7月28日 日銀の政策修正について わたしにもわかるようにおしえてちょうだい
日本銀行は 7 月 27~28 日に金融政策決定会合を開催し、現行の YCC 政策を据え 置くと共に、長期金利変動幅を拡大し、YCC 運用の柔軟化を図ることを決定した。
このニュースについて、FPがわかりやすくご説明します。
なぜ YCC 運用の柔軟化が必要なの?どういうことなの?
物価変動が大きくなると、金利変動が大きくなるため、予め容認する金利変動幅を広げておく必要があります。
日銀は金融政策の方向性や政策金利の上げ下げなどの金融政策を検討、決定する会合をします。 これが日銀金融政策決定会合です。
7月28日に終わった日銀政策決定会合では長短金利操作イールドカーブ コントロールの修正を決めました
イールドカーブ コントロールとは 金利の上昇を抑えるための政策です。
頭文字を取って YCC とも呼ばれています。
もともとは アベノミクス 下で 長いデフレに苦しんでいた2016年9月、
2%物価安定の目標を早期に実現する ことを目的として導入されました
7月28日に同時に発表した「経済 物価情勢の展望(展望リポート)」では2023年度の消費者物価指数 の上昇率は2.5%となり, 4月の前回予想 1.8%から 大きく 高まりました。
理由としては 企業の価格転嫁が予想以上に進んでいること、 円安で輸入価格が上昇していることです。
デフレからの脱却を目的として導入された イールドカーブ コントロールですが、物価の上昇が2%を超えたインフレになったため 今までの政策を続ける 弊害が目立つようになりました。主に円安などです。
ただし 金利を上げてしまうと 経済活動への影響が大きいため、金融政策の微調整 をすることにしました。
日銀はこのまま 物価が上昇し続けるとは考えてはいません。
あくまでも今後、 物価の見通しから 上振れした場合などに柔軟に対応できるように前もって 手を打っておこうという意味合い だと言っています。
私たちにどんな関係があるの?
特に身近な影響としては 為替動向と住宅ローンなどの借入金利が考えられます。
為替については、日本の金融政策が実質的に緩和修正の方向に進んだことで円高ドル安が進みやすくなります。
もし円高になれば輸入品価格が下がるため、 食料品などの物価高の緩和につながります。
住宅ローンの金利 主な3種類
・完済するまで金利が一定の全期間固定型
・当初5年や10年など一定期間の金利を固定し、その後に金利タイプを選 ぶ固定期間選択型
・半年ごとに金利を見直す変動型
住宅ローンへの影響は、契約している金利の種類によって異なります。
特に金利上昇の影響が心配なのは、これから 固定型でローンを借りる人です。
すでに 固定型を借りている人は、借入当初の金利が継続するために影響はありません。
住宅ローン 金利は、 金融機関が国債利回りなどを手がかりに決めます。
長期金利など市場金利が上昇すれば、住宅ローンの固定金利の水準も上がる可能性があります。
一方で 短期金利の影響を受ける 変動金利は、 日銀のもう一つの政策である 「マイナス金利政策」は継続されるため 当面大きな影響はないと思われます。
今後 長期金利が急騰すれば住宅ローン金利のほか、会社・商店の設備投資の長期貸出し金利の急騰を招き 景気の足を引っ張りかねません 。
またこれから発行する国債の金利が跳ね上がれば、 国の借金返済の負担が大きくなります。
まとめ
日銀は公表文で物価2%目標の「持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っておらず、粘り強く金融緩和を継続する必要がある」としています。
日銀は今までの「異常な金融政策」を修正したい。しかし現状の「大規模緩和」からの「出口」にはまだ至っていない。
アメリカをはじめ世界各国がインフレ抑制のため金利を挙げている中で、日本が普通の状態に至るには、まだまだ時間がかかりそうです。
最後に、住宅ローンを変動型で借りている方でも、今後金利が上昇した場合にも対応できるよう貯蓄などで備えておくことも大事でしょう。
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