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委ねる勇気・委ねられる勇気|裏の畑Body work部『十牛図のワーク』第五図

月に一度のシュタイナーの絵の教室「裏の畑」。後半のBody work部で『十牛図のワーク』を担当しています。前半の美術部の様子はこちら↓

11月15日。
色とりどりに紅葉していた葉がハラリハラリと落ち始め、地面をふっくらと包み始める頃。風が冷たくなり、いよいよ冬がやってきたなぁと肌でも感じる時でした。この日はシトシトと冷たい雨が降っていたので屋内でのワークを。

前回、とてもパワフルな第四図のワークを終え、この日は第五図。信頼のワークをすることにしました。

十牛図『第五図』

第四図で一進一退の攻防を終えたのちにやってくる第五図。牧人も牛も疲れてきて、お互いに馴染んできています。自分の利や力を主張するところから、なんとか互いに歩みを進めようというフェーズに入っています。ここに入るには、第四図(↓)で思いっきり引き合いその感触を得ておくことがとても重要です。


この日のワークもとってもシンプルです。
お互いの存在を感じ、目を瞑り、前へ後ろへと身を委ねるのです。

倒れても、受け止めてくれるという相手への信頼。
相手に委ねられるという自分への信頼。
倒れてくる相手を自分は支えられるんだという自分への信頼。
倒れてくるという相手の勇気を信じて待つ信頼。

いろんな信頼が網目状に交差していきます。

「信頼」。
一見、柔らかそうな言葉だけれども、身体を通して感じてみると、とても芯のある強い言葉でなのだなと気がつきます。自分に相手に、信じて委ねるというのは勇気がいることだ。とても強いことだ。


わたしは、ある絵本の馬と少年との対話を思い出していました。

〝いままでにあなたがいったなかで、いちばん ゆうかんなことばは?〟
ぼくがたずねると、馬はこたえた。

〝たすけて〟


〝いちばん 強かったのはいつ?〟
〝弱さをみせることができたとき〟


〝たすけを求めることは、あきらめるのとはちがう〟
馬はいった。


〝あきらめないために、そうするんだ〟

チャーリー・マッケンジー著・川村元気 訳『ぼく  モグラ キツネ 馬』 より


絵とボディワークを終えた帰り道、スマホにメンバーの方から「虹が出たよ」とメッセージが入っていました。そのとき、何かが完了した予感と、何か新しいものが始まる予感が一緒にやってきて、心が少し、くすぐったい感じがしたのを覚えています。

お写真の提供は、ホームエディケーション『寺子屋てらこ』の鈴木 有加里さん。
先日は、素敵な写真展を開催されていました!

そして、絵の先生であり、この裏の畑という素晴らしい学びの場を主催してくださっている間々田陽子さんと一緒に学びを進める仲間に心から感謝を。

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