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もう一つのお誕生日

2022年1月20日、開業届を出して一年が経ちました。それで、夫と娘がお祝いにとケーキを作ってくれました。そうだ、ちゃんとお祝いしていなかったね。

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あした けえきを つくります

夫と娘はなんのケーキを作るか作戦会議。娘はよほど楽しみだったのか、覚えたてのひらがなで洗面所の壁にメモ書き。かわいらしくて中々外せない。


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レアチーズとココナッツオイル、豆乳ヨーグルトのペーストでレアチーズケーキを作ってくれました。果物もたっぷりトッピングして。


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誰かにケーキを焼いてもらったのなんて、いったい何年ぶりだろう?
ロウソクがないので、クリスマスに買った大きなロウソクに火をつけた。
一本のロウソクと、お誕生日ケーキ。わたしの人生ではもう経験しない構図だと思っていました。


「ママ、おめでとう」

「ママのお誕生日じゃないけどね」

「え?違うの?」

「ママが作ったお仕事のお誕生日。一年前に生まれたんだよ」


わたしには「これをやりたい!」「自分の〇〇を社会で試したい」と思うものや確固たる決意も覚悟も持っていなかった(事業を起こすって、起業するってそういうことだと思っていた)。

正直、一年前に開業届を出したのは、娘の幼保無償化対策のためだった。娘が小さくて働きに行けない。だから開業する。それしか当時のわたしには選択肢がなかった。正直、行政手続きなどもたくさんあり、面倒臭いこともたくさんあった。けれど、開業なんてしなければよかった、と思ったことは一度もなかった。面倒臭いことはたくさんあるのだけれど、それをこなす毎にわたしは元気になっていき、そして、不思議と覚悟や責任感が内側で小さく育っていた。

おんなじなんだな。

と思った。子どもが一歳になるときとおんなじ。

何にも持たずに生まれてきて、でも自分の行く方向だけは知っている。
あの感じ。

ケーキを食べたら、昨年開業届を出した時にお参りに行った神社へお礼参りに行った。一年前、わたしはここでどんなお願い事をしたのかは思い出せなかったけれど、きっとその願いは叶ったのだと、手を合わせていたらわかった。


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「ママ、プレゼント。ママのお誕生日じゃないけれど、お誕生日おめでとう」

ありがとう。ママのお誕生日じゃないけれど、一年前、ママのもう一つのお誕生日ができたんだよ。

1歳になったリビング・アトリエを今度ともどうぞよろしくお願いいたします。


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