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外務大臣会見記録 2023年10月17日(火)2

22時29分


冒頭発言

【上川外務大臣】
 私から3点申し上げます。
第一に、さきほど、イスラエル・パレスチナ情勢を踏まえ、G7外相電話会合を開催いたしました。
冒頭、私から、事態が刻一刻と変わり、緊張度を増す中で、深刻な懸念を持って状況を注視している、G7メンバーの精力的な外交努力に感謝する、自分もイスラエルのほか、アラブ諸国とも電話会談を重ね、またアブドラヒアン・イラン外相に対しても事態の早期沈静化を働きかけた旨紹介をいたしました。
これに対し、ブリンケン国務長官をはじめ、他のG7メンバーからそれぞれの取組の共有がありました。

 また、私から、人道状況の悪化を最小限に食い止めることが重要であり、ガザ地区における人道アクセスを極めて重視している述べた上で、今般、日本がガザ地区の一般市民に対する支援として、総額1,000万ドル規模の緊急人道支援を実施する考えである旨説明をいたしました。
さらに、自国民退避につきましてもG7間で連携したい旨述べました。

 その上で、今般のテロ攻撃に対する断固とした非難を確認するとともに、ガザ地区の人道状況の改善が必要であること、G7間で引き続き連携すること、で一致しました。

 第二に、本日午後5時過ぎからアブドラヒアン・イラン外相と電話会談を行いました。
私からは、今般のハマス等のパレスチナ武装勢力によるテロ攻撃を断固として非難をする旨述べた上で、特に人質となっている人々が一刻も早く解放されること及び事態を沈静化することが重要である旨強調をしました。
さらに、ハマス等に対してイランからも働きかけ、事態の沈静化に向けた役割を果たすよう求めました。

 その上で、ガザ地区での人道アクセス改善に向けて協力していくこと、国際社会が一致して人道支援を行っていくことの重要性については一致し、引き続き緊密な意思疎通を継続していくことを確認いたしました。

 第三に、本日午後7時からコロンナ・仏外相と電話会談を行いました。
冒頭、私から、ハマス等のパレスチナ武装勢力によるテロ攻撃、また、先週フランス国内で発生したテロ行為の犠牲になった方々に心からの哀悼の意を表しました。

 その上で、私から、テロ攻撃を断固として非難するとともに、深刻な懸念を持って状況を注視しており、事態の沈静化に向けて様々な関係者と意思疎通してきていること、及び総額1,000万ドル規模の緊急人道支援を実施すること等について説明をいたしました。
コロンナ外相からも、フランスの外交努力について説明がありました。
 さらに、私から、人質の早期解放・市民の安全確保・国際法の遵守に基づく問題の早期解決という日本が重視する3つの原則について説明し、コロンナ大臣から完全な支持を得ました。
その上で、イスラエル・パレスチナ情勢を含む国際社会の諸課題について、両国間及びG7の外相間で、引き続き連携していくことで一致をいたしました。

 私からは以上です。


質疑応答

【記者】
大臣はG7や関係国との電話会談をおこなってきていますけども、イスラエル・パレスチナ情勢を早期に沈静化させるために、総理や大臣の現地訪問を含め、今後どのような外交努力を行っていく考えか教えて下さい。

【上川外務大臣】
先ほども述べたとおりでありますが、本日午後5時過ぎから約20分間、アブドラヒアン・イラン外相と電話会談を行いました。
電話会談では、パレスチナ・イスラエルをめぐる情勢につきまして、率直な意見交換を行いました。
私からは、第一にパレスチナ・ガザ情勢を深刻な懸念を持って注視しているということ、第二に今般のハマス等のパレスチナ武装勢力によるテロ攻撃について、特に罪のない一般市民に対する攻撃や誘拐は、どのような理由であれ正当化し得ず、日本としてこれを断固として非難すること、また三点目として、極めて多くの罪のない一般市民が犠牲となっていることに大変心を痛めており、人質となっている人々が一刻も早く解放されること及び事態を沈静化することが重要である旨、強調をいたしました。

 また、ガザ地区での人道アクセス改善に向けて協力をしていくこと、及び国際社会が一致して人道支援を行っていくことの重要性につきましても一致したところでございます。
さらに、私から、ハマス等に対しまして、イランからも働きかけをし、事態の沈静化に向けた役割を果たすよう求めたところでございます。
その上で、引き続き緊密な意思疎通を継続していくことで一致をいたしました。

 これまで我が国は、イスラエル・パレスチナ情勢につきまして、本年はG7の議長国であります、G7各国と緊密に連携をしつつ、事態の早期沈静化や、また、ガザ地区の人道状況、これの改善等に向けまして、外交努力を積極的に行ってきているところであります。
このような外交努力の一環として、本日、岸田総理エルシーシ・エジプト大統領、及びフォン・デア・ライエン欧州委員会委員長との間で、それぞれ電話会談を行っております。
私も、先ほど申し上げましたG7外相電話会合を含めまして、イスラエル・パレスチナ双方やアラブ諸国、欧州各国やイランといった国々との電話会談を実施してきております。

 我が国といたしましては、こうした外交努力を通じまして、在留邦人の安全確保に万全を期しながら、事態の沈静化、そしてガザにおきましての人道状況の改善に向けまして、引き続き積極的に取り組んでいく考えであります。

 今、御指摘がございました私の訪問につきましては、現時点で何も決まったことはございません。
引き続き各国・国際社会と連携をし、様々な関係者に対しまして働きかけるといった意思疎通をしっかりと重ねてまいりたいと考えております。
在留邦人の安全確保、これが何といっても万全を期すこと、そして事態の早期沈静化に向けました外交努力を粘り強く進めてまいりたいと考えております。

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