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7.父親の育児参加について思うこと

最近父親の育休取得が推進され、父親の育児参加について考えること機会が増えてます。

そしてまた残念なことに、『取るだけ育休』なんて言葉もよく聞くようになりました。

ネットの育児マンガでも、「言ってくれたら手伝うよ」スタンスの夫に苛立つ妻、なんて展開をよく見ます。

ということで、今回は父親の育児参加について私見です。

【家事・育児を手伝う】と【家事・育児をする】の違い

最近、小学一年生の娘はお手伝いブームです。
ヒマがあるとすぐに、手伝いたい、やりたい、と私の後ろを付いてきます。ありがたいこともあれば、正直忙しいから結構です、のときもある。
まあでも、本人がやってくれるというのならやってもらいます。

お皿を洗って……ああ、水が出しっぱなしだから止めたい……ああ、すでに洗い終わったお皿に泡が飛んでる……ああ、包丁は危ないから取り上げて……等々。
終わった!と達成感に溢れた娘を大袈裟に褒め、気を良くしてテレビに戻る娘に気付かれないよう、ヌメリの確認や、泡が飛んだ他のお皿の水洗い、全部終わった後のシンクの片付け。

正直自分でやった方が楽だし時間も掛からないけど、娘にお手伝いをさせるというのも育児の一環。年齢に応じて修正すべきところは追々伝えていけばよい。

……さて。
この『娘』を『夫』に当てはめてみましょう。

……使えねぇ……(_ _|||)
欲しいのは共に戦う同士であって、後のフォローが必要な大きい子どもではないのです。
『お手伝い』は、子どもや未成熟の相手だからこそ、通用するのです。

「手伝うよ」は、主導権を完全に相手に委ねている

赤ちゃんが泣いたという場面を想定します。

パターン1
夫「泣いてるよ」妻「オムツかなー」夫「替えたよ……泣きやまない」妻「ミルクはさっきあげたから、抱っこかも」夫「……ねえ、泣きやまないよ、変わってよ」
これを皿洗い中に言われたらイラッとするかも。皿洗いを変わってくれたらまあいいけど。
それでも、妻の提案に対してオムツ交換をして抱っこして、と努力してるだけマシです。

パターン2
夫「泣いてるよ」言うだけ。妻「今お皿洗ってるんだから、オムツ替えるとかしてくれない?」夫「え、今動画がいいとこなんだけど」
これ最悪パターン。
動画止めろよ💢

パターン3
夫「あー泣いてるねぇ……オムツ替えるね〜……あれー?違う?抱っこかな?ミルクさっき飲んでたよねえ、どうしたのかな〜?」
一通りやってみて、妻に相談「何しても泣きやまないけど、何だろう?」妻「何だろう。替わろうか?」夫「んー、ちょっとその辺散歩してみる」
ここまでしてくれると、一緒に育児を共有できてる、一緒に悩みながら育児出来てる、と言えます。

パターン1はお手伝いレベルですね。何をしたらいいか判断は妻に丸投げ。自分でどうしたらいいかを考えられていません。
パターン2は論外。モラハラレベル。なぜ父親になったのか?
パターン3みたいに、夫自身で判断してやってみて、それでもだめなんだけどどうしよう?と妻と一緒に考えてくれたら育児をやってると胸を張れます(上から目線な発言、ごめんなさい)。

「手伝うよ」に追い詰められる妻

妻の性格上、主導権を握らないと不安だったり、夫の仕事が激務過ぎて手伝いすら無理なところもあるでしょうから、お手伝いが悪とは言いません。それで上手く回る家庭もあります。

ただ、たまに聞く言葉なんですが、「母親の方が子どものこと分かってるし、母親なんだから適任でしょ」みたいな、役割分担出来てると夫側が一方的に思い込んでる発言。
母親なんだから、という一言に追い詰められている妻は、夫が思っている以上に多いのです。

