自体が寂しいんじゃなくて、マンガやドラマが終わってしまうことが寂しい。
 だから小説も、シリーズ物の最終巻は同じような“寂しさ”を感じることがあります。
 でもなんとなく、寂しさより、読み切った! っていう達成感のほうが強いような気がしなくもない。
 そういえば、あんまりマンガで、読み切った! って思ったことがないような。
 この辺は労力の差なんでしょうか。


 こうしてマンガやドラマが、私の生活の一部になっていくのか、と、なんというか、わかっていたことなんですけど、文章にして“理解”ができたような、そんな気がします。

 しかしこう、最終回についてひたすら書いていると、特に何が最終回を迎えるわけでもないのに、なんだか“寂しい”気分になってしまいました。

 とりあえず『鋼の錬金術師』でも読もうかな。

 そういえば、すでに完結済みのマンガは読み返して最終回になっても、“寂しさ”は覚えないですね。やっぱり小説のように、「何巻で終わる」をしっかり理解するようになるからですかね。

 それとも、「終わっても、あのキャラたちには何度でも会える。あのストーリーを何度でも追える」と気づくからでしょうか。

 あるいは、生活の一部から、自身の一部になるからかもしれません。

円井零

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