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小満-しょうまん

少し遅くなってしまいましたが、2020年5月20日より、二十四節気では
【小満】の時期に入りました。

暦便覧よると小満は、「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」。
盈満(えいまん)とは、物事が満ち足りること。
万物に生気充満し果実実り草木繁るということを小満は意味します。


この時期、空はどんどん高くなり、太陽の光は強くなり、草木が天へ地へとエネルギッシュに伸び、広がっていきます。
私たちの身体も、元気な植物たちを追いかけるかの如く、エネルギッシュに活動ができるように準備を始めます。

特にこの時期、労ることが大事なのは、「血管」。

〝暑くなると息切れがしがちになります。血管が広がって肺の働きが追いつかなくなるのです。この場合はゆっくり息を吐き出します。全て吐き切らないと肺の隅々の酸素が入れ代わりません。〟
(二十四節気に合わせ心と体を美しく整える  p.95より引用)

 「さぁさぁ、夏がきますよ」
と、この時期の太陽は、私たちに語りかけます。
そして、呼応するかのように、私たちは夏の訪れに心を躍らせます。


— 今すぐに古いものは脱ぎ捨てて、夏の盛りに飛び込みたい。


私たちの血管は拡張し、気が全身にみなぎり始め、たくさん動きたくなる。
呼吸の量は増え、たくさん喋りたくなり、たくさん笑いたくなる。
誰かと会いたくなり、繋がっていたくなる。

それは本当に夏らしい、在り方です。
夏は拡張とワクワクの季節だから。


だけど、
このものすごく大きく広がろうとする夏のエネルギーを受け入れる前に、私たちは身体の準備をしなくてはなりません。

夏は、小さなものを大きくする作用を持った季節。

春に始めた小さな歩みや小さくコツコツ頑張ってきたことを大きくしてくれます。同時に、ちょっとした違和感も大きくクローズアップさせます。

たしかに、温度も湿度も高く、この時期は食べ物だって傷みやすい。
口にするものや環境にも気を配りたいところ。
つまり、自分を取り囲む環境と自分の身体に対する労りが大切な時期、ということ。
それが小満の時期。



もっともっとアクセルを踏み込みたくなるけれど、ちょっと足を緩めてみる。
すると、こんな小さな声が聞こえてはこないでしょうか。



— 今満ちているものだって、たしかにあるよね?

— 今まで十分頑張ってきたこともあるよね?


農家さんはこの時期は作付がひと段落してホッと一息つく季節らしく、小さな満足を味わう、という意味で「小満」と名がついたという説もあります。

小さく丁寧に、満ちることを大切に見ていく時期。
それが、【小満】という時期に込められた意味なのかもしれません。


なるほど、だから夏の前にじめっとした梅雨が来るのか。
雨降って地固まる梅雨の時期は、夏に向けての大切な準備期間、なのだ。


なんだか慈愛に満ちたとても温かい時期、小満。


今は、コツコツとやってきたことを温めてあげると同時に、
普段脇に置いておきがちな、身体のちょっとした不調や違和感なんかも大切にしてあげたいなと思いました。


さて、私はどんな風に過ごそうかな。


今まで書きためたことをnoteで再編集してみているので、
こうした小さな時間を大切に営みつつ、
ずっと気になっている肩甲骨周りや、背中の張りをケアしてみましょうかね。

みなさまも素敵な、小さな満ちゆく時間を。


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