66.蝉時雨(せみしぐれ)
今年は、新生活を送っている年だから、何かにつけて「去年の今ころは」と思って過ごしている。
✳︎✳︎✳︎(以下回想)✳︎✳︎✳︎
進路を求めて、暑い最中南下した。
この地だって、年々暑くなっているが、やはり違う。交通機関では暑さにまけて、とうとうマスクを外した。(一応、医療従事者なので、今でも結構マスクつけてる方。)つけてる人もかなり少なく、かの地との差を感じた。
日傘を当たり前のようにさして歩く。夜になっても気温が下がらない。長い長い日中。
翌日、朝早くの出発なのに、もう日は高くて、セミが鳴いている。というか、セミの鳴声が日傘の上に降ってくる。
「蝉時雨」って言葉の言い得て妙なこと。もうこれしかないという表現。
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だけど、そもそも「蝉」に馴染みがない。温暖化に伴って、年に何度か鳴声が聞かれるようにはなってきた。だけど、種類も違うだろうし、群衆というほどにはなっていない。
「蝉」という漢字がすぐ読めなかった。
『八日目の蝉』ってこんな字だった?と確認すると、つくりの「ツ」のようなところが、ほらやはり「□□」になってて、見事なレタリング。私、セミの漢字ってこっちだと思っていた笑
だけど、虫編に「単」か…。彼らの生涯を表してるような字ですね確かに。
❄︎ ❄︎ ❄︎
涼しさと静寂をもたらしてくれる雪の記事を読んだというのに、
ギラギラの光と喧騒も思い出してしまった。
にぎにぎしいのに疲れるけれど、どこか
夏は遊びに来た子どもたちが帰った時のように いなくなると寂しい季節
そう思うには早く、夏本番はまだまだこれからですよね。
こんな記事を書く余裕があるのは、気まぐれにつけているメモ帳のような三年日記を見て、去年の今頃はエアコン入れているのに、今年はまだだなーなんて思ったからかもしれない。湿気を帯びてても夜風が心地よい。
日傘をさす機会は着々と増えてきている。
いつか、蝉時雨が降るようになるのだろうか。
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