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認知症のお父さんは、今でも家族を守ろうとしている、気がする。

今日は父の介護のことを書きます。

私の父は77歳。認知症歴約13年です。息子が今13歳で、息子が誕生したあたりから、「おや?」と思うような言動が増えてきたました。65歳前後での発症だとしたら、早めの若年性認知症と言えるのかもしれないです。

比較的進行はゆっくりで、認知症になってからも母との暮らしを楽しめていました。父はひとりでお留守番もしてた。だから母は母で生活を楽しんでいました。

でも5年前くらいかな。「お父さんひとりにするのは心配」と母が言い出したのは。

当時私は離婚して、息子と2人暮らしでした。実家からは電車で1時間半くらいで、働きながらの子育てを支えてくれたのは母でした。元気な母は父を家に残し、私からの「ヘルプ」要請があると、電車を乗り継いで私のサポートをしてくれていました。それが、だんだん難しくなってきたのです。

そんなわけで、だいぶ話は飛んじゃいますが、父母の移住と私たち親子の移住をドッキングさせて、妹家族の暮らすとある地方都市に引っ越したのですね。みんなで助け合って暮らそうじゃないか、と。(移住の経緯は他にも色々な理由とタイミングがあるのですが、それはまた別の機会に書こうかと)

今、ここで暮らし始めて4年目ですが、父の変化はとても大きいです。できてたことが確実にできなくなっていく姿を目の当たりにしています。顔立ち、表情、身体の動きや姿勢、どんどん変わってきています。コミュニケーションの仕方なんかも、ものすごく変わりました。

それでも一生懸命生きていて、父の「ここにいようとする意思」、みたいなものを感じます。

介護については、父自身が介護を受け入れられない状況、母のがんばりと母の思い、娘の私にできることとできないこと、私と母の意見の食い違い、などなど、ほんとに色々あります。

そんな中だんだんと手がかかっていく父。

でも、ほんとにがんばっていて。
例えば、必死にトイレに通い続ける、とか。完全にオムツなのに。
あと、買い物や散歩に出かける時、片手に買い物バックを持ってくれようとするとか。孫たちとでかけると、孫たちのことを気にして前に進めないとか。娘の私の出勤と帰宅の時にはなんとか玄関に出てくるとか。

「あー、お父さんは、家族を今でも守ろうとしてくれてるんだ」

そう感じずにはいられない。
夫のいない娘を、そしてその息子を、長年連れ添った妻を、一家の主人として守らなきゃって、その思いで必死にここにいるんだな、って、よく感じます。

今日も父は生きています。
私たちと一緒に。



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