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おふろ

我が家では、息子をお風呂に入れるのが私の責務になっている。
そうなるのには理由がある。
妻が目は非常に悪く、メガネを外すと目が3になる、曰いる『藤子不二雄体質』な上、コンタクトとも相性が悪い。
当然の事ながら浴室内でメガネをかけるとどう言う惨劇を引き起こすかは、全世界のメガネ愛好家なら想像に難く無いだろう。

我が子では、子供が産まれる前は、毎晩9時にお風呂に入っていた。
仕事を終えて帰宅し、そのまま飯を食い、なんだかんだ家事をして、最後の締めとしてお風呂に入る。
後は酒を飲んで寝るだけだ。

しかし、我が家に新たな地球産知的生命体が現れてからはどうだろうか?

同じルーティンをこなしていても、たった1人をお風呂に入れるだけで、毎晩全ての家事が終わるのは深夜12時頃になった。
ほんの少しの変化の筈なのに、いつもより寝る時間が明らかに遅くなり、その結果、就寝時間が遅くなり、夜中も授乳を強請る息子の鳴き声の影響により、夫婦共に激しい寝不足に陥ってしまった。

ある日、ひょんな事がきっかけで夕方6時に入浴することになった。
すると不思議な事に、全ての家事が10時には終わった。
就寝時間も早くなり、翌日は非常に体が楽になった。
味を締めた私は、翌日も、その翌日も夕方6時にお風呂に入った。
お風呂に入る時間を早めて、新たなルーティンを構築したのだ。
すると、就寝時間が早まり、寝不足は少しマシになった。
だがそれと同時に寝酒の量も増えたのだが、そこは気にするな。
とにかく、我が家に新たな生活のリズムが動き出したのだ。

子供が産まれるということは、単に1人家族が増えるだけでは無い。
家族が新しく生まれ変わる事なのだと理解した。

多くの人々は、子供が出来たとしても、今ある家のルールを覆す事などあり得ないと思うかもしれないが、そうでは無い。

家族ごと生まれ変わるのだ。

そうなれば、その家のルールも生まれ変わるのは必然なのではなかろうか?

世間様的にはほんの小さな変化かもしれない。
ただただお風呂に入る時間を変えただけなのだから。
だが、その小さな変化で家族全員が健康で快適に過ごせるようになった。
余裕が無かった生活とは違い、子供と大いに遊び、多くの笑顔を見る事が出来る様になった。

家族とは単なる同居人ではない。
家族が増えれば、環境が変わる。
環境が変われば、そこに合ったルールを新たに書き直せばいい。
そして、その新たに設けられたルールに対応できなかった者はどうなるか。

世の中には、『適者生存』と言う自然界のルールが存在する。
この言葉をしれば、自分ルールを押し付けようとする奴らの結末は想像に難く無い筈だ。

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