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山火事煙害エスケープでアメリカ西海岸を北上旅行①

2020年の夏はカリフォルニア州民にとって記録に残る最悪の山火事の年となりました。山の家があるレイクタホの近くで発生した山火事の煙害を避けるために、キャンピングカーで綺麗な空気を求めて移動した旅の記録です。

山の家の近くで山火事発生

私たちが住んでいる山の家は約1900メートルの標高にある高原でシエラネバダ山脈というヨセミテ国立公園と同じ山脈の中にあります。家から約60キロ北上したところで8月の上旬から山火事が発生し8月の中旬までに家の周りで煙害が発生し始めました。北風に乗って山火事の煙が家の周りにも到達したようで外の空気は煙臭く見た目でも煙のためにもやっとしているのがわかるほどになりました。

真夏の外気温は日中で30度を超えることが多いのですが、山の空気は乾燥しているので窓さえ開けておけば冷房は必要ありません。そのためこのあたりの家は我が家も含めて冷房整備は持っていないのです。でも外の空気が悪いために窓を閉め切っているとさすがに室内の気温が上昇していきます。

これはしばらく山には住めないね、ということで煙から逃れるためにサンフランシスコ湾にある船に移動することになりました。何度かご紹介していますが私たちは山の家とサンフランシスコ湾に停泊している船の両方で季節に応じて生活しています。

今度はバークレー近郊で山火事発生


船が停泊しているバークレーに到着した夕方マリーナからマウントタムの周りに煙が立ち込めているのが見えました。どうやらマウントタムの近くで山火事が発生したもようです。夏のサンフランシスコ湾は強い西風が吹くのでマウントタムの東側に位置するバークレーは山火事からの煙が直撃します。同時にバークレーの北に位置するワインで有名なナパバレーの山火事も拡大しているというニュースが入ってきました。バークレーも山火事に囲まれてしまいました。

山火事の煙につつまれたマウントタム

煙害から逃げるため北上開始


翌朝にはあたり一面が煙につつまれてしまいました。家に住んで冷房や空気清浄機が完備していれば煙害の中でも室内に閉じこもってやりすごすことができるのですが、船生活というのはキャンプのように外で過ごすことが多い生活なので、基本的に煙の中で生活することになってしまいます。

午後になって空気は悪化する一方でした。これは空気がきれいなところを求めて移動するしかない!山火事の影響が少ない場所を目指して北上することになりました。

このような事態の時にフットワークが軽いのは我が家の強みだなと思います。移動しやすい小型のキャンピングカーに乗ればワンコ3匹と人間2人は自由に動き回ることができます。ベットやキッチン用品など生活に必要なものはあらかじめキャンピングカーに積んであるので大がかりな準備も必要ありません。

煙の匂いがするよ?
ワンコたちはマスクもできないので煙の害がとても心配でした。

北上している途中で山火事に遭遇

こうしてバークレーからハイウエイ101号線に乗って北を目指して走り始めました。途中でナパバレーで発生している山火事からの煙が流れてきているのが見えました。

ナパの山火事から流れてきた煙

バークレーを出発してから1時間ちょっとのところで遠方に煙が見えてきました。なんとハイウエイ沿いで山火事が発生していたのです。

前方に煙が上がっているのが見えてきました。
ハイウエイに沿った牧草地で火災が発生していました。

ハイウエイからすぐのところで炎が上がっているのが見えます。こんなに近いところで火事を見るのは初めての経験でした。

空気がきれいな北カリフォルニアの海辺に到着


出発した日の夜はハイウエイ沿いにあるレストエリアで仮眠をとって早朝に北カリフォルニアの海辺の街を目指して出発しました。お昼までにオレゴンとの州境に近い海辺の街に到着。久しぶりに胸いっぱいに吸い込む綺麗な空気のありがたさ!空気が綺麗なのはあたりまえのことではないのだということを改めて感じた瞬間でした。

煙害の中で思う存分外に出られなかったワンコたちも海辺で思い切り遊ぶことができました。くまは波が荒かったので海には入りませんでしたが、お得意の砂浜ゴロゴロを繰り返し砂まみれになっていました。

海に来たよー!

キャンプ場探しに奔走する


山火事が広がる北カリフォルニアでは私たちのようにキャンピングカーに乗って空気のきれいなところを求めて移動する人たちが急増しているようでした。中には煙害ではなく山火事の避難勧告または命令が出ている地域に住んでいる人たちが避難が終わるまでの間に過ごす場所を求めて移動するケースもありました。

そのため到着した北カリフォルニアの海辺の街はどのキャンプ場もRVパークも満室で、到着した日はまたハイウエイ沿いにあるレストエリアで野宿をすることになってしまいました。でもこのまま野宿を続けるわけにはいきません。船が停泊しているサンフランシスコベイエリアも山の家があるレイクタホも空気がよくなる傾向は全くみられずしばらく帰ることができなさそうでした。

車内で夕飯を調理中の夫

全く宿泊先が見つからなかったので、引き続き北上してオレゴン州に入ることになりました。

つづく

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