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100倍、身につく国語力(109) 話しコトバ篇

❤小~高校生と、母親向けのレッスン

 (1年間で国語力の悩みが解決できる!)
 
 話しコトバ特有の言い方
 (2024.1/31~2/11連載)のつづき

 
3.「話しコトバ」の生々しさ ③
   「話しコトバ」があまりにも生々しい
と、その文章を読む気にもなれません。
文脈ではなんとかスムーズであっても、
語彙レベルで口語調であると、文章その
ものが幼稚になってしまいます

 
 今まで取り上げた例で、それは充分に
理解していただけたでしょうが、再度
確認してみましょう。
 
<例文53>
 今は全てが新鮮で、毎日張り切っ
 ている
。片道2時間半の通学も
 あんまし苦痛でもない。大学は
 最後の学生生活の場となる。社会
 に出たら
長期休暇などせいぜい
 一週間ていどである。重なる失敗
 をしたら、クビにもなりかねない
 今は猶予期間じゃないか、と思っ
 てる

 
 【訂正語句】

  ・張り切っている
   →充実している
  ・あんまし
   →そんなに、あまり
  ・社会にでたら、
   →社会に出れば、
  ・長期休暇などは
   →「など」は不要
  ・クビになりかねない
   →仕事を失いかねない
  ・じゃないか、と思ってる
   →ではないかと思って
    いる
 
 上の文章で一見しただけで、いくつ
も「話しコトバ」のあるのことがわか
ります。もし問題があうとすれば、
この点に本人が気づくかどうかという
ことなのです。

 ・「張り切っている」
 ・「あんまし」
 ・「社会にでたら」
 ・「クビにないかねない」
 ・「じゃないかと」
 ・「思ってる」
  
 
 これだけ「話しコトバ」が多いと、
そもそも「書きコトバ」の文章に
するというのは、無理ではないかと
思われますが、いかがでしょうか。

ネットのイラストより転載


 そこで、一応次のように直してみま
した。次のようにすれば、少しは「書
きコトバ」を使ってずっと良くなるの
を、学生もぜひ知ってもらいたいもの
です。
 
(訂正文53)
 今はすべてが新鮮で、毎日充実
 した生活を送っている。それで、
 片道2時間半の通学もあまり
 苦痛にならない。大学はおそら
 く最後の学生生活の場となるで
 あろう。社会に出れば、長期
 休暇を取りたくても、長くて
 一週間程度だと聞いている。
 もし会社で度重なる失敗をすれ
 ば、仕事を失いかねなくなる。
 今は、就職するまでの猶予期間
 ではないかと思っている。

 
 もちろん学生の文例は、きちんと書
こうという意識のあることは想像でき
ますが、何分にも基本的な文章力不足
が致命傷となっています

 
 ❤「話しコトバ」については、
  学校教育の場や家庭の中で、
  きちんと習っていないのが、
  原因のようです。ですから、
  そんなに気を落とさなくても
  いいかと思います。
  ただ、少なくても、ここで
  ご紹介する学生の文例を見て、
  思い当たる点があれば、さっ
  そく考え直していただきたい
  のです。
  
 アナミズ (2024.05.30)
 

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