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花組「激情」「GRAND MIRAGE」配信感想

ひとこちゃんのホセの黒いスーツで寿命が10年伸びそうな気がするカンブリア記です。皆さんこんにちは。

花組の「激情」と「GRAND MIRAGE」の配信を見ての感想です。いやー、激情って初演の時には「スミレコードぎりぎり」とか言われてた割に、結構再演してますよねー・・おや誰か来たようだ。

まあ確かに、ちょっと子どもには見せられないシーンもあるかもですが、音楽もいいし、何より序盤からぐいぐい引き込まれるストーリーで、これだけ再演されるってことはやっぱりすごい作品なんですよね。
でも、花組のひとこちゃんと星空美咲ちゃんで激情をやるって聞いた時は、
「あのひとこちゃんが??嫉妬に狂うホセをやるってコト・・・?」
って思いましたよね。

あんな、ナチュラルボーン愛されイケメンのひとこちゃんに、ジェラシーなんて理解できるんか??
ひとこちゃんの辞書に「ジェラシー」の単語は多分載ってないと思うけど大丈夫か???
(ひとこちゃんが辞書で「ジェラシー」を調べようとして「あれ?載ってない‥‥ま、いっかー!」ってなってる所まで見えました)

とまあそんな事を心配しておりましたが、ひとこちゃんに柴田作品は絶対似合うと思ってたので(「哀しみのコルドバ」のリカルドとかね)、配信を楽しみに待っていたわけです。

ちょっと初演の話をしますと、花總まりさんのカルメンって本当に、人間というよりも「美しい女の形をした野生動物」みたいな存在で、姿月あさとさんのホセは本当に真人間に違いないのに、カルメンに恋い焦がれて破滅してしまうみたいな、どうしようもない悲劇を見ている感じがしましたよね。

今回のひとこちゃんのホセは、真っ直ぐなんだけどどこか隙があるというか、元々そういう闇落ちするような素質(?)がある人だったのかな、という感じがしました。(昨日、冬霞の巴里みてたからそう思ったのかな?)
いやー、ひとこちゃん本っ当に苦悩する役が似合いますね。しかも今回は、苦悩しながら嫉妬したり、苦悩しながら幸せを感じたり、苦悩しながら苦悩したりと、「苦悩のバリエーションが増えてる・・・!」とテレビの前で驚きましたよ。
何がすごいって、この人こないだの「鴛鴦歌合戦」でアホかわいい殿を演じた人と同一人物ってことなんですよね。ホントに振れ幅がすごいです。
いつか、「戦争と平和」のアンドレみたいな、無償の優しさを持った人みたいな役もぜひ見てみたいです。

美咲ちゃんは、この人のこういう役を初めて見ましたが、「うっっまいなーー!!」と思いましたね。
この人のカルメンは、まだ人の心があるカルメンというか、人間らしさが感じられたような気がします。
花總カルメンが「生きたいように生きてるんだ!」って言った時は「でしょうね」という気持ちで見てましたが、星空カルメンが同じセリフを言うと、叫びながら本当は心の中で泣いているように見えました。

この二人を見ていて思ったのは、たぶんホセがカルメンに求めたのは「見返り」なんていう生々しいものじゃなくて、「どんな形でもいいから自分と添い遂げて欲しい」みたいな、ありきたりな願いだったんでしょうね。でもそれがカルメンには1ミリも理解できてなさそうなところが、見ていて切ないなーと思いました。
ただ、ホセはカルメンが自由奔放な、掴みどころのない人間だということが分かっていたはずなので、そのカルメンに対して型にはまった夫婦を求めるのがそもそも無理なんだろうな、とも思います。

・・とまあこんな風に、この二人がうまくいかなかった理由って外から見てると分かり過ぎるくらい分かるんですが、これが当事者になると分からないんだろうなー。

最後に、カチャのメリメ/ガルシアについて。ワタシ、この二役をなぜ同じ人が演じることになってるのかが今だに理解できてないんですが、とにかく演者は大変だろうなということは分かります。そんな役でもさすがの安定感で、やっぱりうまいなーと思いました。特にメリメがすごく良かったと思うんですが、物語との距離感というか、最後のホセとカルメンの幕切れの時に遠慮がちに入ってくる所が絶妙でしたね。

それでは、GRAND MIRAGEの感想です。

いやーー、柚香光のグラミラもいいけど永久輝せあのグラミラもいいよね〜!!!

っていうシンプルな感想で、私なんぞがこれ以上なにか言うのも野暮なんじゃないかという気もするんですが、特に印象的だった場面を書いておきたいと思います。

シボネー、私大好きなんですよね。イヤ、あれ嫌いな人います?みんな大好きでしょ?全人類好きに決まってますでしょ??
私7月に大劇場で見て、その後東京の千秋楽の時に配信で見て、今回は3回目だったのですが、もう何回見てもいいですね。
シボネーを見られただけで今年一年頑張って良かったなと思えた12月です。今年まだ終わってないけど。

ラ・ノスタルジーの場面。あれ?こんなシーンあったっけと思っていたら、ジュテームの場面をこれに変えたんですね。いやー、この曲カチャの歌声に合うなーと思って聴いてたら、両隣ではなこちゃんと大弥君がものすごいイケ散らかして踊ってるじゃないですか。何だったんですか、あの空間。映像が出たら巻き戻して一生見ていたい。それくらいカンブリア記のツボでした。

最後のフィナーレとご挨拶の場面。ひとこちゃんの笑顔がとても自然で元気そうで、ホントに安心しました。初日の映像では少し緊張しているように見えたので、全国ツアーが良い雰囲気で回れてるのかなと思うと嬉しかったですね。

本当に色々なことがあるけれど、元気でパワーにあふれた花組さんを見て幸せな気持ちになりました。柚香光さんのコンサートも、残念ながら観に行けませんが元気に走っていると聞いているので安心しています。来年の本公演で会えるのを楽しみに待ちたいと思います。
それでは、今日はこの辺で〜。次回はたぶん、雪組公演の感想です❄️

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