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095. ご近所のフランス人マダムがアーモンドケーキを焼いてくれた

bonjour!🇫🇷 毎週金曜日更新のフランス滞在記をお届けします。
フランス滞在記は2019年〜2020年の滞在生活について綴っていますが、今号は2022年今現在についてのこと。

ここ最近、偶然にもご近所に二人フランス人のお友達ができました。

毎週滞在記を通して心をフランスに寄せ続けてきたのだけれど、金曜日でなくてもフランスを生活の中に感じられるのが嬉しい。先日は、そのうちのお一人とても素敵なフランス人マダムが、美味しいアーモンドケーキを焼いて届けてくれました。

アーモンドケーキはとても懐かしい味がした。隣のカボチャは娘が作ったジャック・オ・ランタン。

少し前に夜一緒にお酒をいただく機会があって、その時に栗の渋川煮を持っていいったのがきっかけだった。マダムがいたく気に入ってレシピを教えてほしいとおっしゃるので、連絡先を交換することに。それ以降、クレープが届いたり、紫蘇の醤油漬けを届けたりという「美味しい交流」が続いている。

数年前、フランスへたつ前に慌ててフランス語会話の本を広げていた時。語学がもともと得意ではないし、半年の滞在ではどうせフランス語が身につくとも思えない・・ということで、それより何か日本らしい一芸を一つ身につけようと思った。それで、産前習っていた茶道の先生にお願いをしてそんなに本格的なお手前はできなくとも、さっと美味しいお抹茶をたてて差し上げられるように稽古をしてフランスに向かった。

二度ほど、向こうでお抹茶をたてる機会があったのだけれど、とても喜んでいただいたのが記憶に残っている。

料理もそう。こちらは茶道よりも普段、毎日何気なく行っているものだけれど、立派な「日本的な一芸」である。

マダムから「今度、よかったら一緒にクレープを作ってみませんか?」とお誘いを受けて、わぁ・・フランスでやりたかったけどできなかった夢が一つ叶いそうだ・・と胸をときめかせている。芸は身を助けるとは本当のこと。

料理にはずいぶん助けられてきた。思い返すと、料理がきっかけで始まったり深まった交友関係ってわたしの人生でものすごくたくさんある。特に、今海外の方が多く住んでいるエリアで暮らしているとそれをひしひしと実感する。言葉では難しくても「美味しいもの」がきっかけで関係が始まったり深まったりするのだ。

そんなことを玄関のドアの前に届けられたアーモンドケーキをいただきながらしみじみ感じた夜。

でも、その先はやっぱり言葉で伝えたいな。ずっと逃げ続けてきた語学にもそろそろちゃんと取り組む時が来たのかなと思い始めている。

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