アメリカドライブ旅行-南西部横断:ニューオーリンズの闇
ルイジアナ州を始めとするアメリカ南部はアフリカから連れてこられた人たちを奴隷として人身売買し彼らを労働力に農産物の生産販売で大きく栄えていきました。その中でいくつもの裕福なファミリーが誕生し今でもオールドマネーと言われる代々で資産を受け継いできた家系が存在しています。映画”風と共に去りぬ”の舞台になったのもアメリカ南部。ルイジアナ州ではありませんが、同じエリアにあるジョージア州のアトランタでした。
南北戦争前のニューオーリンズは当時最大の奴隷売買市場であったそうで、裕福な家族が経営していた大きなプランテーション(農場)が今でもたくさん残っています。古い街並みと独特な雰囲気で魅力的なフレンチクオーターがあるニューオーリンズはアメリカの過奴隷制度に支えられて栄えてきた街という闇の部分もあるのです。
映画や小説などで触れる機会があったアメリカの奴隷制度ですが、自分の目でアメリカ史の暗黒部分をきちんと見ておきたいなと思いプランテーションを見学することにしました。
南部のプランテーション見学
夫は奴隷屋敷を見るのはイヤだと言って見学を拒否したので、ワンコたちとバンで留守番していてもらいました。
立ち寄ったのはサトウキビ栽培で栄えた一家のプランテーション、ローラプランテーション(Laura Plantation)。見学できる数あるプランテーションの中で、特に奴隷として使われていた人たちの個人史をきちんと残していこうという運動の中心的になっているところである、ということに賛同してここを選びました。
意外に質素なお屋敷
農場の経営者一家が住んでいたお屋敷は思っていたよりもこじんまりしていました。2階を大きなテラスがぐるりと囲でいるフレンチクオーターに多くある建物ととても良く似た建築で、色彩がとても鮮やかな外観です。
室内は2階にあるフォーマルダイニングルームと書斎が一般公開されていました。室内装飾は金銀でギラギラと飾られているところはなく、むしろ質素なインテリアで少し驚きました。農場経営でとても裕福だったはずなので、もっと飾り立てているのかなと想像していたのです。
奴隷として使われていた人たちの施設
農場の中には奴隷として使われていた人たちの住居やキッチンなどの施設が当時のまま保存されていました。朽ち果てた掘っ立て小屋はとても小さくボロボロで、ここに家族全員が住まわされていたそうです。
キッチンは別棟になっていましたが、キッチンとは名ばかりのみすぼらしい小屋でした。ルイジアナはハリケーンが襲ってくるところでもあるのですが、嵐の時などは一体どうやって食事を作っていたのだろうと思います。
こんな貧相なところに押し込められて働かされてお給料ももらえず人間としても扱ってもらえない毎日を過ごさなければならなかった人たちのことを思うとやるせない気持ちになります。奴隷解放運動で解放された後も差別は続き、今でも人種問題は根深くそしてとてもセンシティブなトピックです。
プランテーションを見学して奴隷制度の姿をこの目で確かめることができたのはとても良かったと思っています。
ワンコたちオフリードで走り回る
ニューオーリンズの3日の滞在で、オンリードで街の中をひたすら歩くだけだったワンコたち。そろそろオフリードで思い切り走りたいよね?ということでドックパークを探してみました。
ちょうどよいドックパークは見つからなかったのですが、走るにはピッタリのアメフトのコートみたいなところを発見。柵もないし誰も使っていなかったのでドックパークとして使わせてもらいました。
1時間ちかくワンコたちを思う存分走らせましたが、その間誰もこなくてプライベートドックパークみたいでした!
この手の誰もいないフィールドってアメリカの田舎(結構都会でも)よくあってアメリカの広さを実感します。ドッグパークもかなりの確率であったうえ、このような空き地(または球技場?)もたくさんあったので、旅のあいだワンコをオフリードで走らせる場所に困ることはあまりなかったです。
ニューオーリンズから北上するルートに決定
密度の濃いニューオーリンズでの3日間のあとはどこへ行こうか?行き当たりばったりだったので行く先々でスケジュールや滞在先が決まっていきます。
ニューオーリンズから引き続き東に進めばフロリダに到着します。ここからフロリダの大西洋側の街までは約850キロ、ここまで行けばアメリカ大陸を太平洋側から大西洋側まで横断したことになります。
フロリダまで行って大陸横断を達成するかどうか悩みましたが、時間が足りなすぎる。行き当たりばったりの旅ですが、仕事に戻る日にちは決まっているので往路にかかる時間も計算しなくてはなりません。フロリダまで行って速攻で折り返し帰ってくるのでは楽しくないよね?ということで、フロリダまで行くのは断念しました。代わりにニューオーリンズから北上してアメリカ大陸の真ん中あたりを西に向かって通過しながらカリフォルニアへ帰るルートを取ることにしました。
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