“男の子”が好きなみっともない私の母親

私の母親は、“男の子”が好きだ。
母親が産んだ子は3人とも女の子。
果たして、私が“男の子=息子”として産まれたらだったら、母親から好かれていたのか?
それはわからない…。
なぜなら、母親は見映えの良い男の子が好きだ。
かわいい系、かっこいい系、とにかく良い容姿の男の子が好き。
田舎っぽいというかダサい感じや女子ウケしない男の子は嫌いだ。
見た目が良く、母親の好みで気に入った男の人には贔屓。
気に入った業者の男の人には「○○さぁ~ん♡」と、色のついた?香りのついた?声色になるらしい。
物真似が難しいほどらしい。
一体どんな声色なのだ?
娘である私ですらわからないのだが、職場の女性陣はドン引きしているらしい…。
そりゃそうだ、ドン引きだよね。
情けない上に恥ずかしい。

20年以上前に、研ナオコさんのご家族がテレビに出た。お子さんはまだ小学生くらいの時。
娘さんと息子さんがテレビに映っていた。
母親はしきりに「息子かわいい~!男の子かわいいわ~!女の子はたいしたことない!」とバッサリ斬っていた。
テレビが放送されている間中、ずっと「息子かわいい~」と言い続けた。

私が社会人となり、西城秀樹さんがご病気になったか亡くなられた時に、ご家族がテレビに出た。
娘さん1人と息子さん2人。息子さんは小学生だった。
母は“御三家”の西城秀樹さんや郷ひろみさん野口五郎さん世代なので、その時はまだ母と仲良くしたかった私は母に「若い時の西城秀樹さんかっこいいね」とLINEをした。
「奥さんも子どもかわいいね」とも言った。
母親は「男の子は2人ともかわいいです。女の子はたいしたことないです」と返信がきた。
私は「女の子もかわいいよ」と言ったが、母は「息子2人ともかわいいかわいい」ばかり。
娘さん、かわいい女の子だった。

私はその時にようやく「お母さんは“男の子”が好きなんだな。“女”は嫌いなんだろうな」と感じた。ようやく。

私の産む子が、女の子なら興味はないだろうし、母親の好きな“男の子(息子)”であっても、きっと母は興味ないだろう。
これまでの理論でいくと、「え?お母さんの好きな“男の子(息子)”を産んだら、かわいいんじゃないの?」と思うだろう。
違うのだ、私と夫の産む子などかわいくないのだ。
なぜか?
母は私のことも夫のことも嫌いなのだ。
私達の子どもが優秀な高校へ行けば、母にとって途端にかわいくなるだろう。

母親はそんな人だ。



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