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ぶらんここわい

先日、2歳になる姪っ子と公園に行った時のはなしだ。
姪っ子をブランコに乗せてあげた所、『こわい〜』と泣き出したのだ。
普段からヤンチャで活発。永久機関の様に走り回り、あらゆる危険に自ら飛び込む勇猛果敢な姪っ子にしては珍しい反応だと思い、その時はすぐに下ろしてあげたが気には留めておいた。

その晩の食事中、姪っ子は、お椅子にはちゃんと座ってはいるのだが、なんだかフラフラ〜ゆらゆら〜と、落ち着き無くのんびり食事をしていた。
普段から姪っ子はそうらしく、そのため家では妹によく叱られているらしい。

しかしながら、これらの原因は、単に姪っ子が臆病だったり、落ち着きがないことが原因なのだろうか?
と、ふと疑問に思い、ネットの海を尼さんと一緒に潜る事にした。
すると、興味深い情報を見つけた。

『前庭感覚』と言う言葉を皆さんはご存知だろうか?
前庭感覚とは、前庭機能とも呼ばれ、身体の身体のバランスを保ち、身体機能の根幹を担う感覚、機能である。

「それって平衡感覚とちゃうんか?ワレ。」
と言う声も河内のオッさんから聞こえて来たが、平衡感覚とは、『意識下でバランスを取る感覚、機能』の事である。
それに対して『前庭感覚』とは『無意識下でバランスを保つ感覚、機能』の事を刺す。
つまり、前庭感覚とは人間のバランス感覚や空間認識能力を無意識下て調整するための感覚の事を表す。
つまり、視覚から入る情報を処理する事で、ある程度の平行感覚や速度、現在地点の高さなどを予測し、それに伴う危険予測や、ありとあらゆる体感的予測を立てる上での最も必要や情報を教えてくれる器官とも言える。

その器官が未発達の場合、ブランコはどう見えるだろうか?

つまり、自ら移動してるスピードを認知出来ず、自ら揺れている場所の高さすら認知できず、ただひたすら揺らされている訳だ。

コレほどの恐怖は無い事だろう。
この時期の、子供のブランコとは、『標高1000メートル命綱無し落ちたら絶命ブランコ』と変わり無いのだ。

発達段階の子供にとって、椅子でフラフラやブランコが怖いなどは当たり前だと言う事がお解り頂けただろうか?
まだ自分の身体の動きや位置を正確に把握できない子供達にとって、不安定な感覚を抱えているのは当然の事だろう。
この段階の子供に対して、叱ったり蔑むのは、余りにも無知で罪な行為では無かろうか?

大人達は、我が子が自分たちが思うように成長してくれると思っている節がある。
しかし、成長にはその子のペースと言う物があり、それに沿わないと、親である自分たちに責任があるように感じるかもしれない。
しかし、子供の発達段階に応じて、彼らに合ったサポートしてあげることの方が、よほど重要だろう。
それによって子供達は自尊心を守りながら成長を促す事はできる。


今回は2歳半になる姪っ子の事に触れたが、ブランコを怖がる事や、椅子に座って落ち着いて食事が出来ない事に対し、親はどうしても叱りたくなってしまう。
その気持ちは充分わかる。
当然の事ながら、私自身もそう言う環境で育ったのだから。
しかし、親や周りの人たちが子供の発達段階を理解し、彼女達の成長に合わせて彼女達を見守ることで、少なくとも自尊心を守りながら成長するの手助けすることができる
そのためにも、親となる者達は、己の子供たちの発達段階についてよく知る必要がある。

『無知は罪』

「知りませんでした」と言う言い訳が通用しない『子育て』と言う戦場だからこそ、知識と言う武器をしっかり身に付けて備える。
大人なのだから、コレくらいの労力を割く事くらい、彼女達の『この世界を知る』と言う苦労に比べたら、親指一つで済む時代なのだから。

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