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外務大臣会見記録 2023年10月21日(土)

13時58分

冒頭発言

【上川外務大臣】
 現在、カイロ平和サミットの午前のセッションが進行しているところです。
刻一刻と緊張度が増すイスラエル・パレスチナ情勢を巡り、各国首脳、閣僚、国際機関の長等との間で大変有意義な議論がで行われています。
会合には、東アジア地域からは日本のみ閣僚レベルが出席をしていると承知しておりまして、その意味でもしっかりと日本のプレゼンスが示せているのではと思います。

 今般の事態につきましては、我が国は、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、第1に人質の即時解放・一般市民の安全確保、第2に全ての当事者が国際法を踏まえて行動すること、そして、第3に事態の早期沈静化が極めて重要であるとの立場を一貫してとってまいりました。
この後のセッションにおきましても、私からこうした日本の立場を明確にお伝えするとともに、日本の外交上の取組についても紹介する予定であります。
また、目下の優先課題でありますガザ地区の人道状況への対応につきまして、第1にガザ地区の人々に1日も早く必要な支援を届けること、第2に同地区に留めおかれている外国人の退避を実現すること、この重要性を訴え、既に発表した総額1000万ドル規模の緊急人道支援を紹介しつつ、今後も現地のニーズに沿った支援をスピード感をもって検討していることも表明したいと考えております。

 先程、今般の事案発生以降初めてガザ地区に支援物資を載せたトラックが入ったとの報に接しております。
現地の人道状況の改善に向けた前向きな動きの第1歩としてこれを歓迎しています。
さらに会議におきましては中長期的な観点から今般の治安が中東和平の道を閉ざすことになってはならず、二国家間解決を指示する日本の立場は今後も変わらないことを強調したいと思います。
各参加者の皆様との議論を行う中で、このイスラエル・パレスチナ情勢が各国、そして国際社会にとり、いかに重要かつ喫緊の課題となっているか改めて実感をいたしました。
今般の会合で得られた知見を今後の外交上の取り組みにしっかりと活かしてまいりたいと考えております。
また、これから始まる午後のセッションにおきましても、充実した議論に貢献できるようしっかりと臨みたいと思います。

質疑応答

【記者】
ガザ地区に支援物資を乗せたトラックが入ったと報道されています、まずこの受け止めを伺います。
また、今回のエジプト訪問の意義と日本が果たすべき役割について、大臣はどうお考えでしょうか。
ガザ地区にいる邦人退避にどのように取り組むお考えか伺います。

【上川外務大臣】
第1点目ガザ地区への支援物資の搬入についてということでありますが、先ほど、今般の事案発生以後初めて、ガザ地区に支援物資を載せたトラックが入ったとの報に接しました。
現地の人道状況の改善に向けた前向きな動きの一歩として、これを歓迎をし、関係者の皆様の努力に深く敬意を表したいと考えております。

 2点目でありますが、今回のサミット出席の意義、日本の役割というご質問でございました。

イスラエル・パレスチナ情勢が刻一刻と緊張度を増している中であります、特に現在の局面で重要な役割を果たすエジプトの呼びかけによりまして、幅広い国々や国際機関が集まり、議論が行われているところであります。
午前のセッションは進行中でありますが、各国・国際機関から、一般市民の安全確保、そしてガザ地区の人道状況を一刻も早く改善する必要性、事態の拡散を防ぐべく、早期の沈静化が必要といった強い問題意識が示されております。
また、「ニ国家解決」に基づくパレスチナ問題の政治的解決の模索の必要についても相次いで指摘がなされています。
さらに、午後にもセッションが継続し、午前午後と場が動いている状況にありますので、私からも、各国・国際機関に対して日本の立場、また取組についてしっかりと発信していく予定でございます。

 このように、本日の会合でありますが、多くの国・国際機関の間で一般市民の安全確保や、また事態の早期沈静化に向けた議論を行うという意味で、大変重要な機会となっております。

 これまでも中東の平和と安定に向けまして、日本は様々な形で支援して参りました。
引き続き積極的に貢献していくべく、外交努力を重ねて参りたいと考えております。

 3点目のガザ地区における邦人保護の質問でありますが、ガザ地区につきましては少数の邦人が滞在をしております。
緊密に連絡を取り合っている状況であります。
政府としては、これらの邦人を同地区から退避させるため、関係国や機関に精力的に働きかけを行っているところであります、今、全力で取り組んでおります。

【記者】
午前のサミットで各国・各機関がどのような主張をしていたか、覚えていらっしゃる範囲で教えてください。
また、午後の会議ですが、この後セッションがあるとのことですが、バイ会談の見通しやセッションの運び方など分かる範囲で教えてください。

【上川外務大臣】
これまでの各国・各機関の主張についてでありますが、多くの参加国・機関から、一般市民の安全を確保すること、ガザ地区の人道状況を一刻も早く改善する必要があること、事態の拡散を防ぐべき、早期の沈静化が必要といった強い問題意識が示されています。
また、「二国家解決」に基づくパレスチナ問題の政治的解決の模索の必要性についても相次いで指摘がされているところであります。
午後は、午前中まだ進行中でありますが、現地の情勢の見立てや各国・機関の取組等について、より突っ込んだ議論がなされるものと考えております。
私からも、各国・国際機関に対して日本の立場や取組についてしっかりと発信してまいりたいと考えております。

 また、既にカナダジョリー外相と個別に意見交換を行う予定でありまして、この後もカタールノルウェーなど外相や国際機関の出席者とも個別にお会いする方向で調整をしているところであります。
出来るだけこの機会を十分に活用させていただきまして、引き続き可能な限り多くの参加国との間で意見交換を行いたい。

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