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自己啓発で頭いっぱい

最近、自己啓発的なものを見ないようにしている。

精神が限界になる前から、私はしょっちゅう塞ぎ込んだり、不安になったりする人間だった。
この暗い気持ちをどうにか消化してやりたくて、他の人の理論や解釈をずっと漁っていた。

具体的な引用はできないが、大体私が見ていたのは
「自己肯定感が低いから上げよう」
「自分を肯定するにはこうしよう」
「不安が消える一言」
「傷ついた時はこう考える」
「この世のポジティブな捉え方」
「原因は子供時代」
「つらかったとき、私はこうした」

こういうものだったと思う。
この一つ一つを並べて、来たる苦痛をどうにか減らそうと頑張った。

苦痛があると、さらに武装しようとする。
しかし、ただでさえ苦しい時は頭がいっぱいなのに、どんどん覚えようとすることが多くなって、励まされるはずの概念たちすら全て投げ出したくなってしまった。

ネガティブな思考が出る度に、集めた名言や楽になる一言を脳内で探し回る。見つからなければどこかで見つけてくる。
人の言葉がどれだけいいものでも、自分のものじゃない。この行為こそネガティブの堂々巡りだった。

自分の人生の中で、「あーこういう時こうしたらいいんだ」と思う方が一番しっくり来るし、ずっと覚えていられる。
自分のことを理解できなくても、自分のことは、よく記憶しているという意味でよく知っている。

格言をひたすらに実践して成果を出せる人は、それがあなたにふさわしいやり方だと思う。
他に自己啓発まみれで疲れた人がいたら、自分だけの理論を築くのもいいかもしれない。

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