100倍、身につく国語力(117)話しコトバ篇
❤小~高校生と、母親向けのレッスン
(1年間で国語力の悩みが解決できる!)
話しコトバ特有の言い方
(2024.1/31~2/11連載)のつづき
11 「~けれど、」と「~から、」の
接続助詞に注意する (11)
「話しコトバ」については、同じよう
なことが多々あります。例えば、「当た
り前」という語句が、正式の文章に使われ
ていたので、考えさせられました。
それでは、ここで、実例を見ていきま
しょう。
<例文61>
今日の社会では、英語は話せて
当たり前の時代といわれ、その
重要性はもっともっと高まって ~
【訂正語句】
・当たり前→当然
・もっともっと→より一層
・高まって→一層
この「当たり前」は、学生がかなり
無意識に使うコトバの一つで、小論文の
指導では早めに注意した方がいいでしょ
う。「もっともっと」にいたっては、
一度でも品格を落とす語句になります。
表現を強調したいあまりに、逆効果に
なっています。
(訂正文61)
今日の社会では英語は話せても
当然の時代といわれ、その重要
性はより一層高まってきています。
というように直せばすむことですね。
次のような「正直いって」というのは、
どう見ても「書きコトバ」とはいえない
のないのでないでしょうか。
<例文62>
今だからいえる事ですが、正直
いって、高3年生の秋、入試の
合格通知をもらった頃、期待と
不安で胸がいっぱいでした。
【訂正語句】
・事→こと(ひらがにする)
・正直いって→考えてみると
・胸がいっぱいでした
→胸が絞めつけられるよう
でした
「正直いって」は、「本当のところ」
でもいいかもしれません。「胸がいっぱい
でした」たも、まずい表現だと思います。
このように、日常何気なく使う言葉に、
うっかり使ってしまうものがあると意識
すれば、「話しコトバ」と「書きコトバ」
を誤用することはないはずです。
(訂正文62)
今だから言えることでよく考えて
みると、高校3年生の秋、入試の
合格通知をもらった頃は、期待と
不安で胸が絞めつけられるようで
した。
(2)【名詞 ②】…「あと」は接続詞
ではない
若い人は「あと」というコトバを接続
詞的に使う場合があるので、それを見た
瞬間驚くことがあります。もっとも、
韓国人はハングルに「ト、~」という
接続詞があるので、彼らもしばしば
「あと」を使いますが、日本人がこれを
使うのはいただけません。それでは、
実際の例をみてみましょう。
<例文63>
そのためには、目標を立てる
ことが必要だから、英語を
マスターすることを目標に
頑張りたいと思います。あと、
大学はたくさんの人と接する
ことが多いので、自分から
積極的にしゃべりたいと思い
ます。
【訂正語句】
・必要だから→必要なので
・頑張りたい→努力したい
・あと→それから
・たくさんの→多くの
・しゃべりたい→話しかけたい
この文は一部の「話しコトバ」を書き
直せば、しっかりした文章になるので、
次のように訂正してみました。
(訂正文63)
そのためには、目標を立てる
ことが必要なので、英語を
マスターすることを目標に努力
したいと思います。それから、
大学はたくさんの人と接する
ことが多く、自分から積極的に
話しかけたいと思います。
これは学生の文章が元々しっかりした
構造なので、少しの手直しでずっとよく
なります。さて、次の例はどうでしょう
か。
<例文64>
高校に入ったばかりの頃、私は
校則や部則など、規則だらけで
窮屈だなあと思っていました。
でも今は、言われたことさえ
やっていればよかったから、
すごく 楽だったんだなと思い
ます。
【訂正語句】
・部則→意味不明?
部活規則?
・規則だらけ→規則が多くて
・窮屈だなあ→窮屈だと
・でも今は、→しかし、今は
・よかったから→よかったので
・すごく楽だったんだなあと
→とても楽だったのだと
これは「話しコトバ」も多いし、構文
もしっかりしていないので、かなり手直
しが必要です。次のように直せるでしょ
うか。
(訂正文64)
高校に入ったばかりの頃、私は
校則や部活規則など、諸規則が
多くて窮屈だと思っていました。
しかし、今は他の人(先輩?)
から言われたことさえやっていれ
ばよかったので、とても楽だった
といえます。
一応、このように手直してみました。
これは少しの注意で話しコトバ的な表現
は減らすことができるので、ご理解して
いただけたかと思います。
❤いかがでしょうか、今回は
「話しコトバ」が頻繁に使用
されいる例をあげましたが、
みなさんにも思い当たる点が
あるのではないでしょうか。
アナミズ (2024.06.07)
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