学校に物品寄贈をして思うこと
個人事業主として1年、お陰様でダリアの球根や切り花を買ってくださるお客様がおり、本当に少額ですが物品で寄付をさせていただきました。
地域おこし協力隊として活動しているときから、「自分に何ができるのか」を考え、個人事業主になったわけですが、せっかくの売上を地域のなにかに活かせないかとも考えていました。
そんななか「未来ある子供に向けての投資」の話に触れる機会があり、
「子供たちのためになる」目的の使い方で、寄付ができないかと学校教育課に相談に行きました。
ギガスクールも始まってそれなりに経過するので、先生のスキルアップ研修費の足しにでもなればいいかな〜なんて考えながら。
ちなみに今回捻出できる金額は「5,000円」×5校です。(小学校4校/中学校1校 町内に高校はありますが県立の為、学校教育課の管轄外でした)
で、課長さんに話をしてみると「現金での寄付は難しいので、学校側の必要物品での寄贈をお願いできないか。」とのこと。
???
自由に使えるお金ではだめなの?
と思いましたが・・・。
まあ、教員経験もなければ保護者として関わっているわけでもないし、学校側の事情は正直わかりませんので、今回は物品の寄贈ということにしました。
学校教育課から各学校に希望を取っていただき、あがってきた要望はこちら。
「第2保健室用の掛け布団」
「電波掛け時計」
「SDカードリーダー」2〜3個
「CDラジカセ」
「音楽CD」
各校必要なものがバラバラですね。
なぜ現金での寄付がだめ?
現金での寄付がだめな理由を聞いてみました。
理由は「学校関係者からの金銭の授受による、職員の着服などの事故が起こらないように。」とのこと。
実際に町内で過去に起こったことは無いそうですが、日本のどこかの学校であったのでしょうね・・・。
なので、基本的に現金は一切持たせないそうです。
ただ、学校教育課の方も仰っていましたが、本当は現金での寄付がいちばん利用しやすいということは重々承知しているそうです。
学校の予算はどうなっている?
学校⇢教育委員会⇢行政の査定⇢議会承認という流れで決まるようですね。
民間企業にいた感覚では、店長か本社の承認を得られれば随時備品購入ができますが(価格にもよりますが)、
来年度を見越して予算を取りまとめ、行政の予算都合で切られるものは切られ、更に行政予算だから議会の承認がないと認められない・・・。
なかなか手間と時間がかかるものですね。
あくまで推測ですが、
SDカードリーダーは学校行事などの際に、瞬間的に個数が必要になります。
担任毎に写真を取り込む場合、クラス数が多かったり運動会など複数の学年が絡めばそれだけ数が必要。
それを、「順番を待てば解決できる」とすれば1つでも足ります。
でも順番を待つというのは、教員の時間を犠牲にすること。
予算査定の現場は知りませんが、限られた予算の範囲内でとなる場合、拘束時間で解決できるSDカードリーダーの購入は優先順位が低いんだろうなと考えました。
とはいえ急遽必要なものが出た場合、手続きを踏み教育委員会の予算があればそこから捻出することもできるみたいですし、多少の融通はきくみたいです。
物品寄贈の継続についての懸念
学校への現金寄付について色々と調べていると、ひとつ気になる指摘がありました。
それは「寄付」や「寄贈」が学校運営の「前提」になること。
「寄付や寄贈が当たり前」になるとその部分の予算は考えなくなり、公費は付かなくなり、状況を維持をするためには寄付や寄贈をやめられなくなる。
つまり、「永遠にサポートが必要になってしまう」というものでした。
まあ税金という財源にも限りがありますし、支援があると分かっているのなら行政も予算をつけませんよね。
寄付や寄贈がプラスアルファにならず、公費の削減でプラスマイナス0になる。
難しいですね・・・。
必要な支援を必要な形で行うには、議員さんの協力を得るのも良さそうです。
行政予算について正式な場で意見できるのは議員さんですから。
まだまだ学校についても行政についても知らないことが多く、来年度はどういう形で還元するのが望ましいかは1年かけて考える必要がありますね。
そういう意味で、今回備品の寄贈を経験できたことは良かったです。
「〇〇すれば良いじゃない。」と言うだけでは何も変わらないので、全体の構造を俯瞰して、誰にどう頼めば効果が最大化するか、今後も学んでいきたいと思います。
アクティブに寄付を取りに行く方法もある
先日、木下斉所長と、大東市の水野教育委員長の対談がありました。
その中で、「予算の不足分を寄付で補う。」という話があり、思わず前のめりに。
大東市ではただ寄付を受けるだけでなく、
Youtubeの「大東市教育委員会【公式】ちゃんねる」に
「御礼動画」として寄付事業者のに出演していただき想いなどを配信する。
というインセンティブ(寄付者のメリット)を設けています。
懸念事項として寄付・寄贈が前提の運営の話を取り上げましたが、大東市の場合はただ貰うだけでないインセンティブがあるからこそ、寄付する側も出しやすいし、クリーンな状態で寄付・寄贈制度が運用されているのだと考えます。
教育長の考え方ひとつで、大きく変わるものですね。
LDLには民間事業者だけでなく、議員さんも行政職員さんも参加されています。
民間だからできること、議員だからできること、行政だからできること、話を聞くことで刺激になりますし視野が広がります。
過去の定例会や学習コンテンツも視聴できますので、興味のある方はぜひ!