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「牛とわたし」を描いてみよう|裏の畑Body work部『十牛図のワーク』

月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」の後半、Body work部で『十牛図のワーク』を担当しています。前半の部の絵の教室はこちら↓


8月30日。
季節は処暑。太陽の熱が引いてきて、外に向かっていた気持ちがだんだんと内側に向いていきます。第三図までを終え、これから後半へとさしかかる十牛図にぴったりの季節となってきました。

ここまでやってきて、だいぶ「牧人と牛」、「頭でわかることと影の領域」についての理解が深まってだと思います。そこでこの日は、「牛とわたし」を絵にしてみるというワークをしました。

まずは牛さんから。
アクティブイマジネーションという手法を使って、イメージの世界が展開していくのを感じます。十牛図の初期段階で、牛は自分の「影」として現れてきます。人生のどこかで諦めたこと、成長の過程で選ばなかった側面。そういったものは決してなくなってしまうのではなく、自分が生きている現実とは違うもう一つの世界(二次プロセス)の中で漂流して、いつかまた現実と接点を持つことを待っています。

わたしはこのもう一つの世界・二次プロセスを「その人だけの手付かずの自然」と表現しています。そこは里山のように人が暮らしやすいよう手が加わった自然ではない。まるでもののけ姫のシシガミの森のように、生きとし生けるものものがそのまんまの形で暮らしている自然です。そしてそういった手付かずの自然は誰もが持っています。

自分だけの手付かずの自然とそこに住まう牛。それらをまず絵にしたら、次に自分を描いていきます。その絵には自分にとって牛はどんな存在なのか、牛と自分はどんな関係なのか、を現しています。最後は箱庭療法の分析方法を参考にしたりして、自分の描いた絵を読み解きながらシェアタイム。

手付かずの自然。それは他の人には到底理解できない世界なのかもしれません。けれどそれはとても神聖な場所です。頭で全て理解できなかったり、それゆえ困ったことも時には起こるのかもしれない。けれど、それでもなんとか一緒に生きていこう。十牛図のワークを仲間とともにやってみると、そんな寛容さが生まれてくるのを感じています。

今日も参加者のえいちゃんが美味しい手作りスイーツを持ってきてくれました。えいちゃんの牛の力を感じます。

素敵なお写真は寺子屋てらこ・ホームスクーラーのゆかりさん。
instagramも素敵です。


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