にちにち思うままに 59 有料配信のありがたさ

芸術というものは、媒体を通さず自らの目で見たり聞いたりすることが1番である。

作品から感じられる雰囲気や表現者の息づかいなど、その場の空気を全身で感じることが大事だと思う。

映画だって、カットやCMがないほうがいいに決まってる。

だから、表現する側の人達はぜひ足を運んで欲しいと言う。

私は演奏者側だったことがあるので、それは分かる。
録画や録音したそれは迫力や音の広がりなどがホールで聴くものとは違う気がする。
絵画などの芸術作品も写真で見るより実物はずっと繊細で複雑だったりする。


そうはいっても、行けない時があるものだ。

コロナ禍でコンサートや舞台を配信できるようになって、ある程度動けるようになった今でも継続してくれるところがある。

配信って様々な理由で行けないけど観たい、聴きたい人にとって救いの制度だ。

住まいが劇場から遠くて交通費や宿泊費がかかるとか、子育て真っ最中とか、介護中とか、病気などで行けないとか、チケット代は高いけど配信代なら出せそうとか、興味はあるけど一歩踏み出せないとか、自分は興味あるけど両親は全く興味ないから行きたいとは言えないけどというお子さんとか、様々だと思う。

衛星放送の有料チャンネルを利用するほどではない人にとってもだ。

配信がどのくらいの試聴数なのか、かかる費用とそこから得る利益など、どうなってるのかは分からないけど、私は結構利用している。
『広島ジャンゴ2022』の配信を観た時、劇場にいたら周りの人がひくんじゃないかと思うほど泣いた。

だんだん以前の日常を取り戻しつつあるから、いつか配信がなくなることもあるだろうと思っているので、本当にありがたいことである。

観劇日当日に首と肩を痛め、激痛すぎて諦めるしかなく、「ちいかわ」のハチワレちゃんみたいに「喜びがない」と思っていた私にも配信で観られる機会がめぐってきた。

歌舞伎はまだ継続してくれるだろうと思っていたけれど、まさか猿之助と愉快な仲間たちまで観られる機会に恵まれるとは思わなかった。
しかも、アーカイブありの配信で!
猿之助~の配信期間は終わっているのだけれど、色なことに々興味がありすぎて、金銭面や、もしコロナにかかったらとか考えて予定を組み、行くかどうしようか迷っていた公演を自宅で観られるなんて、こんなありがたいことがあるだろうか。

配信はないと思っていた9月春秋座の公演も観ることができたし、なんか誕生日プレゼントをちょこちょこ貰っているような感じで嬉しい。
配信料は払うんだけどね。


生ものの有料配信、経費が許す限り続けてほしいと願っています。


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