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存在感|裏の畑美術部

シュタイナー教育の絵の教室「裏の畑美術部」でした。
1月の水彩のテーマは、お正月らしく、富士山と太陽。

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実は、この教室のちょうど1週間前に仕事で逗子へ行く用事があって、富士山を見てきたのでした。

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森戸神社に参拝に訪れたら、晴れ渡った空の中にぼんやりと富士山。前日には地震があり、海に入る人がいない日だったためか、水がものすごく澄んで感じられました。

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海の奥に聳える富士山。

海がなく、連山に囲まれた長野で育ったわたしにはあまり馴染みのない光景で、まるで異世界にいるような気分になります。

いつも富士山からは荘厳で強そうな印象を受け取っていたのですが、この日はたおやかで、レースのカーテンのような優しいベールに包まれた女性的な存在感を覚えたのでした。

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その残像を頼りに筆を絵の具にひたしていると、山の裾野が気になり出して、こういう構図になりました。

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富士山は日本の集合的無意識の象徴、という話もあるだけあって、それぞれ全く違った富士山。

ここまではどこか「描こう」という意志や積極性みたいなものが先行していた気がするのですが、こういう季節だからなのか、現れたいものをそのまま紙に移してあげるという感覚に。

そして、先月描いた木とは対照的に感じたのも面白かった。

山の意識は長い。山を描いていると、木を描いたときの育っていこう、立とう、という意識から既に立っているものから滲み出る存在感の方へ目を向けていくように促される気がします。


後半のフォルメンは、対照図形を描いていきました。
ひと息で描いてしまう時とまた違った円の感触。

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ちょっと手前にタオルが写ってしまっていますが・・。

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基準線を縦に引くか、横に引くかで円の描きやすさや出来上がる様が全く違う。

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