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外務大臣会見記録 2023年10月15日(日)

11時45分


冒頭発言

【上川外務大臣】
 私から、2点申し上げます。
まず、第一点でありますが、さきほど、パク・チン韓国外交部長官と電話会談を行いました。
イスラエルからの邦人出国に際しまして、韓国政府から支援をいただいたことにつきまして、率直に心からの感謝をお伝えしたものであります。
現地情勢は予断を許しませんが、パク長官との間では、引き続き緊密に意思疎通を行い、事態の早期沈静化及び自国民の出国に関して、お互いに助け合い、協力していこうということで一致したところであります。
 第二に、また、イスラエル・パレスチナ情勢に関する日本政府の外交努力の一環として、今般、中東和平担当特使である上村司政府代表を中東諸国に派遣することと致しました。
日本政府として、引き続き事態の早期沈静化に向けて各国、国際社会と連携しつつ、関係者に働きかけるなど尽力して参ります。
 私からは以上です。


質疑応答

【記者】
まず一点目、邦人保護について伺います。
昨夜チャーター機で8人が出国しましたが、現地には何人の邦人が残っていますか。
その安否はどうなっているか。
また、チャーター機を追加で手配する可能性はありますか。
とりわけ、ガザ地区にいる邦人の安全が懸念されますが、退避を含めどのような対策を講じるのか、大臣のお考えをお聞かせください。

【上川外務大臣】
まず、一点目でありますが、現地に滞在する邦人数と安否確認についてであります。
日本時間の本15日未明、イスラエルに滞在されていた邦人8名が、政府の手配したチャーター便により同国を出国をしドバイに到着いたしました。
イスラエルには、10月14日時点で1,000人強の在留邦人の方が滞在されています。
現地大使館は、在留邦人の方々と連絡をとりあっており、これまでのところ、在留邦人の生命・身体に被害が及んでいるとの情報には接しておりません。
 現下のイスラエル・パレスチナ情勢は非常に流動的であり、情勢は刻一刻と変わっているところ、出国を希望する方については商用便が運航されている間に早期に出国いただくよう改めて呼びかけたいと考えております。
 2点目、チャーター機の追加手配についてのご質問でありますが、チャーター機の追加手配の可能性につきましては、今後の状況の推移を見極めながら、適切に対応してまいります。
また、政府としては邦人等の輸送をする必要が生じた場合に迅速に対応できるよう、自衛隊機を近隣国に派遣して待機させることとした次第であります。
 3点目でありますが、ガザ地区の邦人の安全確保についてご質問がございました。
ガザ地区には、個別の事情により少数の邦人が滞在している。
これらの邦人とは緊密に連絡を取り合っており、引き続きその安全確保に全力を挙げて対応してまいる所存です。

【記者】
現地の情勢について、イスラエル軍が通告した退避期限を過ぎ、地上侵攻が始まるという見方が強まっています。
現地の状況をどのように受け止めているか。
日本政府としてできることは何か大臣のお考えをお聞かせください。

【上川外務大臣】
ガザ地区及び周辺では、既に多くの死傷者が発生し、緊張度は刻一刻と増しており、情勢は全く予断を許さない状況にあります。
日本政府といたしましては、深刻な懸念をもって注視しています。
 これまでも述べてきたとおりでありますが、事態が早期に沈静化するための外交努力が求められておりまして、私自身、イスラエルコーヘン外相と電話会談を実施したほか、ヨルダン、UAE、エジプト、カタールとの間でも電話会談を行ってまいりました。
13日にはパレスチナマーリキー外務・移民庁長官と電話会談を行い、事態の早期沈静化、そして人道アクセスの改善の必要性について一致したところであります。
 先ほど述べた上村政府代表の派遣もこうした取組の一貫でございます。
引き続き、在留邦人の安全に万全を期すとともに、今後も国際社会と連携しつつ、事態の早期沈静化に向けた外交努力を続けてまいりたいと考えております。

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