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調剤薬局薬剤師の気の抜けたサイダーの危険

たまに気の抜けたサイダーになるときがある。
睡眠不足な時が多い気もするが要因は様々である。
何か考え事があったり、悩みがあったり、単に疲労だったり。

そしてそれがとても危険であると再認識したので、自分への戒めとして記録しておく。

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「こういう場合、疑義紹介してますか?」

ヘルプ先の薬局長に質問を投げかける。

しばし悩んだ様子の薬局長が
「いや、いいかな。使い方として、無しではない」
という判断のもと、それに安易に従った。そう、安易だった。

『上がいいというなら、良いだろう』

という安易で自分で何も考えてないこの判断。
わかりやすい展開でおもしろみに欠けるが、この後私は後悔することとなる。

薬局長が投薬後、患者が帰ってから再度悩み、
「やっぱり疑義するわ。」
と処方医に電話。
そして処方が変わった。ちなみに一包化。

患者が帰っているので連絡をとり、薬を作り直して差し替えをし、この件は終了したのである。
連絡がついて本当によかった。
健康被害がなくて本当によかった。

――という事例を経験しました。

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さて、この件において私はかなり反省しかない。

『最終的な判断を他人に預けてはいけない』

いつも心がけているつもりだったけど、この日の私全然だめだった。
睡眠不足でヘルプ先でちょっと気を抜いてた自覚はある。
最近気の抜けたサイダーのように気力もなかった自覚もある。

が、

最初から怪しいと思ったことは自らの判断で疑義紹介すべきだったのだ。
最終的な押印を押すのは自分なのだ。

最終的には自分の責任のもと押さねばならないのだ。
それを他人に預けてしまった所、本当ダメだった。

他人の健康を左右する可能性もあるし、最悪命に係わるケースもある。
業務上でもかなりの無駄な時間が発生した。
何一つ、いいことなんぞなかった。

正直なところ「ちょっと面倒だな」と、心のどっかで思ってたと思う。
なにせ忙しい。待たせてる人たくさんいる。
説明も面倒だし、普段いる薬局でもないからよくわからないし。

このちょっと面倒に感じる感情が本当に悪魔の囁きをするのである。
「いいんじゃない?」って頭の片隅でひっかかりを見ないようにする。
この時点でこの日の私はダメダメ子だった。

頭の中でちょっと引っかかったその時に、
手間だけど、他の患者も待たせることになるけど、疑義紹介すべきだったのだ。これも結果論だけど。

その薬局長にもいろいろモノ申したい気もするけれど、世の中色々なタイプの薬剤師がいるのは知っているし、自分にプラスになることだけすくい上げて。
――とにもかくにも、もっと気を引き締めていこうと思ったのでした。

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気を抜くと忘れがちになる基本的な大事なこと。
判断をおろそかにしないこと。
体調管理も仕事のうちであること。

忘れないようにここに記しておく。

そして現場で割と見かける
『上がいいというなら、良いだろう』現象。

後で痛い目みることあるから、気を付けて。
上に従わないことでのデメリットもあるし、
経験が乏しいと、上の意見が絶対のように思えるかもしれないけど。

そもそもこの業界『正解』が難しかったりもするよね。
「結果として」良かった、悪かった、は言えるけれど。

最終的に痛い目みるの自分と患者だったりするから。

『あの人が良いと言った。だから良い。私は悪くない』

そんな薬剤師にならないように、
考えるのをさぼらず、
面倒くさいという感情を排除し、
明日からも働いていきたい。

――なお、この一連の文章、自分への戒めである。

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