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調剤薬局の薬剤師って、結構色んなスキルいるよね。

新人の時に思い描いてた薬剤師像を思い返す。

大学で倫理観を教えられ、薬物治療のディスカッションして、いかに良い治療をするか、医療従事者として、薬の専門家として、私は!こうなりたい!みたいなピッチピチのフレッシュな気持ちで大学を卒業し、いざ調剤薬局に就職。

当時薬局実習は2週間しかやらない時代。
あまり深いこと考えてなかった。

ちなみになぜ調剤薬局にしたかというと、不器用すぎて混注向いてないなぁって思ったからです。
最近在宅で混注していく時代になって焦ってる。

苦手なことから逃げた代償が追いかけてくる。違うんだ、逃げたんじゃない、適材適所でいようと思ったんだ。

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薬局は製造業でもあり小売業でもある。
もらえる金額は国によって決められていて、こちらでどうこうもできない。
改めて考えたらちょっと特殊である。

まず製造過程。

入力内容が間違いないか、点数に変なところはないか。
患者の先発・後発希望やら考慮しつつ確認。
患者の先発・後発希望やら考慮しつつ確認。

そして処方箋内容を確認してとにかく正しく作るが大前提。

間違いは許されない。

規格間違いないか、重複ないか、用量おかしくないか、頭の中フル回転させる。
散剤や軟膏等、異物が入らないように注意しつつ作る。
一包化なら刻印や錠数のチェック。年々刻印見るのしんどくなる。

ただの袋詰めと言われる、薬袋のいれるだけでさえ、入れ間違うことで服用間違いのリスクがあるため別に気楽でもない。
記載が間違ってないか注意しつつ詰めていく。

全体的に神経使うし、とにかく確認確認とにかく正しく。
たまに処方箋自体が間違ってるし、間違いが多い病院なら更に神経使う。
併用薬や病歴・既往歴も確認して、場合によっては検査値も確認する。

病院でも待ってたのに薬局でも待たされるの!?という患者さんの気持ちを汲み、競争社会の薬局界隈では待ち時間はとにかく短く!少しでも早く!という風習。

だから細かい製造過程もゆっくりやってられない。
とにかく頭を回転させつつ素早く動く。

投薬という名の接客。

患者さんに薬を渡す。
基本病気で薬もらいに来ている人に、不快感を与えないよう、相手の様子を伺いながらクレームにならないように気を付けながら話す。

コミュニケーション能力がうんたらとか研修でよく言われる。
ここでも間違いや重複ないよう確認しながら話す。

場合によってはかかりつけ薬剤師、どうですか?の営業。
営業というと、違うんじゃない?って思う人もいるかもしれませんが、私にとっては営業。

患者さんのためになっているケースもあるし、がんばっている薬剤師を評価する面もあるとは思うけど。
でも私にとっては営業。

営業だけども一人にじっくり時間かけていると次が詰まるから、ここも素早く迅速に。

お会計。

金額間違いないように。患者さんを間違えないように確認しながおら会計。
※たまに名前呼んで別の人が来たりもするもんね。何せ高齢者多いからな。

会計があるから売掛や未収金管理もある。
今回お金払えなくてっていう人もいるのである。

みんな病気で、好きで薬もらっているわけじゃないけど、薬代、結構かかったりするわけで。でも薬ないと体が…!ってなるわけで。

たまに連絡つかなくなる人もいるから、こっちも慎重になる。
未収金の回収って大変なんだ。(しみじみ)

薬歴記載。

いかに効率よく書いていくかが勝負。
雑すぎると個別指導がどうのとか言われるけど。
1日何十人と話して丁寧さとかだせない私。

在庫管理。

普通の小売業と違うのは、
次回分を必ず用意しなければいけない所。
今日はこれありません~!品切れです!ってできない所。

たまにでるような薬も、あらかじめ切らさないように在庫しておく。
そしてデッドストックになったりする。期限管理も必要となる。

前は定期的に払い出しあったけど、あの患者さん最近きてないね~?と思ったら期限切迫になってたりもする。油断大敵。
期限長いのはいいのよ。入荷時点で1年きってる薬たちがヒヤヒヤする。

出荷調整で入ってこない薬は他のメーカーやら先発やら総当たり戦。
この出荷調整が本当にここ数年ひどくて、本当に本当に疲弊するのね。

私たちも、薬渡したいと思ってる。飲まなくていいなんて思ってない。
でも納期未定なの。納期未定としか返事もらえないの。
納期未定、辛い。

患者さんから「なんでないんだ!!」っていう罵倒も辛い。(たまにある)
先発じゃないとダメなんだ!と言われたところで、ないものはない。
納期未定、辛い。(二回言う)

その他

高齢化社会に向けて増えていくだろう在宅に取り組み、
対人業務を重視されるようになって、服薬フォローに取り組み、
情報提供書を作成したり残薬あると言われたら調整もする。

日々変化する情報にアンテナを張り、新しい薬も発売されるたびに勉強。
二年ごとに変わる調剤報酬改定を毎回追いかける。
認定薬剤師だのなんだの資格もとる。

市販薬も説明して販売して、抗原検査キットも在庫管理して販売して。
健康サポート薬局絡むと講演会やら健康教室開催したりもする。
オンライン指導やらアプリやらも加わってきている。

総括して、

なんか思ってたより、色んなスキル、いるんだな?っていう。
年々求められるスキルが増えてきて、10年後の私、大丈夫?って今から心配になる。

その昔思い描いてた薬剤師って、こんな感じではなかった。

これは昔思い描いてた薬剤師像から何かを諦めた、という嘆きの文章ではなく、なんか思ったより色んなスキルを求められて、薬剤師、がんばってるよな。っていう自己と同士を褒めて伸ばしていきたいスタンスの文章です。

とりあえず今ならその辺のバイトとかも気おくれせずにできそうな気がする。
その辺のバイトなら薬剤師の方がコスパいいからやらんけど。

でももっと本気で薬局業界全体がDXしてくれって思ってる。

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