出産は全治二ヶ月の怪我と同じ、とよく言います。
通常、交通事故の翌日から赤ちゃんのお世話なんてやらせないでしょう。
でも分娩では(帝王切開でも)翌日、ないし2日目から容赦なく赤ちゃんのお世話が始まるのです。
出産までの陣痛で疲労困憊、出産後はあちこち痛いし後陣痛なんてめんどくさいのもある、収まってきたらパイが張って、身体に鞭打って直接授乳。足りなければミルクを足し、時には搾乳をし。終わったら哺乳びんを洗って片付けて。
3時間授乳って、間に3時間寝れるという意味ではないのです。実質の睡眠時間は2時間弱。
細切れでも寝れればマシ。夜泣きがあればその2時間弱すら眠れない夜。

そうやって、妻は否応なしに【母親】にされるのです。

「言ってくれたら手伝うよ」ごめん、その言うのすら面倒なの。何をやればいいか考えて動いてくれ。後始末が必要な手伝いレベルなら、手間が増えてイライラも増えるから結構です。
育児中の妻に余裕なんてありません。

確かにアドバンテージは妻にある

オムツ交換も授乳も沐浴も、寝かし方も何もかも、妻は産院で指導を受けます。
たった5~7日程度で。
分からないことばかりだけど、分からないなりにとりあえず日々をこなし、退院許可も出たし家に帰る。
そこには育児素人の夫がいます。
夫は妻にあれこれレクチャーを受けて育児を始めます。が、妻のアドバンテージは所詮数日。しかも付け焼き刃。妻だって分からないことばかりなんです。
だから夫よ、数日レクチャーを受けたら、夫も戦力になってくれ。

いつまで新入社員気取りなのか、いつまでお手伝いレベルで満足しているのか。
いつまでも夫が戦力にならない要員だと、妻は全てを抱えて誰にも相談出来ず、悩みの共有も出来ず、いつまでも孤独で育児をしないといけないのです。

結局大切なのは日々のコミュニケーション

私の夫、家事オールマイティ。特に料理が大好き。
育児も率先してやってくれる人でした。
が、いかんせん妻が助産師であるがため、乳児期は基本的に全て私にお伺いを立てる日々でした。ただ、3くらいまで言えば5くらいまでやる程度に戦力としてあてに出来る存在でした。
我が家はそれで問題がなかった。
夫が家事の殆どを担い、朝昼ご飯の準備も整えて出勤する人だったので、私は育児と部屋の掃除程度をすれば良かったから。
育児については、今日こんなことがあったよ〜、娘はこんなタイプみたい、と毎日共有はしているつもりでした。

そんな、娘が6ヶ月のある日。
私はかねてから予定していた友人の結婚式に参列。留守にしたのは14時から20時。出掛けに「さっきミルクあげたから18時くらいまでは大丈夫だよ、あとお風呂は入れといてね」と伝えておきました。
そして帰ってきたら、私が出かけてから一切授乳せず、沐浴だけやった状態。
私「え、授乳は?」夫「泣かなかったからあげてない」私「最近授乳前に泣かないから、4時間くらいで時間見て授乳してるって言ったよね?」夫「……言ってたね、何日か前に」私「いつもお風呂のあとも必ず授乳してるの見てるでしょ?」夫「離乳食あげないのかな?と思って」私「離乳食は朝あげたよ。第一、夜に離乳食あげてるの見たことある?」夫「ないです」
この後あげたミルクが一瞬でなくなったのは言うまでもありません。

夫は自分なりに考えて数時間を過ごしたようですが、私が言わなかったことをやってもいいかが分からなかったようです。私は私で、そこまで指示しなくても授乳するくらいやるだろうと思っていた。完全に日頃の役割分担が裏目に出ました。日頃から育児に関してそこまで主導権を持つよう求めていなかったのだから、もっと細かく指示するべきだったのだと。
さらに、日頃から私が共有していると思っていた娘に関する情報は、夫にとっては報告事項であって、自分がやるときはどうすべきか、というふうには捉えてなかったようです。

私が見込んでいた夫の育児レベルと、夫が出来る育児レベルに、逆の意味で大きな差がありました。自分にとってもどでかい落とし穴でした。

最後に

長文になってしまいましたが、あくまでこれは私見です。
家事や育児をどのように分担するかは、夫婦が話し合い、共通理解のもとで進めることです。
しっかり育児参加しあってる夫婦でも、便宜上「手伝ってる」と表現することもありますしね。
ただ、夫がやってるつもりのことが妻にとってはどういう認識なのか、そのすり合わせは必要かと思います。

以上。最後までお読み頂きありがとうございました。

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