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わたしはここにいるよ

シュタイナー教育の絵の教室「裏の畑美術部」でした。
立春も明け、春の兆しを感じる2月の水彩は、ふきのとうを描きました。

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寒い冬の気をはねのけるように出てくる春の草花の生命力はつよい。
それなのに、どうしてあんなに可憐な姿をしているのでしょう。

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ほら、いま目が合った。
わたしはここにいるよ。
そんな強い意志をふきのとうから感じます。

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それぞれ違う、春の兆しの受け止め方。わたしは、祖父の家の井戸の周りに春になるとポコポコと出てくるふきのとうを思い出していました。

冬眠から覚めた熊が一番初めに口にするのは苦味のふきのとうなんだとか。解毒作用の強いふきのとうが、冬の間に溜め込んだものを出して、新しい春を迎えるために必要なことを本能的にわかっているのでしょう。

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周りが静かになる冬が好きで、この時期はいつもまだ中にいたいのに・・と思ってしまう。けれど、梅の花が咲き、ふきのとうが顔を出すと今年もぼちぼち頑張ろうか、という気持ちになります。

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先週つくった、ふきと油揚げの煮物。この時期になると自然と食べたくなる味です。

続いて、フォルメンでは「線の衝動」を描いていきました。

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上から、下から
右から、左から

天から地へ向かう衝動
地から天へ向かう衝動

過去から未来へ流れる時間
未来から過去へ流れる時間

さまざまな流れが線に乗って紙の上に現れていきます。

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それぞれの線はそれぞれの個性の傾向性を表しているようで面白い。

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2枚目は十字のモチーフ(黄緑色)の周りに自由に線の衝動を描いていく。

なんの基準もない自由って難しい。
けれど、一つ何かの目印があることで開かれていく自由もあるということを、わたしは30代になってからようやく理解しはじめた。フォルメンを描いていると、年月を経るごとに変わっていく自由の味わいに触れていきます。

そして、自分以外の人の線を見ることで、平面的だった自分の世界が、立体的に広がっていく。

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