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Sensible Paster+DeepLで洋書読みまくり人生を(Mac限定)

Sensible PasterというMac専用無料アプリ*1をご存じでしょうか。

 何をするアプリかというと、画像の文字をコピーすると、そのままテキストに変換してペーストできるというアプリなんです。これまでPDFをGoogleDrive経由でテキスト化するとかの方法があったのですが、このアプリは極めて直感的に、画面に表示されたテキスト画像を、範囲を指定してコピーするだけで、文字としてペーストできるのです。(アプリを起動したら、Command + Control + 6 を押してから範囲を選択するだけです)

 元画像は画面に表示されるものなら形式を選びません。つまり、自炊した洋書のPDFやPNG画像でも、Kindleで購入した洋書でも、画面に表示される文字画像なら何でも、どんどんとDeepLに貼り付けていけるのです。

 DeepLについては、もう説明いりませんよね。これを一度使うと、もうGoogle翻訳には戻れないと思います。本当にこなれた日本語になるので、ちょっとびっくりします。

 もちろん、著作権には配慮する必要がありますが、個人で利用する範囲で洋書を読むだけなんて使い方なら全く問題ないはずです。これのおかげで買っただけで全く読んでなかった洋書とかが、どんどん読めるようになりました。なにせ日本語に翻訳出版される洋書なんてのはほんの一部ですから、一気に読める本の幅が広がったということなんです。

 こんなすごいアプリですし、英語文字の認識精度もほとんど問題ないんです。そりゃときどきこんな間違いもありますけど、慣れればほとんど問題ないです。

・色文字が化ける
 洋書でよく最初の1単語だけ色が変わっていたり、書体が違っていたりすることがありますが、こういうのがよく文字化けします。これはちょっとしょうがない感じがしますね。本文部分の文字認識精度は驚異的なレベルだと思います。

シングルコーテーション、ダブルコーテーションの誤認識
 コーテーションがついていると、誤認識がよく起きます。よくあるのは、I'd とかI've とかの省略が、Td や Tve に変換されるケースです。これはWordに貼り付けると、Wordの英文校正機能が指摘してくれたりしますので、見つけやすいのですが、シングルコーテーションで囲まれていた文章の、後ろのコーテーションが消えてしまったり、後ろだけダブルコーテーションになる等のエラーがときどきあり、これはわりと見つけにくいです。ただ、DeepLはあまりそういうのは気にしないので、大丈夫なのですが。

 あと、Sensible Pasterは、原文の改行箇所に改行コードを出力します*2。これが、わりといい面と悪い面があります。DeepLは本当にすばらしい翻訳ソフトなのですが、ちょっと変なクセもあります。使っているとよく遭遇しますが、ある文章をまるごと省略してしまったりすることがあるんですね。

 たとえば、こういうことですね。原文ちょっと小さくて読みにくいですが、DeepLは、最後のbecause以後の文章を完璧に無視した日本語訳を表示してます。こういうときは、becauseの前で改行してあげると、ちゃんと訳すようになったりします。つまり、DeepLで訳すときは、改行を多めに入れておいた方が、より意味の正確な意味の翻訳になることが多いような気がしています。そのため、Sensible Pasterでペーストしたとき、原書の改行位置で全部改行されていても、ざっと意味をつかむだけなら、案外使えるんですよね。

 悪い面としては、Wordとかに貼り付けて、きちんと文章として保存しようとするとき、ちょっと改行コードがじゃまだったりしますので、これは手で削除するか、置換で何とかするか、その辺の手間がちょっとかかります。

 ただ、洋書を急いで読むのであれば、こうやって、ざくっと意味をとっていって、あれ? というところだけ文章をつなげたり分割したりしていって、より訳文の精度を上げるような使い方をしていけば、よいのかと思っています。

 今のところMacを使っている人しか使えない技ですが、是非お勧めです。今私は海外のあるミュージシャンの伝記本(日本ではまず翻訳出版されない)をこれで読み進めています。こんなことがかんたんにできるなんて、夢のような人生です。Sensible Pasterの作者の方、本当にありがとうございます!(あ、DeepLの開発社の方にも感謝w)




*1:この記事を書いた2022年2月時点ではフリーウェアでしたが、その後バージョンアップにより600円の有料アプリとなりました。
*2:2023年10月のバージョンアップ(Ver.2)より、改行コードを含めるか含めないかは設定で変更できるようになりました。


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