松岡圭祐著『ウクライナにいたら戦争が始まった』を読み終えて思ったこと

今回の本はESにも書こうと思っていますが、その前に長文で一度、読んで自分が考えたこと、そしてそこから取捨選択するためのある意味参考にするためnoteに記録を残していきたいと思います。
(読んでない人のために、また著作権の問題があるためなるべくネタバレにならないように書いていきます。何か問題などがあればコメントなどで教えていただけますと助かります。よろしくお願いします。)

本作は、2011年3月当時福島県にて東北大震災を経験した現在女子高校生の瀬里琉唯を中心に展開されていきます。その瀬里さんが飛行機の中で、単身赴任していた父と他には母・妹と約3か月住むためにイスタンブールにある空港を経由してウクライナを訪れることから始まります。

個人的に本作品で一番印象に残っているのは、「外国はね、漫画やアニメじゃないの」という言葉ですね。この言葉は序盤に登場することも相まって後々のキーワードにもなっていると個人的には思っています。と言うかおそらくキーワードです。
最後のページには琉唯が似たような言葉をある人物に呟いています。
現在刊行されている世界の問題などについて取り扱ったマンガだと例えば講談社から「紛争でしたら八田まで」や「C.M.B.森羅博物館の事件目録」などがありますね。因みにどちらもマガジンポケットと言うアプリで全話読めますので興味がありましたら是非。←何の宣伝だよ
確かに漫画やアニメに登場する外国やそれらしき場所の多くは、どこも発展していて人の往来が激しく、常に流行や最新のものを抑えているという描かれ方をしていると思います。
しかし日本であってもそうであるように、また海外の人が現代でも忍者が存在すると考えているように、田舎のような発展していない箇所もあれば自分の目で見たことが無いために、誤解を持っている場所も多数存在します。そういう意味ではこの言葉は、自分の目をある意味醒まさせてくれた言葉であり作品でもあります。

中盤では瀬里琉唯とその妹が学校に通うシーンなどが展開されていき、後半あたりから徐々に戦争の影が迫ってきている描写が展開されていきます。
そしてある日、妹がとある理由で誰もいない外で自撮りをしていると…と言う展開になっています。
帯にもあるように本作品は「日本の高校生・琉唯の壮絶な体験を描く「実録的」小説」とあります。実録的小説とは「近世に起こった様々な実在の事件・人物を、ほぼ実名で、事実を伝えることを標榜しつつ、小説的に綴ったもの」だそうです。
そのため名前こそ本名である可能性は高くないものの、それ以外の経験・体験談はおそらくほぼ彼女や妹、そして両親が体験したことをもとに作成されているのでしょう。
ネタバレにならないよう配慮する必要があるので詳しくは書けませんが、もし本当に書かれているような体験をしたのだとしたら、運が良かったのか悪かったのか…としか書けないですね…。
また、戦争が始まった時の政府や日本大使館などの対応、そしてとある人物からの言葉なども載っており、何とも言えないやるせなさと言うか息苦しさを覚えずにはいられませんでした。

といった感じで『ウクライナにいたら戦争が始まった』を読み終えた感想を書いてみました。海外に対する幻想を打ち砕かれたというよりも、これが現実であることを直視しなければならないと思いました(感想が小学生)。
戦争自体はロシア兵が民間人に攻撃をしていた証拠が続々と見つかっているようですが、それが本当にロシア兵によるものなのか。あるいはウクライナ人同士でやり合っていないのか等、情報における取捨選択を行いながら何が正しいかをしっかり見極める必要があるのだろうと。
またべタな感想で申し訳ないですが、死に直面した際は生への執着云々よりも何かを護りたい(守りたい)と言う思いを持っている人が、案外生き残れる可能性が高いのかもしれないですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
最後に、戦争が1日でも、1分でも、1秒でも早く終わり死ぬ必要がない人が死なない世の中が一刻も早く訪れることを切に願いながら締めとします。

引用
https://wwp.shizuoka.ac.jp/konitas/2018/02/08/%E5%B0%8F%E4%BA%8C%E7%94%B0%E8%AB%96%E6%96%87%E3%80%80%E3%80%8C%E5%AE%9F%E9%8C%B2%E4%BD%93%E5%B0%8F%E8%AA%AC%E3%80%8D/#:~:text=%E5%AE%9F%E9%8C%B2%E4%BD%93%E5%B0%8F%E8%AA%AC%EF%BC%88%E5%AE%9F%E9%8C%B2%EF%BC%89%E3%81%AF,%E7%9B%9B%E3%82%8A%E8%BE%BC%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%80%81%E6%88%90%E9%95%B7%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82


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