FX は外債投資に優る

  アメリカの利下げが予想され年央にはドルは130円くらいまで下落すると予想されている。それをうけて下落したら円をドルに換えて金利を稼ごうと考えている方も多いのではないだろうか。かくゆうこの私もその一人である。ドルで金利を稼ぐというと米国債や米社債を購入することを考える方が多いと思うがFx取引によるドル投資の方がはるかに有利である。
理由は次の通りである。

1:外債投資は手数料が高く、途中売却の場合はそれまでの金利は殆ど消えることもある。
 130円でドルを買い途中で150円までドルが上がり、それからはまたドルは下落すると予想される場合一旦円に戻し下落してから再度ドルに変換してドル投資を再することを考えると思うが、外債の場合は買うときに既発債ならば3%程度の手数料が含まれた購入価格で購入し、また売却する時には3%程度の手数料が含まれた売却価格で売却することになる。無論満期まで保有すればその問題はないが満期の際のドルレートは最高であるという保証はない。
 また、円をドルに換える際には為替手数料が発生するがFXの場合の手数料は10分の1以下であろう。

2:FXの金利は外債にそん色はなくできる。
  一般にFXは短期金利にもとずくスワップポイントが金利として支払われる。債券は一般的には長期金利にもとずくので債権の場合の方が有利ということになるが、FXの場合はレバレッジがきかせることができる。つまり、1ドルが130円として130万円でレバレッジを1とすれば1万ドルのドルを買えるが、レバレッジを2とすれば2万ドル分の金利にあたるスワップポイントが得られる。つまり、金利が2倍になる。
 今のように長期金利が短期金利より安い場合はこのようなしなくてもFXの方が有利でレバレッジは1にしておけばよい。金利の動向によりレバレッジを調節すればいいのである。

 尚、MMFによる外債投資を考える方もいると思うが、MMFはレバレッジを1に固定したFXとほぼどうようである。違いはMMFはドルへ変換そして円への戻しの時に結構な為替手数料が発生することである。

3:為替リスクは同じ
 FXでもレバレッジを1にしていれば外債投資と為替リスクは一緒である。
しかし、これからの状況を考える場合130円になったらば円高リスクよりも円安メリットの方が高いのではないだろうか。これに関してもドルレートが130円を超え円高となったらレバレッジを2倍に上げ円安となったらレバレッジを1まで下げるかあるいは一時中断して円に戻すことを考えてはいかがだろうか?
 無論そんな面倒なことはしたくないという方はレバレッジを1のままにしておけばよい。少なくともFXは外債投資よりも少なくともコストは安いのだから。

4:終わりに
 どうもFXは高いレバレッジで一攫千金を目指す投機のシステムと思われているようだ。確かに投機家がFXで大儲けしたり大損した話を聞くことがある。だが、あくまでも使い方でありFXはうまく使えば一般の投資家にとっても便利なシステムである。
 今回のような外債投資ではなく、例えば、アメリカ株に投資している場合今後ドルが下がった場合は為替差損が発生するが投資した分のドルをFXで売っておけば今のレートで為替レートを固定することができる。但し、この場合日本の金利はアメリカの金利より安いのでほぼアメリカの短期金利にあたる約5%の逆金利が発生し、その分金利を支払わなければならない。
この場合金利の支払いを減らすには豪ドルのような高金利通貨を円の代わりに買えば金利の支払いは低減することができる。

 この10年間で円の最高値は100円以下であったが、今は144円と円資産は約3分の1消滅してしまった。もはや為替はわからいでは済まない時代になったのである。



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