もう一つの「もし、トラ」
普通 「もし、トラ」というと「もし、トランプが大統領になったら」ということだが、ここでの「もし、トラ」は違う。
「もしも、トランプが品行方正かつ温和で、決して出まかせを言わず、また、相手を誹謗中傷などしない、そして、説得力のある話し方ができる政治家であったら」ということである。
トランプの主張は間違っていないのである。唯その主張の仕方があまりに品がなく一方的で問題である。
トランプの主張が間違いでないのは、副大統領候補のバンスの「ヒルビリー・エレジー」を読めばわかる。
工場の海外移転により突然工場は閉鎖になり従業員は解雇される。失業して家賃を払えなくなった従業員一家は住宅から放り出されてしまう。住宅街は荒れ果て、目抜き通りにはつぶれた商店が並ぶ。そういった姿が克明に描かれている。
アメリカは自由主義経済の極みでグローバル化をいち早く進めた。しかしその影響はあまりに速く、そしてあまりにドラスチックで多くの人は対応することが出来ず多くの悲劇が生まれてきた。
そして、この悲劇が50年以上続いている。驚くことに既存の政治家はこの悲劇を放置し続けたが、この行き過ぎた自由主義経済は見直しの時期に差し掛かっているのではないか?
この行き過ぎた自由主義経済にに立ち向かったのがトランプである。
もし、トランプが品格のあり、説得力のある政治家であったら、この行き過ぎた自由主義経済をどのように見直していくのだろうか?