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限界に挑み、内なる強さを育てる|音声配信

ゆることのいたりてはなはだだしきときなればなり
-暦便覧こよみべんらんより-


本日より、一年で最も寒い節気、「大寒」がはじまりました。
次は二十四節気のはじまりの節気、立春。なので、大寒はこの二十四節気のフィナーレを飾るいわば大晦日のような季節です。

古来より、この大寒の時期に仕込んだものはよく育つといわれてきました。
大寒の時期の氷水で墨をすって字を書くと書道が上達するとか、この時期に仕込んだ味噌はとても美味しくなる、とか。

厳しい寒さは身体的にこたえますが、身体の限界を感じる時期だからこそ、精神的な強さが内側から湧き上がってくることを感じられる時です。

この時期に挑み、そこで培われた精神的な強さは、次の立春から始まる一年を支える大きな力となるでしょう。

わたしは昨年この時期に「声にして伝える」という自分にとって最もやりたいくないことに取り組みはじめました。その後、4月の清明の時期から音声配信を始めてもうすぐ一年が経とうとしていますが、当時大嫌いだった「自分の声」が今では自分の背中を押してくれる声のように感じられます。

その理由なんかも音声配信の最後の方でちょっと話していますのでもしよかったらお聞きください。

また、昨年の1月20日は開業届を出し、自分の事業を始めた日でもあります。土用の中でしたが、その日のお日様を見て「今日しかない!」と思ったのでした。

それから一年、時間の管理や家庭とのバランス、子どもとの関わり方の変化やパートナーとのコミュニケーション、まったくもって未知の領域だった経営のこと、そして一番苦手意識の強かったお金のこと・・。などなど本当にいろんなことに挑んだ一年だったけれど、その源泉には、

「自分の声を伝えたい」

「自分の声を好きになりたい」

という切実なる願いみたいなものがあったような気がしています。


次の一年は音声配信を続けるかどうかは未定で、どのように声で伝えていくかはまだ考え中ではあるけれど、今内側にあるのは、

詩をつくりたい

という想いです。

今は、「自分の声で伝えたい」から「自分の声を思い出したい」に願いの方向性が切り替わっているのを感じています。伝えようと思って、わたしはついつい喋り過ぎてしまう。沈黙から湧き上がってくるものを封じてしまう。

けれど今は、言葉を引き算していって、言葉の一粒一粒に自分という存在や感触を見出して行きたいなという想いが強いです。


皆さんは大寒の時期、どんなことに挑み、育ててみたいですか?

節分に晴れやかな気持ちで豆を巻く日を夢見ながら、大寒の仕込みを楽しんでまいりましょう!

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