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『切に願うことは、必ず遂ぐるなり。』社長ヒストリー連載 第2回

こんにちは。芝園開発株式会社と申します。
駐輪場・駐車場の運営や自治体コンサルティングをしている会社です。
今年で創立36年目を迎え、代表取締役の交代や新ブランド「LIXTA」の創設といったビッグイベントもあり、社内はてんやわんやしつつも、前へ前へと進んでいます。
「これから」に向かいつつ、わたしたちの「これまで」にも目を向けよう。
創業からこれまでの歴史を知らない社員と芝園開発のルーツを共有しよう。
そんな目的をもって社内報で連載が始まったのが「社長ヒストリー」です。
noteには、その内容を一部加筆・修正しつつ、月に2本ずつお届けしていこうとおもいます。

話者プロフィール
海老沼 孝二(えびぬま こうじ)
芝園開発株式会社 取締役会長 ※記事掲載当時は代表取締役社長
座右の銘:「切に願うことは、必ず遂ぐるなり」

好奇心を持って物事を見る。


ビジネスチャンスを掴むのに、これ以上大切な心がけもないでしょう。当社が生み出した本邦初のサイクルコインパーキングも駅前放置自転車への好奇心をきっかけに誕生したのです。その時のことをお話ししましょう。

1998年(平成10年)、Times24駐車場のフランチャイジーとしてコインパーキング事業に参入して3年目の頃でした。当時の芝園開発は土木建設業との二本柱で、経営は順調に推移していました。
しかし、バブル崩壊後の平成不況で、それまで公共事業によって国に守られていたはずの土木建設業界でも倒産が相次ぎました。当社にとっても屋台骨を揺るがす危機的状況です。
私は「コインパーキング事業だけでは経営の安定は図れない。もう一つ柱となる事業が必要だ」と、新たなビジネスを模索する日々を過ごしていました。

そんなある日、駅周辺の放置自転車が目に留まりました。
私が10才の頃から利用してきた足立区・綾瀬駅周辺は、放置自転車が車道にまであふれて車が通れなくなるのも当たり前でした。
その当たり前の光景を見て、私はふと「なぜ、みんな路上に自転車を置いていくんだろう?」と思いました。私は小さいころから「なぜ?」と思うと行動せずにはいられません。好奇心に負けて自転車を放置した人の後を追うと、そのほとんどが駅の改札口に消えていくではありませんか!なるほど、鉄道利用者だったのか。しかも4人に3人は女性という割合です。
また疑問が浮かびます。
「なぜ、彼女たちは駅前の駐輪場を使わないのだろう?」
疑問に火がついて、現状の駐輪場サービスや需給状況を調べました。
するとそこには、社会の潮流が大きく関わっていることがわかりました。

放置自転車が社会問題化したのは、1973年(昭和48年)の第一次オイルショック以降でした。ガソリンが値上がりし、マイカーから鉄道に乗り換えた人々が駅までの足として自転車を使い始めたのがきっかけです。
自治体も公費を投入して大規模な駅前駐輪場を造成しました。しかし、それは「毎日・長時間」利用する通勤・通学者を想定した定期契約の駐輪場でした。
それから25年が経ち、女性の社会進出が活発になっていました。「週に数日・短時間」だけパート勤務をする女性たちにとって、定期契約の駅前駐輪場は割高でした。しかも、当時は短時間利用者が一時的に利用できる駐輪場が非常に少なかったのです。これは綾瀬駅周辺に限らず、社会全体として定期利用駐輪場が9割、一時利用駐輪場が1割という状況でした。
つまり、「週に数日・短時間」だけ働く女性たちが便利に使える駐輪サービスが不足していたのです。


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出典:社内報『きゃぷちゃー』19号_2020年12月号
writting:芝園開発㈱ 管理部 広報デザイングループ

芝園開発のホームページ
https://www.sibazono.co.jp/

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