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ニューヨーク市長が恒常的な屋外ダイニングプログラム「Dining Out NYC」に署名

case|事例

ニューヨーク市長が、恒常的に屋外へのダイニングスペースの設置を許可する「Dining Out NYC」の法制化に署名した。これによってニューヨーク市では、路上でのダイニングスペースの設置が恒常的に認められる。「Dining Out NYC」はコロナ期間中に暫定的に導入されていたプログラムの課題を修正して恒常化プログラムとしたもので、衛生面への配慮や周辺の居住環境への配慮などが盛り込まれている。恒常化プログラムでは、レストランは、年間を通じてダイニングスペースを歩道に設置可能になり、4月から11月までは車道上への設置も認められる。

コロナ期間中のプログラムでは、ダイニングスペースの路上設置を原因とするネズミの発生やダイニングスペース内でのドラッグの使用などが課題となっており、周辺住民からも衛生環境や生活の質が下がるとの指摘がされていた。ニューヨーク市交通局は、これらの課題の改善に向けて、関係機関の協働で設計要件や設置場所、材料、運用などのガイドラインを策定し、恒常化プログラムでは、簡単に移動もしくは解体でき、かつ完全に密閉されないオープンエアの構造とすることを求める

恒常化プログラムは、2024年はじめに承認される予定で、承認に併せてオンラインでの申請ポータルなども整備する。また、設置申請を行ったレストランは、申請承認後30日以内に要求水準を満たすスペースの準備が必要となる。新たなルールでは、手続きが単純化され、手数料も不要となるため、レストラン側の負担は軽減される。

insight|知見

  • 課題を解決しながら規制やルールをアップデートしていくNYCのスピード感には目を見張るものがあります。酷暑や大気汚染の懸念はありますが、「Dining Out NYC」の導入によって、ますますNYCの公共空間は魅力的で豊かな空間になっていきそうです。

  • 日本のホコミチ制度も各地で導入が進んでいますが、社会実験や暫定的な取り組みを経て恒常化が進むといいなと思いますし、各地で得られた課題を集合知的に解消し、制度改善が進んでいくといいなと思いました。